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第二話「久遠愛理のヒミツ・・・!?」 starring麻里華

あまりにあっさりと取材に承諾した『久遠愛理』に対して


あたしは、かなり警戒している

もしかしたら・・・あたしも天使の素材にされてしまうのではと!!


いくら取材をして、ネタを集めても

それを披露する存在がいなければ

どんなに秘密があっても、関係なかったりするからね


麻里華「・・・一応、お姉さんには報告しておきましょう」


あたしには、双子の姉がいます

須賀すが 麻里子まりこ


姿は一緒でも、本当に双子なんだろうかってくらいに

あたしとは正反対の清楚な感じなんだよね・・・


それでいて、大人っぽく面倒みもいいので

あたしは普通に姉として慕ってきました

だから、最初は黙っておこうとも考えました


心配させたくないからです!!


でも、自分にもしもの事があったら

それこそ、その心配は頂点を超えてしまうでしょう

だからね話すことにしたの


反対されることを覚悟の上で

お姉さんに告げることにしました


麻里華「麻里子お姉さん・・・お話があるのですが??」


麻里子「どうしましたか、大事な話ですか・・・麻里華さん!?」


あたしをさんで呼んでくれる、優しい姉です

実際、年齢も同じなので・・・あたしも姉も呼び捨てでもいいんですが

お互いに相手を尊敬しているみたいで

姉はさんとあたしに付けて

あたしはお姉さんと付けて呼んでいます


麻里子「麻里子と麻里華さんは心で通じ合っているので、多くは語らずともわかりますが・・・」


何を言い出しているんでしょうか??

初耳です!?

姉があたしの心と通じている?!


麻里華「お姉さん・・・今、なんて言ったんですか!?」


麻里子「隠しても仕方ないので、麻里華さんの決意を自分の口から聞こうと思います」


麻里華「・・・内容も把握しているんですよね??」


無言で頷いている、麻里子お姉さん

それでも表情一つ変えないで、あたしの話を聞いてくれるみたいです

普段は、比較的柔らかいイメージで

フワフワした、マシュマロのような感じだったりするんだけど


今は、真剣にあたしを真っ直ぐ見つめている

無謀な事をしようとしているから、だよね??

今更引くわけにはいかないし、ここまで来て

たとえ、姉だとしても引き止められても・・・あたしは考えを変えるつもりはありません


麻里子「ちなみに・・・あなたを止める気はありませんよ、だから安心して話して下さい」


麻里華「・・・余計に話ずらくなってしまいました、否定してくれた方が良かったかも~!!」


お姉さん・・・優しさなんですか??

それとも!?


麻里子「あなたが、自分の意思を曲げない事はわかっていますから・・・」


麻里華「う~ん・・・あたし、話す必要あるの!!」


麻里子「話さず、勝手に行っていましたら・・・全力で阻止したかもしれませんよ!!」


麻里華「準備は完了していて、本人に承諾もしました・・・明日から密着を開始するんです」


お姉さんに天使計画エンゼルプロジェクトの久遠愛理さんの密着取材をする事と

その取材があたしに危険を伴うことがある事と

もしもの時に流した情報を公にして欲しいと伝えた


麻里子「本当は、泣きたいくらいなのですよ・・・確実に明日以降、あなたのいない時間に泣き崩れてしまうと思います・・・それでも、麻里華さんの意思を尊重したいです!!」


麻里華「・・・そこまでして、あたしを止めないんですね」


麻里子「世界のためなんでしょ?? 昔からの夢じゃない・・・」


あたしをもちろんですが、幼い頃から知っている姉だから

この結論に至ったんでしょう・・・

どうしよう、もう姉よりも先に泣いてしまいそうです


麻里華「ごめんなさい、あたし・・・耐えられませんでした、お姉さんの優しさが心に・・・ううっ」


ダメだった、もう涙を抑えることができずに

両目から溢れる雫は、あたしの気持ちそのものだった


麻里子「何で、あなたが先に泣くんですか~!? 麻里子が泣きにくいじゃないの・・・」


麻里華「・・・わかってましたよね、あたしがすぐに泣くって」


麻里子「うふふっ・・・わかってましたよ、いつ号泣するかって思ってたもの~♪」


ニコニコしてあたしを見つめている

感情の脆さで言えば、あたしが圧倒的に弱く

姉は、発言では弱さを見せるけど

実際は強く、謙遜だったりする


それにしても笑うことないじゃない・・・本気で怖かったんだからね!!


