第三話 物語
「新しい小説を作るぅ?」
物凄い嫌そうな顔でじとぉと睨みつける。現在の活動でさえ、ギリギリなのに、それ以上やると睡眠が足りず、ぶっ倒れるのではないだろうか。生憎、自業自得な奴の世話をする趣味はない。
「そう。やっぱオリジナル作品作りたいよなぁ」
…きらきらとした目でコチラを見ないで欲しい。作業は主にこちらなのだ。
今まで制作していたものは友人に考えてもらった設定をもとに世界線やストーリーを考えている。完全オリジナルというわけではない。
ただ、事情がどうであれ、多少は足掻いてやる。
「…勿論、短編だよな?」
震える声で確認する。長編だと、確実に過労で寝込む自信がある。
大地は首を傾げ、
「勿論、長編に決まっているだろう?」
と、地雷を落として行った。本来なら全力で蹴り飛ばしたい。サッカーボールにしてやりたい。だが、こいつと違う。大人の対応をして腹の虫をなんとか鎮める。
確実に希望が崩れ去ったことは理解できた。灰になった結を気にせず、大地は案を提出し、「じゃっ!」と手を振りながら帰って行った。
我に帰った結が見たのは提出された紙の『現実に近いSF』という文字のみだった。