#006 編入試験〔実技Ⅱ〕
リレイズ創造術師育成学院はまるで神殿、王宮の様な造りをしている。
その理由は、創造術が神様からの贈り物で神聖なものだからだ。創造術の学舎は、教会の様に神聖な場所でなければならない。
だからこそ荘厳な造りになっているのだ。まずは形から、という事だろう。
その事から、学院はこう呼ばれる事がある。
――聖域、と。
「……何か、急に違う場所に飛ばされたみたいな……」
そして、学院が聖域だからこそ、実技棟の外見を見たレゼルはそう呟いた。
実技棟の外見は、聖域と呼ばれるに相応しい本校舎や講堂などとは違って、飾り気が一切無いのである。
長方形の大きな建物が縦に五つ並んでいる。右から第一実技棟、第二実技棟、という風になるらしい。中庭を通る渡り廊下は全ての実技棟に通路が延びていた。
実技棟の屋根は創造術を使い易くする為(星の光を取り込み易くする)、硝子張りだ。ルイサに聞いた話によると、星の光を物理的な障壁を越えて取り込める様に訓練する為に第五実技棟だけは硝子張りの屋根ではないらしいが。
そこはまだ良いとして、問題は壁だ。白一色の強化素材で造られた壁。窓は屋根が硝子張りな理由と同じで沢山あるが、飾り気は全くない。実技棟は創造術の技術と共に日々進んでいる科学の力を使っているらしい。おそらくは最新のものを取り込んでいる。
まるで、近未来にタイムスリップして来たみたいだった。
しかしすぐに「いや、そういえば外見に反して講堂の中は冷暖房・空中投影ディスプレイ完備だったな」とレゼルは思い直した。
学院の中と外では科学技術の進歩度がまるで違う。サーシャには前もってその事を聞いてはいたものの、やっとレゼルは実感出来た。
「私も最初はそう思ったが、もう慣れたな」
「……俺は慣れそうにないな」
レゼルはルイサの言葉に首を振った。
何故って後ろを振り返れば荘厳で厳かで神秘的な中庭と渡り廊下と講堂と本校舎があるのだ。その中は科学技術がふんだんに搭載されているが、実技棟に来た時の違う世界に飛ばされた感はすぐには拭えないだろう。
「まぁ、とにかく入ろう。早く試験をしないといけないし、何より寒い。中では一年の代表と副代表が準備をしてくれているはずだ」
ルイサがそう言っている内に、強化素材の扉が両側に開いていく。センサーが扉に歩み寄った彼女に反応したらしい。講堂にこのシステムは無かったから、これは実技棟だけなのだろう。
変わらぬ足取りで入って行くルイサにレゼルとセレンが続く。
緋色の髪の少女はとても眠たそうだ。
早く試験を終わらせなければ、と決意の様なものを秘めながらレゼルが実技棟に入ると、何故か沢山の生徒に出迎えられた。
「……は?」
フードに隠れた目を見張って、思わずすっとんきょうな声を上げてしまう。
一体ここは何処だ。今真夜中近いんだが、何故こんなに生徒が実技棟にいるんだ。何かイベントでもあるのか。何かって何だ。これからあるのは俺の実技試験じゃないのか。
数々の疑問が頭の中を過っていく。
唖然とするレゼルを、沢山の生徒達は観覧席から出迎え――否、注目し、見下ろしていた。
男子は黒、女子は白を貴重とした創造学院の制服を着た生徒達は、レゼルを見て微かにざわめき始めた。
「アイツが編入生だろ?」
「顔見えなーい」
「強いのかな?」
「馬鹿言え。半年以上も遅れて今更学院に入ってくる奴だぞ?」
「そうそう。きっと学習意欲が薄いのよ」
「強い訳ないって」
「あ、だよねー」
レゼルの卓越した聴力は全ての台詞を拾っていた。その事に生徒達は気付くはずもない。