麻里子「麻里華さん、笑ってごめんなさい・・・あまりにも素直でしたから」


麻里華「・・・たまに、いぢわるな態度のお姉さんも悪くはないですが、やっぱり嫌です」


何とも言えない気持ちになってしまいます

大好きな麻里子お姉さんだから、受け入れたいと思う以上に

嫌だと思う気持ちがあるんです


麻里子「少しでも緊張を解せればと思ったんです、麻里子の行動は逆効果みたいですね」


逆効果なんかじゃないんだって~!!

あまりにも的確なんで、恥ずかしくなってしまったの・・・


麻里華「逆効果ではありませんって、あたしはお姉さんにいつも助けられてるんだから~!!」


若干、寂しそうな感じにしてたので

あたしは、今の言葉を言いながら・・・お姉さんを抱きしめていた


麻里子「麻里華さん・・・」


あっ・・・麻里子お姉さん、泣いてるの??

姉妹で抱き合って泣いている・・・

何だろうね、別れを惜しむ感じになってるからかな


あたしもお姉さんも、この取材であたしがどうにかなってしまうと思っているんだろうね


麻里華「あたし、絶対に帰ってくるから!! 必死に生きるよ・・・」


麻里子「あなたは死なせないわ~!! 麻里子と麻里華は永遠に生きるの!!」


たまに、お姉さんは変な事言うんだよね

思っている意味合いは、わからないでもないんだけど

冗談を言う様な人ではないので

これって、何かあるのかもしれない


麻里華「麻里子お姉さん・・・極端な話ですね、あたしとお姉さんが永遠だなんて??」


麻里子「まだ、お話できないの・・・時期が来たら自然とわかるから」


・・・やっぱり、何か隠してる

あたしもだけど

姉妹揃って、隠し事をしてしまうんです

相手のためにと思っての行動を起こす時は


だから、これもあたしのための何かをしてるんだろうと

そういう時は、基本的に相手から告げるまで待つの・・・


麻里子「だからとは言わないけど、取材は完璧にしてくるのよ??」


麻里華「はい、はい・・・躊躇なく愛理さんに切り込みます!!」


麻里子「そろそろ寝ましょうか?? 朝早いんでしょ・・・」


急にそんな事言われたので

時間を確認したら・・・


麻里華「もう、こんな時間なの・・・お姉さん、一緒に寝てもいい??」


麻里子「・・・特別よ~♪」


姉の寝室に向かって

かなり久しぶりに一緒のベッドで眠りました


子供の頃は、当たり前のように毎日一緒に寝てたんだけど

あたしが少し反抗期気味に姉と一緒に寝るのを拒んだ時期があったから

その流れをそのまま・・・


これを期に、また一緒に寝ようってお願いしてみようかな


どんどん、帰ってきた後の事を色々と決めて

未来を見据えたようにしておこう


微睡む感じに、そんな事を思っていた

久しぶりに熟睡したんだろう

朝に姉から起こされるまで


麻里子「・・・麻里華さん、起きて下さい!!」


麻里華「う~ん・・・お、お姉さん??」


仕事柄、不規則な生活をしてきていて

基本的に仮眠を主体とする睡眠しかしてきていなかったから

熟睡したあたしは、姉に優しく起こされた


麻里子「麻里華さん・・・この取材が終わったら、この仕事辞めなさい!!」


麻里華「・・・朝から、そんな事言わないでくれませんか??」


麻里子「うふふ~♪ そうね、ごめんなさい・・・」


お姉さん!?

何で、そんなに嬉しそうなの??

