第七話「宝石天使と幻想女神」 starring愛理
ここからは、私・・・久遠愛理の語りで進めて行きます
女神様と共に幻想の風が吹きつつある世界で
私は精一杯足掻こうと思います
簡単には消えるわけにはいきません!!
計画を年単位で前倒しして
試験運用段階の天使を世界中に配置を開始しました
思った以上に世界幻想化の進行が急速的な状態となっているようで
私は、もう少し完璧になった天使として配置したかったです
麻里華「愛理・・・どうしたんですか??」
愛理「・・・すいません、少し考え事をしていました」
麻里華「色々と忙しいんですよね、あたしのために時間を設けてくれて・・・」
愛理「それは、他よりも重要な事ですから・・・こちらを優先しても問題ありません」
計画の遂行の重要部分扱いとなる
主力天使・・・女神へと覚醒が最も有力な存在である彼女への時間なら
本当に他を後回しにしても、問題ない
麻里華「あたしが女神になれそうな素材だからでしたっけ??」
愛理「はい、その通りです・・・麻里子も言ったかと思いますが、無数の天使よりも女神が一人いれば」
そうです、女神は一人で星と同等の存在だと
遭遇したあの女神様は語っていました
特に五大宝石が女神に覚醒しやすいと
理由に関しては、曖昧な感じでしたが
私を含めた数名が候補となりました
でも、何で麻里華が一番有力なんでしょうか??
もしかしたら・・・ペリドットではなくて、別の宝石が適応するんでしょうか・・・
五大宝石に執着しない方が、いいのかもしれませんね
単純な、宝石との相性が一番高かった麻里華とペリドットを暫くは注目です
愛理「私を含めての話ですが・・・天使となる存在は、来る侵攻者との戦いを行う事になります」
麻里華「侵攻者!? 誰が攻めて来るんですか??」
愛理「世界が変化している時が、一番無防備らしいので・・・」
麻里華「敵ということですよね?? あたしたちは防衛軍にでも該当する立場ですか・・・」
少し違うと思いますが、当てはまる言葉として適当ではありますね
この惑星を守るために戦うのですから
圧倒的な科学力を有するこの惑星は
自然ですら、自由にできるだけの進化まで上り詰めていた
そんな、神への冒涜に対する戒めとも思える世界幻想化
だからなのか、告げられていた数年も早くに事態が深刻化してしまいました
テスト段階ではありますが、対抗手段のシステムは全て完成はしています
人を超えた天使がどこまで耐えられるのかは未知数です
しかし、そんな事を言っている余裕は人類には残されていません
即戦力の天使を総動員して、間近に迫る脅威に対抗しなければ・・・
愛理「ここ数日で、急変してしまいました・・・本来はテストを繰り返し、万全な体制でと思っていました・・・私もテスター段階で実戦投入しなくてはならないのは不本意です!!」
麻里華「・・・あまり、話が見えてこないんですけど」
愛理「女神の告げた開戦は4年後だったのですが・・・今年の12月24日には世界戦争規模の天使による戦いが勃発します!!」
麻里華「!? 世界規模の戦争!! ちょっと・・・一大事じゃない!! しかも1ヶ月ないし」
そうなのです、今11月30日
すぐに次の12月が始まり・・・24日すれば人類の存続を賭けた戦争が始まってしまいます
麻里華「今更、拒否するつもりもないし・・・無駄な事も省いて、あたしが女神に覚醒する方法を教えて」
この麻里華という女性は、世界中を回るカメラマンで
特に環境問題に特化した取材を行ってきている
そんな感じだから、なのだろうか・・・度胸という点で男勝りな部分がある気がします
いきなり、天使とか女神とか戦争とか聞かされて
うろたえもせずに、自分の立場で最善を尽くそうとしています
愛理「女神様に打診して、すぐにでも会ってもらいましょう・・・こちらも、躊躇なんてできません!!」
麻里華「女神のことは女神にですね・・・わかりました」
3週間近くの時間でどこまでできるかわかりません
しかも、本当に24日とも限りませんから
できる限りの速度を持って準備を急ぎましょう
愛理「テレパシーという、女神のスキルがあります・・・こちらからは直接は無理ですが、相手がキャッチしてくれると思いますので・・・すぐに来てくれると思います」
麻里華「・・・??」
困惑するのも当然でしょうね
私も・・・何を言っているのか、正直・・・半信半疑ですから
それでも、簡単に終わるわけにはいきません
準備できる期間が少しでもあるのなら
科学者として、最善を尽くしたい!!