こういう事を言われるから編入という待遇は嫌だったんだ、と思って心の中で溜め息を吐きながら、しかしレゼルにそれほど気にした様子は無かった。
覚悟はしていたし、こんな中傷はレゼルにとって何でもないものだったからだ。
生徒達のざわめきの中には「赤い髪の子、誰?」とか「編入生って二人いるの?」とか「超可愛い」とかも混ざっていた。が、セレンは特に気にはしていない様で、
「……レゼル」
袖を引かれた感触がして肩越しに後ろを見ると、先程までの眠たそうにうつらうつらしていた様子を完全に消したセレンが小さく囁いて来た。
「……何だ?」
レゼルも小声で問う。
「顔を見せるのは、実技試験で創造術を見せてからの方が良いです。そうでないと……」
「……ああ。確実にパニックになるな」
二人は小声で話す間も、ルイサの後を付いていっていた。
観覧席でなく、実技棟の中央――訓練場の中央にも生徒はいた。
左から、体格の良い男子生徒、金髪ポニーテールの女子生徒が横に並んで立っている。
ルイサは彼らの前で止まると、女子生徒の方に声を掛けた。
「準備ご苦労様、と言いたい所だが……ミーファ、この状況は何だ? レゼル君の試験相手以外の生徒達は寮に帰らせなかったのか?」
すると、女子生徒は苦笑いを浮かべた。
「皆、実技試験が早く終わるならその後でまだ訓練していきたいって言ってまして。それと、実技試験を見たいらしいです。実は、試験相手もまだ決まっていなくて」
「ま、普通はこうなりますよね」
と、自分の後頭部に腕を回して軽い調子で言ったのは隣の男子生徒だ。
「成る程、な……」
ルイサは女子生徒の説明で納得したのだろうが、溜め息を吐いていた。
「頑張り屋なのは結構だが、殆どの生徒が編入試験というイレギュラーに好奇心を隠せなかった訳か」
そしてレゼルも、彼女と同じ心境だった。
彼女と女子生徒の会話から、何となく状況は把握出来た。
冬には、創造祭という祭りが創造学院主催で開催される。学院が冬に忙しくなるのはこれが理由だ。
その創造祭で学生達は自らの創造術を披露するという。生徒達がこんな遅くまで訓練に励んでいるのはその為だろう。
そして、レゼルの実技試験が見せ物の様になったのは、女子生徒やルイサが言った通りの理由である。
「あ、えっと、初めまして。私、一学年代表のミーファ・リレイズと言います。編入実技試験は代表として観させて頂きます」
金髪ポニーテールの女子生徒は翠の瞳を細めて微笑みながら、自己紹介と何故この場にいるかを話し、気さくに握手を求めてきた。
しかし、レゼルは彼女の手を握る事が出来なかった。
握手を拒む理由があった訳じゃない。彼女の名前を聞いて、少なからず驚いてしまったのだ。
ミーファ、という名前の女子生徒はフードでレゼルの顔が見えていないのだろう。なかなか握手を返してくれない彼に、彼女は怪訝そうな顔をした。
「……リレイズって」
だが彼女は、呟かれたレゼルの言葉に彼が驚いているのだと経験則で分かり、曖昧な笑みを浮かべながら手を下ろした。
「ええ。私の母は学院長兼この街の領主、ミーナ・リレイズです」
リレイズ家は、代々、リレイズの街の領主と創造学院の長を務める家系だ。多くの優秀な創造術師を輩出した、創造術の世界の中の名家である。
そして、ミーファというこの少女も、優秀な創造術師。『神童』と呼ばれる彼女はまだ創造学院の一年生だった。
その事に、レゼルは驚いたのである。
そしてもう一つ、握手を返せなかった理由があった。ほんの一瞬だけ、彼女を見て違和感を感じたのだ。それの正体が何なのかは分からなかったし、気のせいかもしれないのであまり気にはしなかったけれど。
