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18/26

一回、本物を見てみたい

翌日、

「どこら辺回ろうか?」

「ん~、あんまり敵が多いところには行きたくないな。」

俺と葵は変態探しと変態退治のために歩いている。


といっても、家から学校に向かうまでの間で敵がいる箇所に乗り込むだけだから

数もある程度は絞られてくる。

「この印を付けてもらった所に、今もいるとは限らないからなぁ。」

「じゃあ建物に印が付いている場所ならどうかな?」

「なんで?」

「多分その人のお家だと思うから、そこからずっと離れてるっていう事は

ないと思って。」

「なるほど。」


葵の案で、なるべく他の印が付いている場所から離れていて、建物に印が付いている

場所を探した。

「ここか。」

「大きい一軒家だね~。」

通学路から少し離れた場所にある塀に囲まれた和風の一軒家。

ここに変態が潜んでるのか。


「待ってても不意打ちを食らう可能性があるし、こっちから仕掛けてみるか。」

「くーくん、今日は積極的だね。どうしたの?」

「なに、一日でも早く馬鹿げた騒ぎを終わらせたいだけだよ。」

そしたら俺は葵とイチャイチャムフフな生活を……


ピンポーン


「誰も出ないね。」

「留守か?」


ピンポーン


チャイムを鳴らしても誰も出ない。

「よし、覗いてみるか。」

「え、くーくん?」


玄関から庭の方に回ってみる。

「ちょ、くーくん!」

「どうした?」

「もし、ここの能力者以外の人が住んでたらどうするの!?」

「そんときゃ、そんとき。何とかなるだろ。」


そして庭に回り、窓から家の中を覗くと、

「はぁはぁ……可愛いよぉ……」

寝ている女に着せ替えをしている、鼻息が荒い女性用のスクール水着を着た

太ったおっさんがいた。


「よし、帰ろう。」

「え?どうしたの?」

「いいから。帰って警察に連絡しよう。」


ガラガラガラ!


「そこにいるのは誰ですかぁ!」

気付かれた。


「あ、すみません。道に迷っただけなんで今すぐ帰ります。」

「なんでスクール水着着てるの!?」

葵が突っ込んでしまった。


「可愛いからに決まってるでしょう!」

いや、それで着ようとは思わない。


「おや?能力者ですか。ワタシを倒しに来たという訳ですか。」

「あ、まぁそんな気がするような気がしないでもないかも……」

「タイミングが悪かったですね。ジェシカの着替えをして昂ぶっている時に

攻めてくるとは。」

ジェシカ?


「さっきの着替えさせてた女の人?」

「そうです!ジェシカはワタシがどんな格好をしても、どんな格好をさせても

受け入れてくれる心の広い、世界で唯一の理解者なのです。」

「犯罪ではないと?」

「当たり前です!」

警察にどうにかしてもらおうと思ったが、同意の上なら無理か……


「君達にも見せてあげましょう。ワタシのパートナーを!」

そう言って、一回家の中に入って凄い速さで戻ってきた。


「さぁジェシカ!ご挨拶なさい!」

コンニチワ アタシジェシカ ヨロシクネ


「……」

おっさんが裏声で腹話術のようにジェシカの自己紹介をした。

ジェシカは人間ではなかった。

さっき見たときは普通の人間だと思ったけど今ははっきり分かる。


ジェシカはオリ○ント工業製だ。

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