酷いケツマツ
幼女がリコーダーに唾を付けて、変態に渡す。
「これでいいんでしょ!!」
「うむ。」
そうして受け取ったリコーダーを変態は……
じゅる!ぴちゃ!じゅるるるる!ぐちゃ!
「ん~甘露甘露。やっぱり幼女の唾液というものは、この世の全てを上回る
美味さをもっていますなぁ。」
吐き気を催す音を出しながら、リコーダーに付けられた唾液をすすった。
「オェ……」
「うわぁ……」
何してくれてんの?ドン引きだよ……
「む、充電完了。」
「へ?」
「そおりゃあ!」
リコーダーをこちらに向けてきたかと思うと、その先端から電撃が走る!
「うああああああぁぁぁぁぁぁ!」
「きゃあああぁぁ!」
俺は電撃を食らい地にヒザを付く。
「これで終わりっと。」
「う……目が……くーくん!?」
葵の声が聞こえるが、俺は返事をする事すらままならない。
「くーくん!起きて!」
「無駄ですよ、お嬢さん。」
たった一撃食らっただけでこのザマかよ……身体能力強化がなけりゃ、
本当に終わってたな……
「おや?そろそろ天使が来て決着を言い渡してもいいはずですが。」
変態は一撃で終わったと思ってるらしく、追撃してこない。
不意を付くにしても、逃げるにしても今しかチャンスがない。だが体が……
こうなれば、
「あ……お……」
俺は小声で葵に呼びかける。
「お、俺に……エロ、い事を……」
「へ!?」
方法はたった一つ。
俺が葵に欲情して身体能力強化の効果を一瞬でも底上げすれば動けるくらいに
なるはず。
「え?で、でも……」
「い、今……しか……チャンス、が、ない……」
戸惑う葵に頼み込む。
「変ですねぇ……もしかして、そこの彼。まだ意識がありますか?」
ヤバイ、変態が気付いた!
「もう一発撃っておきましょうかね。唾液の追加を。」
「嫌よ!どう見たって戦闘不能じゃない!」
「嫌よって、交渉したじゃん!ぼくちゃんは幼女の唾液が吸いたいの!
吸いたい吸いたい吸いたーーーい!!」
地面に寝転がり、手足をバタバタさせながら駄々をこねる変態。気色悪い。
「あお……い……頼む……」
「~~~~!」
俺の言葉に意を決したように、葵は、
「えい!」
スカートをたくし上げ、それを顔に被せてきた。
つまり俺の顔は生足で挟まれ、パンツが暗いながらも見える状態。
葵の生足、パンツ……ふ、ふおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
急激に体の怪我が治っていく!
「だっしゃああああ!愛の力で復活!!」
「何!?」「嘘!?」
変態と幼女は俺をみて驚いてる内に、相手に向かって走り出す。
身体能力強化はまだ効果が上がってるみたいで、自分でも驚くほどの速さだ!
「も、もう一度!!」
変態はリコーダーを向けてきたので、
「うらぁ!」
俺は最強武器……フライパンを投げつける!
バヂィィィ!と凄い音が鳴って焼け焦げるフライパン。
それでも見てる限り、さっきより威力は下がっている。最初に充電完了だの
言ってたから、アイツは唾液を摂取しないと最大威力で電撃を放てないと思ったが、
合ってたらしい。幼女が拒否ってくれて助かったぜ!そのまま殴り倒す!
顔面めがけてジャンプしつつパンチを放つが、
「うおっ!」
変態がとっさにリコーダーを盾にしたため、先端から中ほどまでが折れた。
リコーダーの折れた部分が回転しながら宙を舞っていた。
速度が付き過ぎて、相手の横をそのまま通り過ぎる俺。
空中で体を捻り振り返ると、変態は折れたリコーダーを俺に向けてきている。
俺はちょっとでも体勢が崩れればいいと思い、夢中で重力を操った。
宙を舞ったリコーダーが重力の影響で急速に地面に向かう。
変態のランドセルも重くなったらしい。
後ろに引っ張られるように尻もちを付きそうになる変態。
奇跡だった。
地面に対し、少しの角度を付けながら落ちるリコーダーの先端。
こけまいと必死に前かがみになる変態。
その二つが合わさった時、
ずぶぅぅぅぅぅぅ!
実際に聞こえたわけではないが、その場にいた全員の脳内に文字が浮かんだ。
変態の上半身とほぼ同じ角度で地面に突きたったリコーダーがオムツを破り、
穴に吸い込まれた。
全体重をかけたものだから、相当めり込んでる。
コンマ何秒ずれても、倒れ込む角度が違っても、折れたのが先端じゃない方だとしても
この奇跡は生まれなかっただろう。処○喪失です。
「……」
変態は白目を剥いて、口からは泡を吹き、痙攣しながら気絶していた。
勝利したはずなのに何ともいえない空気が漂う。
『はいは~い、決着――キャアアアアア!』
変態の姿を見て悲鳴を上げる役立たず。
幼女はいつの間にかチケットを取って逃げていた。




