表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

摩訶不思議食堂のほっこり飯

小川正人の宿題とほっこり飯

作者:修羅観音
最新エピソード掲載日:2026/03/15
数十年前、昭和から平成へと時代が移り変わる中、小川正人は学校という名の弱肉強食の理の頂点に君臨していた。ルールを無視し、他人の嫌がる顔を快感とする典型的なワルガキだった彼は、遊びの時間を確保するために気弱な少年に「宿題を押し付ける」という卑劣な手段を常習化させていた。その不誠実さは大人になっても治らず、他人の善意を利用して楽をすることを「賢い立ち回り」として身に刻み込んでいたのである。

だが、甘い考えは社会に出てからは通用しなかった。九州の工場では同僚を標的にした悪癖が露呈して解雇され、その後の人生も転落を辿る。両親を亡くし、40代半ばで孤独な独身生活を送っていた正人は、ようやくIT企業の事務職という安定を掴んだ。しかし、平穏な生活に差し込んだ一筋の光は、突如現れた謎の人物によって遮られる。

その人物は外部のフリーランス技術者として会社に出入りしており、上司に対して正人の「卑怯な過去」を密告していたのだ。正体不明の影に怯え、苛立った正人は、ロビーでその男を待ち伏せして問い詰める。男は自らを「呪術師」と名乗り、感情を排した無機質な瞳で正人をある食堂へと誘った。

夜の帳が下りた京都の路地を抜け、人気のない通りへと進む2人の前に現れたのは、ベレー帽に黒いセーラー服という異様な風貌の少女だった。「えらいこっちゃ」と口にする彼女は、自らを「えらいこっちゃ嬢」と名乗る。

逃げ場のない静寂の中、正人は自らが踏みにじってきた誰かの幻影なのかもしれない男に導かれ、己の業と対峙する不思議な夜の深淵へと足を踏み入れる。過去の清算は、まだ始まったばかりであった。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