「やっぱ有名だな、ミーファは。編入生のレゼル君も知ってたぜ」
おちゃらけた感じで言ったのは、男子生徒だった。彼は笑って続ける。
「俺は聖箆院晴牙。一年の副代表だ。ここにいるのはミーファの理由と同じ。頑張れよレゼル」
男子生徒――晴牙は手を差し伸べては来なかった。しかしそれはレゼルが気に食わないとかではなく、単に面倒臭いからだという事が雰囲気から分かった。
「ショウノイン……? 珍しい名前だな。極東の人か?」
どうやら彼はかなり話しやすい人のようだ、と直感したレゼルは晴牙に訊ねた。
そのレゼルの言葉を聞いてミーファが首を傾げたが、訓練場にいる者は誰も彼女の仕草に気が付かなかった。
「ああ。俺は極東から来たんだ。初めてか? 東洋人を見るのは」
よく見れば、彼の瞳は茶色をしている。顔立ちも生粋の東洋人の証になっていた。
それなのに、流暢にすらすらとディブレイク王国の公語を話すな、とレゼルは感じた。が、語学には一応自信があるレゼルなので、それが顔に出る事はなかった。
「いや。一度、極東に行った事がある。とても良い所だったよ」
これは本当の事だ。二年前、レゼルは極東を訪れた。そして本心から良い所だと思えたのである。
途端、晴牙は目を輝かせ、手を握って来た。
「だろ? 良い所だろ? お前良い奴だな!」
ばんばん、と背中を叩かれる。地味に痛かったが、嫌な気分にはならなかった。
しかし同時に疑問を覚えた。
確か、極東の日本という国にも創造学院はあったはずだ。どうして北のディブレイク王国にあるこのリレイズ創造学院に来たのだろうか。
世界で五つある創造学院の入試は同じ日に行われる。一人の者に一度しか門戸を開かないというのは五つの創造学院全て引っ括めての制度だ。だから日本の創造学院の受験に落ちたからリレイズ創造学院に来るなんて事は無理。そうなると、最初から晴牙はリレイズ創造学院を狙っていた事になる。
質問を口にしかけたレゼルだが、プライバシーという言葉を思い出して自重した。
「ところでレゼル、その緋い髪の子は?」
「名前はセレン。彼女はレゼル君の連れでな、彼が試験に合格すれば私の補佐役になる」
レゼルの手を離して首を捻った晴牙に答えたのは今まで黙っていたルイサだった。
「宜しくお願いします」
ぺこり、とセレンが可愛らしく頭を下げる。それで実技棟のざわめきが少し鎮まった(静まった?)気さえした。
「自己紹介は済んだな。さ、試験を始めるぞ」
「ちょっと待って下さいエネディス先生! まだレゼル君の自己紹介が終わってませんから」
ルイサを制してミーファはレゼルに言う。
「ごめんね、レゼル君。 私とハルキ、君の編入希望届見せてもらってないの。自己紹介してもらって良いかな?」
「ああ、分かった。元々そのつもりだったしな。俺はレゼル・ソレイユ。ちょっと事情があって学院に入るのが遅れてしまったんだ。無事入れたら、よろしく……って、あの……?」
ミーファは目を見開いてレゼルを見詰めていた。
最初は戸惑ったが、すぐに彼女の驚きの顔の理由が分かった。
それに、驚いているのは彼女だけではない。晴牙はまさか、という顔を隠そうともしていない。観覧席にいる生徒達もぽかんとしていたり、絶句したりしている。
彼らは皆、ソレイユという姓の意味を知っているからだ。
セレンの仕草のお陰で少しは収まったはずのざわめきが再び大きくなるのを認識しながら、レゼルはミーファや晴牙に、自分は『最強の創造術師』レミル・ソレイユの弟である事を伝えようとした。
