エンドレス レクイエムその3
ジャック・ギャザリスとパトレシア。彼らは空中でいがみ合った。ガントレッドオーブを我が物にしようとするジャック。そんな主を救おうとするパトレシア。いつのまにか時は、朝焼けを迎えていた。ジャックが浮游城に上陸して以来、長い夜が明けようとしていた。
飛空挺ジュブナイルは静かに彼らを見ている様だった。
[主よ!これより先、進むなら、貴方を殺めるかも知れん!最終警告だ!立ち去れ!邪神の欠片と共に!][フン。随分と偉くなった者だな。俺の愛馬が!そっちこそ退いたらどうだ?][やむを得ぬ。これより先、ソナタを主とは呼ばぬ。今時刻をもって、邪神ジャック・ギャザリス!ソナタを始末する!オーラ開放!戦闘モード]パトレシアの闘気が燃え盛る。[殺るか!パトレシア!これより先、我が愛馬を敵とみなす。我が力の源、邪神の欠片よ!燃え盛れ!カオスゲート オープン]ジャックの邪気が燃え盛る。
[カエサル!あれを見てみろ!奴だ!ジャック・ギャザリス!][レイン。行こう!リベンジだ!][ヨシ!奴を片付けなくては進めない様だな。家臣カエサル!神父レイン!やってこい!ここで思い残す事があるならワシは止めぬ!]アインシャーク皇帝は彼らに命令をする。[ネーネー何言ってるのさ。あの人はほっといて良いよ。聖騎士じゃないしさ。それに忙しそうなんだよ。先客もいるみたいだしね。ホラ。あそこに二人。それからあそこに二人ね。今、拡大するから。皆、指令室に集まって][チッ………しょうがねーなー。俺達の獲物なのによ。ナア、レイン][マアマア。カエサル。見ておけ。俺達も勉強になる][始まるみたいだぞ。私も見ておきたい。今後の為にな]
ジュブナイルは静かに彼らを見ていた。
[行くぞ!ジャック!]パトレシアはジャックに向かってパンチを当てる。[フン。そんな攻撃]ジャックはパトレシアの拳を掴み、握りつぶそうとする。[かかったな。コズミック ハートブレイク!]パトレシアの拳が緑に燃え盛る。[貴様!古代魔法か!]ジャックはパトレシアの拳を離す。[知っているようだな。邪神の力とは質が違うがな][ホウ。楽しめそうだ]ジャックは不気味に笑った。手から緑の球体をいくつか作り、パトレシアに投げる。[クックックッ。かわせるかな?カオス ショット!]パトレシアはガッとファイティングポーズを取り、寸前でかわす。最後の一球を足蹴りで投げ返す。
ヒュン………ジャックの脇を球がかすめた。[やるな。一筋縄ではいかないか。暴れ馬め!]衝撃波で切れた顔を舐め、不気味に笑う。[シュータータイプか?]パトレシアはパンチとキックのコンビネーションを叩き込んだ。しっかりとガードし、パトレシアの攻撃をかわすジャック。ガツッガツッと音が聞こえる。空中で二人はやり合った。
[………なんて戦いだ。………誰なんだ?アイツは?][パトレシア。彼の愛馬だった奴だよ。データー出すかい?]ガイドはかい?カエサルに聞いた。[パトレシア?仲間か?俺達の][そんな関係じゃないみたい。向こうの人は仲間だけどね。ホラ。数珠を持ってるの。見える?]三人は数珠の男を見た。[アドニス。火の神、インフェルノの遣いだよ][神の遣い?彼と旅をするのか?]アインシャークは聞いた。[近いうちね。そんな時が来るよ][で、…………その遣いはどっち側なんだ?ジャックか?パトレシアか?][パトレシアさ。アア。あの人は黄泉の遣いね。ジャックと一緒に帰るみたいだよ。ちなみにジャックは邪神の欠片を手に入れてるの。つまり邪神対黄泉の戦いだね][………ありがとう。ガイド]アインシャークは訳がわからなかった。
邪神、黄泉、神々、古代史、仮面邪教僧…………一体、この世界で何が起ころうとしているんだ。この戦い、尋常ではないぞ。俺達は何処へ行こうとしているんだ?
続く