第六話「世界幻想化と天使と女神・・・!?」 starring麻里華
ある程度の覚悟はあった
でも、世界そのものを背負うだけの・・・と言われると
不安以上に何でってなる
麻里華「選択された目的は、心の強さだけですか??」
愛理「宝石との相性もあるみたいです、詳しくは麻里子が知っています」
麻里子「・・・愛菜さんと麻里華には悪いですが、既にあなた方にも宝石との適合を試してあります」
最も近くの検体ってことだよね
もう、あたしは怒ったりはしなかった
愛菜も愛理から聞かされていたみたいだから
それに、身体が弱かった愛菜は
その宝石の影響で体調が向上したらしい
愛菜「宝石が体内にあるのは、未だにビックリだけど・・・そのおかげで病気とか無くなったんだよ」
麻里華「素直に良かったとは言いにくいんだけど・・・」
愛理「そうですよね、これからの事を思うと・・・でも、私と麻里子の身体を使った実験でわかった事実があるので、それを・・・」
それは・・・!?
この答えなんだけど
あまりにも衝撃的で・・・しかも、ここで実演することになるんだけど
一瞬、何が起こったのかわかりませんでした
麻里子「偶然の事故でした・・・しかし、それによりわかった事実・・・あまりにもショッキングですから、先に事象を話しておきますね」
麻里華「お姉ちゃん・・・急に怖い顔して??」
普段しない、見たことのない姉の表情でした
それだけの現実からかけ離れたことだったのです
麻里子「天使と女神には、死という概念が存在しなくなるようです・・・しかも、老いることもありません・・・冗談抜きでの不老不死となってしまいます」
と言いながら、愛理が麻里子に麻里子が愛理に同時に刀を心臓に突き付けた
この短い時間で色々と思うところはありますが
この瞬間が一番の衝撃でした
まず、どこから刀が出てきたのかから始まり
不老不死だと言いながら、その出てきた刀をお互いの胸に突き刺し・・・
突き刺したんだけど・・・その刀が両方共、砕け散った
愛理「聖域と呼ばれる防御壁が存在してて、それにより物理攻撃は一切通用しなくなります」
麻里子「ちなみに、攻撃に使った武器はデバイスの能力で召喚できるようになっています」
あたしでもビックリしすぎて少しの間動けなかったのに
愛菜なんて、泣き出すし
どうしたらいいのかわからない
愛理「愛菜、ごめんなさい・・・すいません、しばらく抱きしめておきます」
そう言うと、愛菜を抱きしめる愛理
そのまま少しの間動かなかった
麻里華「あたしは、ギリギリ平気です・・・でも、泣きそう」
麻里子「・・・麻里子も泣きそうですよ、麻里華の方が強いですよね」
常にあたしを比較に使うのは・・・あたしを安心させるための発言なのかな
それとも本当にあたしが凄いってことなのかな
麻里華「姉に強いって言われると複雑な気持ちになる・・・」
曖昧かもしれないけど、これで多分・・・あたしに対して答えを言ってくれるんじゃないかな
そんな淡い気持ちで発言してみた
察してくれたと思ったほうが正しい感じだろうけど
麻里子「今更、嘘を言っても仕方ないので・・・数値的にあなたが最も高かったのよ」
麻里華「数値的に高い!? どういうことですか??」
急に科学的な発言だったので
拍子抜けとまではいきませんが、それでも疑問にはなって
麻里華「心の強さを数値化したんですか??」
追い打ちのように質問を重ねていました
それを、わかったかのように優しく答えてくれる姉
・・・本当に泣きたいくらいの心情だったのか、気になります
麻里子「実際には、体内の宝石が発するエネルギーの数値なんですが・・・戦いに必要な力という事で単純に戦闘力と呼んでいます」
姉のネームセンスに対しては・・・ここではどうでもいいのですが
天使や女神は宝石との相性で力が変わるみたいで
より強力な宝石を保有できる心を持つ素材である事が前提だったりするみたいだけど
麻里華「まだ、聞いていませんでした・・・宝石って具体的に何があるんですか??」
麻里子「宝石に関しては、愛理さんの方が詳しいので・・・後で確認して下さい」
天使計画は愛理が詳しいみたいですね
共同とは言っても、部門が異なるとわからないところもあるんだろう
姉の知る部分を聞いてみましょう
麻里華「わかりました・・・では、わかる範囲を教えて下さい??」
麻里子「そうですね・・・世界幻想化と女神について話しましょう」
と、膨大なデータを閲覧状態で空間に投影させる
これも宝石による能力みたいで
ビジョンと呼ばれる天使のスキルだそうです
麻里子「デバイスに自分の使えるスキルは記載されていますので、後で確認して下さい」
デバイス・・・どこまで酷使させるんだ!?