「じゃ、じゃあ、君はあの――」
しかしミーファが微妙に呂律の回っていない口調でレゼルの発言を事前に遮った。
そして彼女の発言さえも、遮られた。誰かの言葉ではなく、物理的な干渉によって。
敵意は、実技棟に入ってから途切れる事なく察知していた。だが、如何せん敵意は多過ぎた。
一際強い敵意を探すのは面倒臭かった。レゼルは、自分に向けられる敵意ならどうでも良かったからだ。自分が敵意を向けられても、自分の大切な人達に被害が及ばないのならば、自分を好きなだけ嫌いになればいいと思っていた。
しかし今、レゼルに向けられている敵意が彼の最も大切な人を害しようとしていた。
観覧席から飛んだ投げナイフ。
鈍色の刃は、レゼルという的を外してセレンにその矛先を向けていた。
咄嗟に身体が動く。
怒りからか、創造術を使うなんて意識は欠片も浮かばない。
セレンの前に素早く回り込んだレゼルは、素手でナイフを受け止めた。右手の甲を自分の顔に向け、ナイフの刃の部分を人差し指と中指に挟んでいる。
「レゼル。私でもナイフくらいどうにでもなりましたが……」
生徒達やルイサが言葉を失う中、セレンが無表情に、しかしレゼルが守ってくれた事に少し嬉しそうな声音で言う。
だが、そんな少女も、次の瞬間、周りと同じ様に言葉を失った。
「貴様!」
レゼルはセレンや周りの反応には構わず、怒りのまま声を上げた。
投げナイフを放った者はとっくに特定出来ていた。ナイフは創造術で創った物だったらしく、レゼルが指に力を加えると消失した。
レゼルから見て右側の観覧席の一番上。そこにいる男子生徒を殺気と怒気を込めて睨み付ける。
彼の視線と雰囲気、自分の創り上げた創造物が簡単に消失した事に、その男子生徒は誰の目にも明らかに怯み怯えたが、男子生徒のネクタイは赤。最高学年の意地があるのだろう、彼は表情を狂った笑みに変えた(男子制服のネクタイと女子制服のリボンの色についてはルイサに教えられていた。赤が四年、緑が三年、青が二年、紫が一年。実技棟には少し一年の割合が高いものの、ほぼ四学年は人数の比率は変わらない)。
「ふざけんな! 目障りなんだよ、お前! 今頃編入? ――ハッ、お前みたいな学習意欲の無い奴がノコノコと入って来れる場所じゃねぇんだよ、学院は! お前が編入試験を受けるだけでも虫酸が走るっつーのに、挙げ句俺達の訓練を邪魔して実技試験だと? ウザいにも程があるんだよ、自分の立場分かって……」
興奮し、狂った様に叫び、レゼルに悪態をつく男子生徒。
しかしレゼルは、何時までも続くと思われた彼の罵倒が次第にフェードアウトしていった事が気になった。
彼には、男子生徒の罵りは全く届いてはいなかったからだ。心底どうでもいい言葉の羅列だとしか思っていなかった。
そこで、レゼルは自分の頭の上が軽くなっている事に気付いた。その意味にも気付き、レゼルは一瞬全身から血の気が引く感覚を覚えた。
だが、それも一瞬。
元より覚悟していた事だとすぐに冷静になる。そしてこれが原因で男子生徒の罵りは小さくなっていったのか、と納得した。
レゼルの、コートのフードが、外れていた。
――但し、ルイサの見た髪と瞳の色は、そこには存在していなかった。
観覧席が静まり返った。ルイサが、晴牙が絶句した。ミーファだけは何故か、悲しそうな瞳をしていた。セレンは、レゼルと共に覚悟を決めていた。
しかしレゼルは、変わらずナイフを放った男子生徒を睨み付けていた。
「ちゃんと俺を狙え! 貴様それでも四年か!?」
少し怒りの矛先がずれたレゼルの発言に実技棟の中の張り詰めた緊張感が幾らか削がれ――それが引き金になったのか、あちこちから立て続けに悲鳴に近い声が上がった。
