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第五話 書く者
このグループは役割を分担し、互いの専門分野を活かしながら作品を作っていた。ある者は設定などの作品の土台をつくり、ある者は、それを文として話を展開させ、ある者は伝わりやすいように修正する。
結はその中の『書く者』に所属する。物語を作るのは好きだったので、天職だろう。ただ、『大地がウザい』という単純な理由で素直に従わず、多少抵抗しているだけの捻くれ者だ。
大地はかなり腹が立つ。にこにこやってきて進み具合を聞かれたかと思ったら,「もう少しペース上げといて」とか言いやがる。文章にするの、結構大変なんだよ?それに加え、自分の役割はきちんと果たしてくるから余計にタチが悪い。
そう、むすっとしながら設定案に目を通すのだった。