恥ずかしい話ですが
未だに、恋愛もまともにした事がありません
何故か科学者になってから、女性しか周囲にいませんし
別に女性でも悪いと思いませんが・・・
やはり、男性と・・・
今は・・・こんな話いいですね
宝石を使ったシステム
女神様から、特別に閲覧を許された
『ジオクロニクル』という、神の世界年表
そこに記載されていたのが
ソウルシステムで、宝石の特殊な力を引き出す技術だった
この世界に存在しない、魔法という概念なんだと思いました
超科学とでも言いましょうか
オーバーテクノロジーなのですが
扱いが容易で、私でも単純に開発できました
このあたりの説明は、実際に戦いになった時にでも詳しくしましょうか
まずは、開戦に向けて対抗策を用意しなくてはなりません
天使を総動員というのもですが
女神を誕生させる方が・・・重要かもしれません
麻里華が一番可能性を持っており
それを、女神様から確認したい
みんなテスト段階のものばかりで
しっかりと稼働してくれるのか、不安の残る状態での現在
不可を考えて、バックアップを急がせてはいますが
圧倒的に時間が足りません
ネットワーク環境に関しては、初期段階からの構築でしたので
宝石システムを使った世界中を繋いだ状態には成功しています
それを活用して、女神様に呼びかけてみました
彼女が敵か味方かは、今更どうでもいいのです
利用できるモノは神だろうが関係ありません!!
麻里華「・・・見た目は普通に人間と変わりないんですね??」
愛理「元は人だったみたいですよ」
私の呼びかけに、すぐ反応してくれて
空間を飛び越えるスキルを使い、いきなり目の前に現れた女神様
名前をリーアと名乗る彼女は
体内に3個の宝石を保有しているらしいです
アメジスト・ターコイズ・サードニクス
一つの宝石でもかなりの能力なのですが・・・
3個・・・女神というよりも、化物なのではと思ってしまいます
リーア「この地球という惑星の寿命が著しく衰退してしまったみたいで・・・テラホーミングシステムが異常反応したようなのです」
愛理「テラホーミングシステム・・・惑星浄化ですか??」
リーア「過度な科学力が惑星に深刻なダメージを与えるのです」
麻里華「・・・では、既に警告は出ていたんですね!?」
自然環境の取材をしている麻里華は、肌身に感じていたみたいですね
近年の異常気象などがその警告だったんでしょう
愛理「責任を感じてしまいます・・・罪の償いみたいになってしまいますね」
リーア「それは、一人だけの影響ではありません・・・でも、女神までなれれば一人で惑星に影響を与えられます・・・リーアも干渉させて、軽減を行っていますし」
私よりも小柄で、少女のような容姿のリーア様です
そんな小さな少女一人で惑星に影響を与えられる
麻里華「リーアさん・・・単刀直入にお聞きします、あたしを女神にする方法を教えて下さい!!!」
真っ直ぐな方ですよね・・・夏の生まれの方はこのような感じが多い気がします
そんな、真っ直ぐな麻里華の心の訴えを真摯に受けてくれたんでしょうか
リーア様は・・・急に真剣な表情で麻里華を見つめて
リーア「麻里華さんでしたよね・・・あなたが、今一番女神となれる存在なのは聞きましたよね」
麻里華「はい・・・時間が無い事も聞きました、あたしこの惑星大好きなんです・・・それに、愛理や愛菜や麻里子お姉ちゃんも大好きなんです・・・どうしたら、守れますか現状を!!!」
リーア「う~ん・・・ペリドットだけでは、足りませんね・・・ちょっとよろしいでしょうか??」
そう言うとリーア様は、いきなり麻里華の上着を脱がせて
胸をむき出しにしてしまいました・・・
麻里華「きゃっ!! リーアさん!? まだ、心の準備が・・・♥」
リーア「・・・変な事言い出さないで下さい、宝石の追加を行うんです!!」
宝石の追加・・・リーア様のように複数の宝石を麻里華にもですか
身体は大丈夫なんでしょうか??
愛理「リーア様、麻里華の身体は平気なんですか??」
リーア「完全に適応する宝石なら、無害です!!」
あ、それって・・・それ以外は害だという事ですよね
どうしましょう、再適応をしないと・・・
愛理「適応しないと危険なんですか??」
リーア「当然です!! 毒と同じで、死に至ります」
愛理「私・・・無数の犠牲者を出してしまいました」
リーア「まだ、幻想化していませんから・・・即死にはなりません、でも急いで適応を確認しないと」
少しだけ、安心しました
これも別件で進行させないといけませんね
愛理「リーア様・・・後で、世界中に同行していただけませんか??」
リーア「愛理さん!! 仕方ありませんね・・・あなたに対しての負荷が増大しますよ」
愛理「負荷で済むなら、構いません!!」
リーア「もう少し、自分を大事にして下さいね・・・覚悟は理解しましたから、負担軽減で行います」
リーア様は少し、意地悪なんでしょうか!!