「うわっ……!?」
「お、おい、マジかよ! あれって……!」
「きゃああぁぁぁっ!」
「嘘でしょ!?」
「何で《雲》が学院の試験なんか受けてんだよ!」
「やっと顔見えたぁ。ちょっと、や、かなり良くない?」
「何言ってんの馬鹿! 彼の髪と目の色、あれ、どっからどー見たって《雲》でしょーが!!」
小さなパニックに陥る観覧席。
中には半狂乱になって実技棟から逃げ出す者もいる。
「レゼル君、君は……」
呻く様なルイサの声。特に彼女は引ったくり騒動でレゼルのあの姿を見ているから、目の前の少年の姿が信じられないのだろう。
緋色の髪と瞳の少女を背中に庇いながら、悠然と観覧席を睨み付ける少年。
今、彼の髪と瞳の色に、《白銀の創造術師》レミル・ソレイユを彷彿とさせる銀と青は無い。
――彼は、灰色の髪と漆黒の瞳だった。
観覧席のパニックが最高潮に達する。
レゼルに睨まれている男子生徒はその眼光に呑まれてしまったかの様に突っ立ったまま。膝が情けなく震えていたが、表情は気丈にも笑みを浮かべている。
そこでやっと、呆然としていた晴牙とルイサが事態を収拾しようと動き出そうとした。
さすがは学年を束ねる副代表と教師――それも彼女は普通の教師ではない――だ。
しかしその時、実技棟に怒りに染まった声が叩き付けられた。
「黙りなさい!!」
◆
《雲》。
この朝のない世界にはそう呼ばれる者達がいる。
一般人との違いは、二つだけ。
創造術が先天的に使えない体で生まれてくる事と、必ず灰色の髪と漆黒の瞳を持って生まれてくる事。
創造術は、誰でも使えるという訳ではない。しかし、才能があまり無くても努力をすれば簡単な創造術なら誰でも出来るようになる。それに対し、幾ら努力しても、《雲》は創造術が使えない。才能が有るとか無いとかじゃなく、《雲》には創造術という概念自体が欠損しているのだ。
そして彼ら、《雲》は、世界から忌み嫌われている存在だ。
神に見放された者。
《雲》をそう呼ぶ事もある。
創造術は、神様からの贈り物。神聖なもの。
それが使えない《雲》は、神に見放された者だと言われているのだ。
この世界では、三年に一度、《雲狩り》という宗教的な儀式がある。
世界に太陽があった時代に、魔女狩りというものが行われていたというのは多くの文献に記されている事だ。それになぞった《雲狩り》は、神様からの贈り物である創造術を信仰する宗教団体によって行われる。
宗教団体は《雲》を見つけ次第、躊躇い無く殺す。処刑の連続執行――それが《雲狩り》だ。
世界を汚す者として、《雲》というだけで、創造術が使えないというだけで、殺される。
運良く《雲狩り》の直後に生まれる事が出来ても、《雲》の寿命はたったの三年。その三年の間も存在を隠さなくてはならない。
大抵は生まれた子供が《雲》だと分かった瞬間に親によって殺される。だが、そんな事が出来る訳のない家族がいるのも当たり前。その為の《雲狩り》なのだ。
創造術は血に依存する。創造術の才能の有無は家系によって大きく傾いてくる。一般家庭から突出した才能のある者が生まれる事もあるが、それは稀だ。
そんな中で、《雲》はどんな家系にも生まれる可能性は等しくある。
例えば、二年前までは優秀な創造術師を輩出してきた名家に《雲》の子が生まれ、一気に落ちぶれてしまった話は有名だ。
《雲》。
世界から、忌み嫌われる存在。
そんな存在が、創造学院に入って来た。
――聖域に、足を踏み入れて来た。
パニックが起きるのも、当然だった。