単純に視力補正だけではなくて
通信から宝石の戦闘力測定や情報の閲覧
天使スキルの補佐もしてくれる
地図も世界中網羅されていて、点在する天使や女神の居場所もある程度把握できるらしい
空間に見えるアイコンを自分の手で触れると
その指示を実行できる
スキルは音声認識か心で思うと発動できるみたい
情報の閲覧は、記憶を探すようにすると思い出すかのように見れる
若干、曖昧だったりするけど
これは実際に行動や思う事をして、実践して覚えていこうと思う
麻里子「あまりにも理不尽な出来事で、不可抗力とも言えますが・・・同時に対抗できる力を得られた事はせめてもの救いかもしれません・・・」
理不尽だと言ったのは、世界幻想化の事で
現状の世界が終わり・・・新たな世界が構築されるみたいです
その際、不要とされる存在や物体などが選別される
まだ該当の不要物は把握されていないみたいですが
人類は不要とされる可能性が高いらしい
現世界で害なす存在は不要とされるみたいだと
女神と呼ばれる者が告げていったんだって
半信半疑な部分が多すぎるけど
さっき見た、聖域とか
天使計画自体もだけど
今ある科学力では不可能なテクノロジーだったりする姉の発明も
特に宝石による永久機関なんてね
麻里華「不可解な部分が多すぎるんだけど・・・確かに理不尽ではあるよね、一方的だもん」
麻里子「麻里華も、そう思いますか・・・麻里子はこんな理不尽が許されるのかって、女神様に怒鳴ってしまいました・・・後でしっかりと謝罪しましたが」
かなり温厚な姉が八つ当たり気味に怒鳴るなんて・・・
それだけの出来事なんだと、改めて思いますね
姉も天使第一号だし、余計に思うところがあったとは思うけど
麻里華「あたしも、女神様には激怒しそうだけどね・・・でも、味方でいいんだよね??」
麻里子「それは、麻里子にはわかりません・・・そこが怒ってしまった部分でもあるので」
麻里華「いきなり現れて、幻想化も女神の仕業の可能性もあると思っているんですね??」
麻里子「ええ、少なくとも彼女が来てからの出来事であるので・・・普通に考えると」
姉の言っている事は、よくわかります
その女神が来たことにより
世界幻想化が始まったと考えるのは・・・
神様なんだから、世界を操作する事も可能だろうし
理想の形にする方法とも考えられるよね
麻里華「女神って強いの??」
麻里子「70億の天使相手でも・・・傷一つ無理でしょうね」
・・・正直、怖くなってきた
神様だもんね、それは強いに決まっている
天使なんて、部下でしょ!!
