表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/26

次回予告で登場人物ばれるなら、最後に出しときゃいいかって思った

オムツの変態を倒した後、俺は買い物を済ませて家に帰った。

「うぁ~……疲れた~……」

「私も~……」

一日に二人倒しただけだが、疲労感がハンパない。


「でも、あと少しか。」

「そうだね~。」

さすがに100人以上いるって聞いたときはア然としたが、やっと目処(めど)が付いてきた。


「頑張らないとな。」

「うん。」

「あとさ……」

「ん?」

「さっきはありがとうな。」

「え?いやあれはその……くーくんが危険だったから……」

葵が照れている。


「それでも嬉しかったよ。恥ずかしがり屋の葵があそこまでやってくれるなんて。」

「も、もう!思い出させないでよ!」

俺はじっと葵を見つめる。

「俺が必ず元の姿に戻してやる。だからそれまで待っていてくれ。」

「くーくん……」


沈黙が流れる。

俺と葵は見つめあったまま……互いの顔が近付いていく。

葵がまぶたを閉じ、俺の服のすそを少しだけ強く握っている。

もうすぐ唇と唇が触れ合う……



ガチャ!

「クソ息子~、掃除しに……ごゆっくり~」

バタン!


さっきとは違う沈黙が流れる。

「ノ、ノ、ノ……ノックぐらいしろぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!」


せっかくの初キスがお預けとなりました。



それからいろいろあり……いや、主にからかわれただけなんだが、一日が終わった。

翌日、

「おはよう、くーくん。」

葵がいつも通り俺を起こしに来てくれた。

朝食やらなんやらを済ませて今日の分の変態退治に外に出た時だった。


「おはよう。」

見覚えのある人影、確か神緒とか言ったか。それと美子と呼ばれた幼女。

「おはようさん。何の用?」

「君にお礼と――再戦の申し込みだよ。」


うわ~嫌だ~、コイツ強ぇんだよ~。

「あれから僕は悩みに悩んでね、でも考えても答えは出なかった。ならば勝ち進んで、

願いを叶える権利を貰ってから結論を出しても遅くはないんじゃないかと。」

夏休みの宿題を後回しにして起こられるタイプですね、わかります。


「という訳でさっそくだ。」

そう言うや否や、美子が神緒の服を引っ張る。

「お兄ちゃん、美子ね……お兄ちゃんのことを考えると、えっちな気分に

なっちゃうの……どうしよう?」

外見幼女、実年齢27がほざいてる。


「はああぁぁぁぁぁぁぁ!」

イケメンがやる気になってる、ヤバイ!

「葵、どっかに隠れてろ!」

「くーくんは!?」

「俺は逃げる!」


俺が逃げ出すと同時に風が吹き荒れ、町を破壊していく。

案の定、ターゲットは俺に絞られたみたいで追ってくるのがわかる。

「どうした!逃げるばかりじゃ勝負にならんぞ!?」

「無理だって、こんなん!」

風を操るだけなら楽勝と思ってるヤツもいるかもしれんが、

範囲がハンパじゃなく広い!

しかも、障害物があっても壊したり回り込んだりしてくるので役に立たない。

なにより……


「空飛んでんじゃねぇよ!」

「こういう能力だしね。」

「しれっと答えんな!」

攻撃する際に風の音が強まるので、その瞬間に体を動かしているだけだが、

それで避けられてるのが自分でも信じられない!

だが俺は逃げ回るだけ。体力もなくなってきてるし反撃の手段もない!


そして、たどり着いたのは廃工場だった。

「ここなら下手に壊したら自分にも何か飛んでくるかもよ!?」

俺は中に入り、外で浮かんでいる神緒に大声で叫んだ。


「それは本気で言っているのか?すべて吹き飛ばせばそれで終わりのはずだが?」

「どうかな?試してみるか?」

「何?」

「この廃工場は危険な薬品も扱ってたらしくてな。下手すりゃ大爆発……

なんて恐れもあるぜ?」

「……」

さすがに考え込んでいる。

やがて諦めたように地面に降りて中に入ってきた。

さすがに爆発を想定して、その範囲外からの攻撃となると威力が弱まるらしいな。


「どちらにしろ俺が勝つ事に変わりないしな。」

余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)でやんの。イラつくわぁ!だけど……


がらん!

「ふん!」


メキメキィ!

「はぁ!」


俺が隠れながら重力を操り、廊下に負荷をかけて重いものを落としても風で

吹き飛ばしやがる。アイツの方が強いのは認めたくないが……

「こんなもので終わりか?」

畜生!!万事休すか!!



ザッ……ザッ……


足音!?止まってる時空間の中に人が……いや、ショタ女と戦った時も乱入して

助けられたっけ。

イケメンが先に足音の正体へ目を向けると、驚いた顔になった。

俺も正体を確認する。



「空。いるんだろ?出て来いよ。」

嘘だろ……なんでお前が……

「葵ちゃんも言ってやってよ。」

「くーくん、出てきちゃダメ!」


葵と美子を連れながら廃工場に入ってきたのは、

「和弘……」

親友だと信じていたはずの男だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