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第八話 試験前夜

 小説関連で、なんやかんやあった為すっかり忘れていたのだが…明日は試験だ。一応、こんなのでも受験生なのである。

 夕食のうどんを頂く。つるんとした麺と、あったかい汁が体に染み渡る。両親は心配そうだが、妹達はそんなこと、知ったこっちゃあない。少し熱かったらしく、麺を恨みがましく見ていた。

 後、冷蔵庫にあった油揚げをひっそりとうどんに入れ、頬張る事にする。明日のことなんぞ、今考えても仕方がない。明日の自分に期待しようとする。

(人はこれを『現実逃避』と呼ぶのである)


「…ということなので、今日は寝ます」

大地にそう連絡し、布団に潜る。明日でこれからの六年間が決まる。

 結が受験する予定の学校は、私立の中高一貫校。丁寧に教えてくれ、教育設備も整っていると話題だ。よっぽどの馬鹿をやらかさない限り退学にはならないらしい。

 因みに、大地が受けるのは県立のいいところらしい。クラスにも複数受ける人がいるらしいが…詳しくは知らない。同じく、中高一貫校のエスカレーター式だ。


……

(寝れない…)

落ち着かない。結は起き上がる。夜風に当たりたくてベランダに出る。

 肌をさすような冷たい空気。いつもなら顔を顰めるだろう。

(今日は…十四夜月じゅうしやづきか…)

十四夜月とは、満月の前の月・又はその夜のことを指すと何処かで見た気がする。完全なる満月には足りない。未熟な月だと思っていた。

 今日の月は、今まで見てきた月と何処か違う雰囲気を漂わせ、そらに浮いていた。

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