第十四話 休み明け
更新が遅れてすみません。
(気まずいんだよなぁ)
これ、皆共感できるのではないだろうか?
休んだ翌日、学校に行くのは。教室に入るのをとても躊躇ってしまう。周りが自然に話しかけてくれるとまだいい。ただ、「大丈夫?」とか言われるともうおわりだ。気まずいやら、申し訳ないやら、色々な感情がごちゃ混ぜだ。
(帰りたい…)
切実な願いだ。でも、登校時間と妹、そして正直なところ、一年生より手のかかる5年生(二人)は待ってはくれない。歩く足は止まらない。
(ほんとに帰りたい…)
……
諦めの境地に至った頃、遂に着いてしまった。しかも、クラスの奴がちらほら校庭に見える。おそらく教室にも居るだろう。
(嗚呼…気まずい…)
気が重い。
だから、気づかなかった。
「きんとーろう!」
後ろからドンっと肩を叩かれる。倒れそうになる体を必死に立て直す。この声の主はあやつしかいない。
「朝から何?大地」
「バレたかぁ」
構っている暇はない。登校完了時間が迫っている。腹を抱えて笑ってるだけのやつは置いていく。
スタスタ真顔で歩いていくのを笑いすぎて腹を痛めた奴がゆっくりついていく。
……
「なんか鳥の親子みたいねぇ」
「そう?」
少女の声が聞こえる。それも二つ。
「家鴨の引越し風景想像したらわかるんじゃない?」
「あーね。」
窓から、知り合いのやり取りを眺めている。少女にひっついて歩く少年に対して、呆れてもいる。もう後二月程度で卒業というのに。
「まぁ、いいか…」
少女達の髪を風が撫でる。
「降らないといいけど…」
空は泣きそうな色をしていた。2人は外を眺めるのをやめ、教室へ戻って行った。
〜十六夜豆知識〜
結はフルネームで『錦燈籠 結』(きんとうろう ゆい)という。