あたしが、もうそうなるみたいな感じだった


麻里子「朝食の用意出来ていますよ、しっかりと食べてから出かけなさいね??」


麻里華「ありがとうございます・・・お姉さん」


毎日、家に帰っているわけではないので

たまに帰ると確実に食事を作ってくれる

両親を早くに亡くしたため

あたしを一人で面倒見てくれた・・・姉は

家事全般を完璧に習得して

お嫁さんにしたら、幸せな生活になるんだろうと思うくらい


同じ年齢だから、あたしにも当てはまるんだろうけど

婚期を若干逃している気はします

まあ、あたしは別として

姉には嫁いでもらいたいかなって

婿入りでも、あたしを含めてなんて素敵な殿方でもいたらいいんだけどね


そんな架空な存在はいないだろうから・・・


麻里子「あなたのデバイスを調整しておきましたよ・・・」


麻里華「お姉さん・・・また、寝なかったんですか!!」


麻里子「これから寝ますよ、だから心配しないで」


姉は、ネットワーク関連の科学者で

従来からあるシステムではなく

独自のシステムを構築して

新たなデバイスを開発した


メガネ型の小型端末で

通信通話から情報閲覧とネットワークに常に接続できる

登録した同士だけの対話機能もあり


あたしと姉だけの専用回線もある


一般的に普及していて

その特許で、財政的には不自由していない


家の裏にある、姉の研究所

このシステムは宇宙開拓の重要なコンテンツとなるらしくて

エンゼルプロジェクトと共に大きな計画となっている


あれっ??


あたし、今まで何で気づかなかったんだろう

姉の研究と愛理さんの研究って

共同作業だよね!!


という事は、あたしの名前聞いたら

家族だってわかるよね!!


だから、取材できたのか~!!


何か仕組まれた感じだった

姉を含めて、愛理さんとお姉さんはあたしを広告塔にするつもりかな

今更・・・引っ込むわけにはいかない


どんな形でも、あたしの思うようにしよう


愛理「須賀麻里華さん、おはようございます」


麻里華「久遠愛理さん、おはようございます」


初対面ではないが、昨日会っての二回目

ぎこちない感じは否めません

ジャーナリストとして、活動していますが

あたしは、人見知りだったりします

無理して、仕事モードな場合はそれも関係なく対人できるんです


愛理「・・・親しく、下の名前で呼び合ってみませんか??」


麻里華「え!?」


いきなりの打診だった

親しくって、どういう事??

やはり、姉と繋がっていて

既に話が進んでいるのかもしれません


愛理「ダメですか?? 無理強いはしたくないので、はっきり言って貰って構いません」


麻里華「・・・この質問に答えてくれれば、あたしは問題ありません」


愛理「私で答えられる内容でしたら・・・」


海のように鮮やかな髪

モデルのようなスレンダーな身体

本当に科学者なんだろうかって思う


最初会った時は、白衣に髪を結っていたのでわからなかったが

今日は、シルエットのわかるタイトな衣服にストレートの下ろした長髪

別人かと思うくらいだった


麻里華「あたしの姉、須賀麻里子をご存じですよね??」


愛理「・・・ええ、お友達ですよ」


お友達!?

知っている事は事実だった

でも、お友達って・・・


麻里華「共同開発していますよね??」


愛理「シャドウスペース開拓の分野という点では、そうなりますね」


やっぱりです

シャドウスペースというのは、宇宙の事で

暗闇の空間だかららしいよ


麻里華「これが最後の質問です・・・この取材の事、事前に姉から聞いていましたか??」


愛理「取材は、あなたからが初耳になります・・・麻里子からは聞いていないわ」


・・・う~ん!?

流石にここまでは話が進んではいなかったみたいね

でも、愛理さんと麻里子お姉さんが知り合いだという事は・・・確かでした


麻里華「姉の知り合いなら、あたしの知り合いでもあります・・・親しく愛理と呼ばせてもらいますね」


愛理「・・・うれしいわ、私も麻里華と呼ばせてもらいます」


密着取材だから、仲良くなった方が色々と楽しいんだよね

お堅い性格だと・・・あたしも緊張してしまうし

半分以上、生活も共にするわけだし

お友達感覚でも、まあいいよねって・・・


でも、取材は別


仕事とプライベートは、きっちりと分ける

これはね、しないとダメだから


麻里華「世界を救った、技術を構築された中心人物ですから・・・注目が高く、以前からあたしのところにも沢山の取材依頼がありましたよ」


愛理「そうですか、私にも直接あなたのように取材依頼が沢山ありましたよ」


麻里華「それは、みんな受けたんですか??」


愛理「基本、断らないスタイルですから・・・」


少し、愛理さんの事を勘違いしているのかな

あっ・・・そうだ!!

親しく呼ぶんだった、今度から愛理と呼び捨てでいかないと


そんな、愛理は隠しているようには思えなかった

でも、それ自体彼女の思惑だったのかもしれないね・・・

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