麻里華「でも、あたしも会ってしっかりと話を聞く!!」
今更、後ろはありえない
前に進むしかない・・・んだと思う
麻里華「お姉ちゃん・・・脱線してごめんね、話を再開して」
麻里子「別に脱線ではないから、いいんですけど・・・重要な部分ではありますし」
女神の話もすると言ってたから、脱線なかったのかな
でも、順番的に脱線かなって思っただけなんだけど・・・
麻里子「話の腰を折るのは、いつものことだから・・・今更、気にしないわよ!!」
あ・・・そういう事か
癖的に、気になったら聞いてしまうから
姉もあたしのそんな行動はわかった上での話だったのね
麻里華「・・・反応しにくいわ」
麻里子「でしょうね・・・でも、重要な事は間違ってないから」
と、あたしの顔を少し心配そうに見てる
多少は今の事象に耐性は付きつつあるけど
それでも・・・姉からすると不安そうに見えるんだろうね
麻里子「世界中を回った麻里華なら、わかると思いますが急激に衰退している惑星の状態を」
麻里華「天使計画が急がれた理由でしたから・・・今は別の理由があると知りましたので、何とも言えませんけど・・・それでも、この加速した衰退は異常ですよ」
麻里子「各地に天使を点在させて、現状の維持を急いだんです・・・計画が完了する前に幻想化してしまうと、お手上げなので・・・本気で焦りましたよ」
麻里華「天使化した人は・・・犠牲となるんですか、あたしたちはどうなるの??」
その質問の答えが出るまで
少しだけ、沈黙して・・・あたしの肩に手を置いて
深呼吸して
麻里子「何を持って犠牲とするかによりますが、惑星のためと考えると犠牲なのかもしれません」
麻里華「不老不死なんですよね・・・幻想化に残れば新しい世界で天使として存在するって事??」
麻里子「そうだと思います、仮定でしか話せませんが・・・強い意思を持って残る事を念じましょう!!」
科学者らしからぬ、発言だったりする
でも、一番最初の天使となった姉だから言える事なのかもしれないね
強い意志か・・・
あたしが戦闘力が高いんだよね、だったらどうにかして・・・
って、具体的にどうすればいいんだろう
姉もすべて把握しているわけではないみたいだし
これは女神に確認する方がいいのかな??
愛理に宝石に関してを聞いて
できるだけの情報を得て、知識を豊富にしておきたい
愛理「お待たせしました・・・愛菜が眠ってしまいましたから」
麻里華「無理に・・・いや、いい・・・すぐに知りたいから愛理から宝石について」
心情的に、後でと思ったんだけどね・・・
1秒も早く、情報を得ておきたいと思ったから
それは、愛理もわかってくれたみたい
愛理「麻里華の導火線に火を着けたいかと思うの・・・最も強い女神に近い天使として」
麻里華「あたしの導火線!? 何それ??」
難しい言葉ではないんだけど
言っている意味がよくわからない
やる気を起こす的な事??
愛理「・・・爆弾みたいな強さを秘めているって事です」
麻里華「あたしが?? それで女神に一番近い存在なんですか??」
これは、愛理にしっかりと宝石の話を聞かないとダメかもしれない
今度は・・・姉の時みたいに脱線しないように
あたしは聞くに徹しました
愛理「・・・質問してこないんですね?? 私の話を早く聞きたいということですか」
数日しか、一緒に生活していないのに
あたしって、わかりやすい性格なんだろうね
愛理「逆に無言は怖いです・・・今までの麻里華と別人のよう」
そこまで言いますか!!
でも、それでも・・・愛理の話を早く聞きたいの
早くお願いしますと言いそうになったけど・・・それも止まりました
愛理「・・・責任重大ですね、わかりました麻里華の本気の姿勢です」
麻里子「麻里子は愛菜さんを仮眠室に運んできますわ・・・」
愛理「あ・・・お願いします」
察したかのように姉は愛菜を背負い、退室していった
隣かその隣のベッドのある部屋に行ったのだろう
愛理「麻里子もわかって、愛菜を連れてってくれましたね・・・二人きりで話をしたかったの」
麻里華「・・・二人きり??」
愛理「まだ、あの二人には話していない私だけが知る宝石の秘密がありまして・・・」
どういう事なんだろう
愛理だけの知っている宝石の秘密を
あたしにだけ、話してくれるの??
愛菜と姉にはまだ話せないって~!!