私・・・死を覚悟してしまいました
何万人と天使を用意したんです
適応不十分な状態で・・・
麻里華「・・・あの?? 恥ずかしいので早くお願いできませんか!!」
リーア「ごめんなさい・・・すぐに女神に相応しい宝石をシンクロさせますわ」
何でしょう・・・普通に見ると
イチャイチャしているようにしか思えないのですが
愛理「麻里華・・・感じてる??」
麻里華「バカ~!!」
恥ずかしそうにしている麻里華
私、思わず質問してしまいました
・・・リーア様が麻里華の胸を揉んでいるのですよ
それとも、私が変なんでしょうか??
リーア「4個で女神まで覚醒できそうです・・・ペリドット、ルビー、ダイヤモンド、エメラルド」
4個!?
それは、リーア様を超えるという事ですかね・・・
麻里華はそんなに凄い存在だったのかしら
リーア「メインスロットがペリドットになりますので、風属性の女神に覚醒出来ると思いますよ」
麻里華「風属性ですか・・・速度に特化した属性でしたよね??」
愛理「五大宝石が3個も含まれるんですか・・・麻里華は死ぬんですか??」
リーア「冗談でも、怒りますよ・・・って麻里華さん、激怒していい発言ですよ!?」
麻里華「・・・はぁ♥」
あれ??
麻里華・・・どうしたんでしょうか??
上の空みたいですが・・・もしかして、本当に感じてしまったのかしら
リーア「感度が高いみたいですね・・・急がないと、麻里華さんが大変な事になってしまいます」
残り3個の宝石を慌てて胸に吸収させていく
酷な感じとなってしまいましたが
藁にも縋る感じなんです・・・
侵攻の足音が迫っている
リーア「丁度覚醒条件に近い感じですね・・・このまま女神まで引き上げましょうか??」
宝石を完全な状態にするのは、人の高ぶった心
特に、官能的な心が上昇が異常とされるらしいです
・・・私は、男性とがいいかな
っと、そんな事はいいんです!!
麻里華「・・・はぁ♥」
リーア「そのまま、感じてて下さいね・・・麻里華さん!!」
いつの間にか、麻里華の周囲が緑色に輝いていた
ソウルカラーのオーラが放出されているようです
天使から女神へ覚醒する際に爆発的に戦闘力が増大するのですが
今、測定している麻里華の戦闘力・・・桁が凄い事になっています
愛理「戦闘力300億!? これは故障ですか・・・」
リーア「故障ではありませんよ・・・女神は億以上が基本値ですから」
初期値1万7千ですよ
何で、300億まで上がるんですか
もう、人と呼べる状態ではないんですね
・・・麻里華、私を恨んでますか??
麻里華「・・・愛理、心配しないでいいわよ」
急に目を開き、私に優しく語りかける
心がわかるの??
女神のスキルですか・・・
麻里華「愛理のおかげで、女神になれたんですから・・・絶対に、全てを守ってみせるから!!」
リーア「限定ではありますが、リーアもお手伝いできそうですよ」
リーアと新生女神の麻里華のタッグで世界を守る戦いが始まります
アナザースペースと呼ばれる次元に関係する事象に巻き込まれたと
詳しくは、まだお聞きしていないのですが
覇者と呼ばれる、その次元の頂点となるべく
強さを誇示するための侵攻らしいです
そんな事で、人類が滅ぶんですか!!
理不尽だと思いませんか・・・
圧倒的な力の差では、そんな事も言えないで終わってしまうんでしょうけど
愛理「・・・全力で麻里華をサポートします」
私もサファイアを保有する天使なんです
戦いには参加しますよ
やるだけやって、見てるだけなんて・・・どこの独裁者ですか
それに、戦いに使うシステムの管理だってしなくてはなりませんし
私の仕事はこれから本格的になるんです!!
麻里華「リーアさん・・・愛理や愛菜や麻里子お姉ちゃんは女神はどうですか??」
リーア「実際に触れてみないとわかりませんが・・・愛理さんに関しては、まだ無理みたいです」
以前にお会いした時、私は既にこのテストをリーア様より受けています
いずれ時期が来て女神になれるようです
しかし、今なれないのは・・・物凄くもどかしい
麻里華「愛理には重要な仕事があるじゃないですか・・・システムエンジニアとして」
リーア「裏方が勝利の鍵な場合もあります、特にソウルシステムの管理は必須ですよ」
守る形は問わない
しっかりと関わることができれば
しかも、全ての攻防に携わるようになると思います
愛理「私の仕事が要になるんですね・・・システムを構築した科学者として頑張ります」
麻里華「期待しちゃいますよ、女神だって新人なんですから・・・」
リーア「ある程度の仕様はリーアが直接教える事はできますよ」
一人称を名前というのは、麻里子と同じなんですよね
たまたまなんでしょうか・・・少し気になりますが問題は無いかと思います
まずは、麻里華の女神覚醒に成功出来た事
こちらにとって、多大な戦力となります
相手の情報がまだ少ないだけに
増強できるなら、どんどんしていきたいと思っています
ただ、無駄に行ってしまった天使化に関して
素早い修正をしなくてはなりません
折角の戦力を無駄にするわけにはならないから・・・