無人島
新章です。
島はなだらかな丘陵の頂を持つ島だった。
それしかない。
本当に、木一本生えてない。
生えているのは背の低い草だけ。
そして吹き荒れる強風。
そんな島に、ミーニャと降り立った。
「本当に何もないな」
「ですね」
理由はすぐに分かった。
この島の地表を硬い岩盤が覆っていた。
そして、この島は風が強い。
枯れ草なんかの堆積物を強風が吹き飛ばす。
そのせいで岩剥き出しの地表になってしまった。
土が無いので木は根を張る事が出来ず、吹き飛ばされてしまう。
遠くから見ると草が生えているように見えるのでのどかに見えるが、ちかくから見ると岩肌むき出しのゴツゴツとした地面で完全に荒れ地と変わらない。
土や森が無いので、雨が降っても水を貯めることが出来ず、全て海に流れてしまう。
それが川のない理由だった。
幸いなことに、日差しはそれほど強くなかったので、すぐに渇きに苦しむ感じじゃなかったのが幸いだ。
僕らは丘の頂上を目指す。
理由は簡単だ。
海は荒れている。
泳いだら泳ぎの上手い者でも、確実に溺れるぐらいの荒れようだ。
当然、漁も出来そうもない。
海から得られるものは何もない。
海岸で貝を探してみたが、岩場の海岸では見つからず。
貝殻さえ見つからなかった。
そうであるのならば、海から離れた方がいいだろう。
そう考えただけだ。
それと、もう一つ期待している事があった。
カルデラ湖だ。
孤島は地面が隆起して出来たものよりも、海底火山の噴火によって作られたものが多い。
もし、海底火山の噴火によりこの島が出来たのならば、頂上には火口が有るはずだ。
火口が有れば、水が溜まっている可能性もある。
麓から見た感じ、頂上付近が平らになっているので火口が有る可能性は非常に高い。
その可能性に賭けて登ってみることにした。
*
山の頂まで4時間ほどかかった。
海岸線から見た時はなだらかな山に見えたので、そこまで時間は掛かる様に思えなかった。
でも、なだらかに見えても岩場。
登るのは結構辛かった。
山歩きに慣れた僕はまだしも、山歩きに慣れていないミーニャはかなり辛いことだったろう。
耳を垂れさげ泣き顔だった。
僕は足が遅れ気味だったミーニャの手を引いて登る。
「ジーンさま、ご迷惑をお掛けしてすいません」
「慣れてない山登りが大変なのは当たり前。気にするな」
「私を助けなければ、こんな目に遭わなかったんですよね……」
「あの状態で、放っておく奴は人間じゃない。それにあそこで助けたからこそミーニャに出会えたんだ」
「ジーンさま」
ミーニャはそういうと顔を赤らめ、僕の手を強く握ってくる。
「それに僕が毒で止めをさしていなければ、こんなことにもならなかっんだ。僕の責任でもある」
「そ、そんな事ないです! ジーンさまは悪くないです!」
そんな話をしていると、ミーニャに元気が出て来たのか足取りも軽くなる。
*
頂上に着いた。
残念な事に、期待していた火口は無かった。
そのかわり、頂上が平地になっている。
意外と広かった。
2キロル四方の広さだ。
これぐらいの広さなら、畑を作れる。
でも、地表は岩場。
耕すのは難しい。
まあ、畑よりも水だな。
水が無ければ生きていけない。
何としても水を確保しないと、いずれ渇きで死ぬ。
僕は優先して水を確保することにした。
※1キロル=1キロメートル
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