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無期懲役

「という感じで、島流しになりました」

 

 ミーニャは悲しそうな顔をした。

 おっさんが気が沈む僕たちに、慰めの言葉を掛けた。


「お前らも大変なことになったな」


 まさか、島に流されるとは。

 完全にハメられた感じだ。


 実質処刑と言っていた王様の言葉を思い出した。

 その言葉通り、島流しは死刑に次ぐ重い刑だ。

 ちいさな村しかない島。

 小さな畑で少しだけ取れた食糧で、細々と暮らす。

 そんな生活しか待っていない。

 でも、王族相手のトラブルに巻き込まれて、生きているだけでも運がよかったのかもしれない。


「お前たちは無人島で生活することになるんだ」

「無人島だと?」


 冗談だろ?

 無人島って誰もいないって事だよな?

 店どころか村も何にもないんだろう?

 そんなところに流されて生きていけるんだろうか?

 

「どのぐらいの期間ですか?」

「死ぬまでだ」

 

 無期懲役かよ……。

 いや、終身刑かよ。

 それを聞いたミーニャが泣いていた。

 おっさんは話を続ける。


「今からお前さんが行く、流され島は絶海の孤島だ」

 

 僕たちが流される島は、周りを海で囲まれた直径一〇キロルの無人島だそうだ。

 船無しでは、抜け出すことは不可能。

 船と言っても小舟では無理。

 周りの海域はかなり荒れているので、中型船でないと転覆し海の藻屑となる。

 中型船なんて、造船所が無ければ作れるわけもない。

 つまり、外から助けの船が来ない限り、出ることは無理。

 そんな場所だとの事。

 親父に連絡が取れれば助けに来てくれるかもしれないが、連絡を取る手段は無い。


 危ない獣とかは居ないのかな?

 オオカミとかいたら、シャレにならない。


「猛獣は居ないから、安心しろ」


 とのことだったので、ホッと胸を撫でおろす。


「でもな、川が無い」


 川が無いだと!

 じゃあ、飲み水はどうするんだよ?


 島に流された罪人は三日ぐらい喉の渇きに苦しんで死ぬ。

 喉の渇きに耐えられなくなった罪人は、海水を飲んで死ぬ。

 そのどちらかしかないそうだ。


 死ぬ迄って、そういう事かよ!

 無期懲役なのに、刑期短すぎ!

 

「運よく雨でも降れば生きながらえることが出来るかもしれないが、この季節に雨なんて降るわけもないな」

 

 雨が降ったとしても、一度だけならせいぜいもって一週間がいいところ。

 それまでに井戸を掘るか、飲み水代わりの果物を見つけられるかだな。

 船長さんはとんでもない事を教えてくれた。


「雑草しか生えない島さ。猛獣も、木も、水も何にもない」

「冗談だろ? そんなとこでどうやって生きて行けというのか?」

「最初っから、生かすつもりなんて無いさ」


 それを聞いたミーニャが、船頭さんに縋り付く。


「そんなとこに私たちが連れていかれるんですか? 死ねと言われているようなものじゃないですか! 帰らせて下さい!」

「お前さんのご主人様はこの兄ちゃんだろ? ご主人様から離れる訳にもいかないだろ」

「死にたくないです! 故郷に帰してください!」

「故郷に帰せるわけねーよ。姉ちゃん、あんたは奴隷だろ?」

「……はい」

「陸に戻ったとしても逃亡奴隷扱いだぞ」

「ううう」

「あんたも奴隷なら、逃亡奴隷の扱いを知っているだろ?」

「……知っています」

「即処刑だ」

「ううう」

「当然兄ちゃんも戻れば、逃亡罪で処刑だ」


 僕たちを処刑代わりに殺す為に、この島に送り込んだんだ。

 楽に逝かせるつもりは無いんだろう。

 飢えと渇きで苦しんで苦しんだ末に殺すつもりだ。


 でも、逆に考えると、水さえ確保できてしまえば……。

 井戸でも掘って水さえ確保出来てしまえば、なんの問題もなく生活を送れるのかもしれない。

 何としても、水だけは確保しなければならない。


 そう考えていた僕は、後に考えの甘さを思い知ることになる。

 僕らは絶望的な状況の中、島へと降り立った。

無人島に流されるまでの第一章が終了です。

よろしければブクマ、評価をお願いします。


引き続き、無人島でのサバイバルの第二章が始まります。

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