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変態ってどこから変態なんだろう?

「お嬢ちゃんたち!コレを見てくれ!」

長めのコートを着た男が前を開いて俺達に見せてきた。

コートの下は他の衣類はなく、すっぽんぽん。ただし荒縄で亀甲縛りされてる状態だ。

息子さんは怒髪天を突いてらっしゃる。


「「……」」

「あ、あれ?ほら!ほ~ら!」

変態は反応を示さない俺達に何度も何度も息子さんを突き出してくる。

葵を見ると、さすがに下は見ないように手で隠しているが、もう慣れてしまったようで

冷静そのものだ。


「普通の変態だな。」

「普通の変態だね。」

「ふ、普通!?」

今までがちょっとおかしかったからね。


「まあいいや。とりあえずアンタも敵だな?じゃあいくぞ!」

「敵?何言ってるの?い、いやそんな事より、おじちゃんの息子を見て

何も思わないの!?」

「汚い……としか。」

「そんな……そんなバカな……」

ぐったりとうなだれる変態。


「今まではキャー!とか、うわっ!とか悲鳴を上げてくれたのに……」

「どうでもいいからさっさと戦うぞ。時空間を止めろよ。」

さっきから風が吹いたり、動物の鳴き声が聞こえてるから戦闘用のフィールドが

広げられてないらしい。


「時空間を止める?戦う?さっきから何言ってるの君?」

「え?……だって変態じゃん。変態は敵じゃないの?」

「何が?」

……え?もしかして普通の変態?本当に?


「ないわ~、ないってコレ。普通の変態が普通に変態的行動を取っただけじゃん。」

「あの?」

「変態のおっさんも変態度が低いんだよ。その程度のレベルじゃ、そこら辺にいる

変態と変わらないじゃん。」

「くーくん、通常は変態はそこら辺にいないよ?あとそろそろ変態って言う言葉が

ゲシュタルト崩壊しそうだよ。」

変態のおっさんは目をキョロキョロさせながら俺達を見回す。


「そうだなぁ……例えば、あそこにいる明らかに小学生用のTシャツを着て上半身が

ピチピチの状態でオムツはいてランドセルを背負って、学校指定の帽子を被って、

泣いてる幼女の手を引きながらこっちに歩いてる来る、見た感じ四十過ぎの

おっさんくらいじゃないと変態とは……」

そこまで言って気が付いた。


「あれは……」

「あの格好してる人は……」

「なるほど、確かに格が違う。あれこそが……」


「「「変態だーーー!!」」」


俺と葵と変態その1が同時に声を上げた。



「おや?戦闘相手ですか?」

相手も俺達に会うことを想定していた訳ではないらしいが、先に声をかけられた。

して変態その1がいつの間にかいなくなっている。戦闘フィールドが広がったか。


「では、先手必勝で。」

おっさんはランドセルからリコーダーを引き抜くと、

「ではコレに唾液をまぶしてください。」

変態的要求をした。


幼女がヒックとしゃくり上げながら、

「なんで……私がこんな目に……」

と呟いたのが聞こえた。


「くぉらぁ!ガチ犯罪じゃねぇのか!?その子を離しやがれ!」

「違うわ!交渉の結果じゃ!」

交渉?そう思っていると、変態が一枚のチケットを幼女が見えるようにランドセルから

取り出した。


「いいのですか?何のイタズラか自分が手に入れてしまった、この……

ジャネーズの人気グループ、荒々しいのコンサートチケットが貰えなくても。

破いてもいいんですよ?」

「ちくしょう……」


荒々しいのチケットは発売数分で完売し、その倍率が五十倍を越える事もある

プラチナチケット。そうか、あの幼女はジャネヲタだったか……

良い子のみんな、転売はやめようね。絶対!!

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