愛理「別に悪い事ではないから、安心して・・・ただ、二人には荷が重いかと思ったの」
荷が重いとは??
あたしには・・・平気なのかな
愛理「宝石の違いが関係します」
宝石の違い・・・
それぞれの体内に保有している宝石
あたしが知りたかった情報の一つです
愛理「ある程度の質問が合間に来ると思っていましたので、聞くに徹する麻里華に困惑中です」
そんな事言われても、こちらも困る
とにかく、情報を先に全部知りたいの
麻里華「愛理の知っている情報を全部確認してから、質問します・・・まずは知りたいの!!」
愛理「そうですか・・・わかりました、では麻里華の要望通り私の話をしますね」
姉と同じようにデバイスから天使のスキルであるビジョンを用いて
空間に投影された映像を順に説明してくれた
愛理から説明された内容を言うと
宝石が天使や女神の心臓の代わりとなっている
保有する宝石の色が女神は髪色に反映されるらしい
天使段階では、適応率による
1~12月の当てはまる誕生石
その中から特に重要な
ルビー・エメラルド・サファイア・ダイヤモンド・アレキサンドライト
これが五大宝石らしい
誕生石が自分の誕生月と同じとは限らない
あくまでも宝石を重視した場合によるらしい
これに関しては、まだ解明されていないようで
天使と女神も未知な部分が多いからみたいです
一番の謎は、宝石自体かもしれません
そもそも、人と宝石が融合するのも不思議だし
それで天使になるというのも
根本的なところから、疑問だったりします
宝石も何で能力を保有しているのかも不明です
麻里華「一通りお話を聞きました・・・まずは、ありがとうございます」
愛理「かなりの前倒し状態なので、まだ十分な説明が出来なかった事は申し訳なく思います」
麻里華「そこに関しては、あたしにはわかりませんから・・・あたしに謝らなくていいです」
愛理「・・・そうですか、では質問をお聞きしますよ??」
疑問を持った部分を話して
そこについて追求してみるつもりです
麻里華「天使素材となる、あたしを含めた愛理、愛菜と姉の麻里子が保有する宝石を教えて下さい」
愛理「あ・・・それ、まだ伝えてませんでしたね」
基本的な宝石と天使の説明は詳しく教えてもらいましたが
自分たちにどんな宝石が入っているのかを聞いていなかったので
愛理「適応する宝石は、誕生月を基本としています・・・例外もあるとさっき話しましたが」
例外が思い切り愛理だったりする
誕生月が5月
エメラルドが誕生石となるのだけど
適応しなかったみたいで、次に試したサファイアがマッチングしたみたいで
それを保有したらしいです
愛菜は6月生まれ、そのままアレキサンドライトが適応したみたいです
あたしと姉は8月生まれなんだけど
それぞれあたしはペリドット
姉はサードニクスと8月の誕生石が適応したみたい
まとめると・・・
愛理がサファイア
愛菜がアレキサンドライト
麻里子はサードニクス
麻里華、あたしはペリドット
それで、この宝石に属性と呼ばれるモノがあり
宝石の色が属性の色になっている
火・赤
水・青
風・緑
土・黄
光・白
闇・黒
基本色に類似するモノもその属性に該当するみたい
サファイアは青で水属性
なので、愛理は水属性の天使となります
癒しや補助系のスキルが基本となっているみたい
アレキサンドライトは特殊で、赤と緑なんだって
だから、愛菜は火と風の双方の属性らしい
火は攻撃に特化していて
風は加速など移動に特化している
より、攻撃的な天使みたい
ペリドットは緑で風属性
あたしは風属性になるみたい
姉の麻里子はサードニクス、火と土の双方らしいよ
火は攻撃で土は防御に特化しているみたい
バランスの取れた攻防天使となるのかな
それで・・・愛菜と姉の双方属性は負荷が高いみたい
だから、あたしにだけ話す内容があると
その話をこれから、聞きます・・・