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第十三話 合否 〜後編〜

 結はいつもと変わらない天井を見ていた。妹達は学校に行ったらしく、家は静まりかえっていた。

 いつの間にかうどんが置いてある。まだ湯気が出ている。母さんが置いていったのだろう。口にすると、ほんのり鶏の味がする。この味が好きだ。

(熱を出すたびに、これ作ってくれたなぁ)

過去の思い出に浸りながら箸を進める。一口、また一口と食べる。最後に甘くて、じゅわっとした油揚げを食べ、汁を少し飲む。ぺろりとうどんを完食してしまった。


(それにしても…何しようか)

暇である。一番の大敵と言える。

(まぁ…いっか)

病人は病人らしく大人しく眠りにつくことにする。 


……

「……い………きな…い」

何か聴こえる気がする。多分幻聴だろう。

「起きなさいっっ!!」

結はびくっと、体を揺らし、起き上がる。耳が痛い。鼓膜が破れるかと思った。押さえながら隣を見る。

呆れた目でじとぉっと見てくるのは母さん。眉をぴくぴくしている。

「あんた…どれだけ寝てんのよ…」

「寝てない」

「ふぅん…その跡は何なのよ」

目を逸らす。あはは…と誤魔化す。

「まぁ、いいわ。結果な」

スマホを弄り始める。この学校の合否は専用のサイトで受験番号と電話番号を入力すればわかる。

(それにしても…)

前日に学校で,確認するとか言ってなかったか?休憩の時に先に見てもいいかと何度も聞いてきたのに…

「時間がなかったのよ、あの野郎…仕事押し付けやがって…」

悪態をついてる母さんを結は苦笑いで見る。

「準備はいい?」

こくこくと頷く。結果を見るのボタンを押す。

「………」

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