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【GunSHOP】スキルで銃無双  作者: カロ。
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62.【水晶の洞窟】

62.【水晶の洞窟】








「なるほど、確かにこれは【水晶の洞窟】だな」


今現在、ヘレナが提案してくれたダンジョンへと来ている。【水晶の洞窟】という名前の通り茶色い岩肌に所々水晶が生えている。大きさはまちまちで小さいものは小指程で大きいのになると2~3メートルになる水晶もある。

幸いと言っていいのかこれから歩く道である地面は平らで邪魔になるような水晶も生えていなくて歩きやすい。


「それにしても本当にこれで行くの?」


『はい、どうですか?乗り心地は』


そういってヘレナは今回新しく作ったニューボディを動かす。


ニューボディ。そう、今回【水晶の洞窟】に来るにあたってヘレナが操る新しい機体を作った。

実は、後から欲しくなった時に作れるように『機械種マギア』のコアをいくつかとって保管しておいたのだ。


新しいの作るのはやくない?とか思っても言っちゃダメだ、だってどうしようもなかったんだもの。

【アルミーシュ】ダンジョンで作った最初の機体は高さが8メートルもあり、横幅もかなりある。

どこのダンジョンも広ければその機体だけでいいんだろうけれどそうもいかない。広いダンジョンだけ行くって言うのもありだけどそれじゃぁ活動範囲が狭まってしまう。


つまり遅かれ早かれ大小いくつかの機体を作るつもりだった。


そうして今回作ったのがこの機体だ、体高は1メートル60センチほどでもちろん四つ足の多脚で足先には出し入れ可能のタイヤがついている。

前後に長い頭と胴が繋がったボディに頭の部分の少し上に普段は仕舞ってあるが武器が付いている。攻撃の際に銃口が出てきて撃つ感じだ。


小さいやつなら荷物持ち君でもよくない?って思うかもしれないがアレはあくまでも荷物持ちだ、武器などがついていないので攻撃手段がない。

なので攻撃手段を付けた新しい機体を作ったのだ。


しかも今回の機体も乗って移動が出来るようにした、背中の後方に椅子みたいなやつを取り付けてあるのでそこに座る形だ。

正直見た目的には大昔、遊園地とかにある100円で動く乗り物、メロディペットだっけ?たしかそういう名前のやつみたいでちょっと乗るのが恥ずかしいが仕方ないバイクみたいな物だと思おう。


足は下へと降ろす形にもできるし前へと伸ばして背もたれも普段は収納してあるやつを伸ばす事が可能なので乗り心地は悪くない。


「多少揺れるけどこの辺はしょうがないか」


『はい、これでもかなり抑えられているんですが。流石に完璧にとはいきません。もし反重力の能力を追加すれば全ての揺れを無くせますが』


「あの100万GPのやつか」


『はい』


いつかは欲しいなぁ反重力、一体どういう感じか気になる。


「お、敵がきたか」


『3匹ですね』


【気配感知】で敵が近づいてくるのが分かった、数は3匹小型の魔物のようだ。


「たしか、倒すと水晶になるのが特徴なんだっけ?」


『そうです』


倒すと水晶になるって言うのがもはや意味不明だけど、それが特徴のダンジョンらしい。

どういう風に水晶になるんだろうか?倒した瞬間に一瞬で全身が水晶になるのか、死ぬと徐々に水晶になるのか。それとも死体が消えて水晶に置き換わるとか?



「トカゲか」


洞窟の暗がりの奥から姿を現したのは全長4メートルのトカゲが3匹、イモリだったか?ヤモリだったか?どっちか忘れたけどそういった感じの見た目をしている。

トカゲだからか地面だけでなく壁なども走れるようだ。


『ここは私に任せてもらえますか?』


アサルトライフルを構え先制攻撃を仕掛けようとしたときヘレナが自分に任せて欲しいと言ってきた。


「そうだな、この機体の初陣だもんな任せるよ」


『ありがとうございます。では、ここから狙撃します』


軽く性能の確認もしたいしヘレナに任せる事にする。


ニューボディである今回の機体、いくつか作るなら名前があった方がいいとヘレナが付けた名前が【赤雷】、こう書いて(せきらい)と読むらしい。

なぜ赤い雷なのかそれはこれからわかる。


【赤雷】の頭から二つの銃口がカシャっと音を立てて飛び出してくる、これがこの機体の通常の攻撃手段になる。飛び出した部分の大きさはハンドガンほどしかなく小さいがこの機体にはある特徴がある。

それは使用する銃弾の種類を状況に合わせてすぐに切り替える事が出来るという事だ。


9mmから.45ACP弾や12Gaugeのショットガンの弾まで切り替えることが出来る。その他にも背中の中心にはアサルトライフルほどの大きさの銃身が収納してあり、そちらではまた別の大きい銃弾も使用できるようになっている。

まぁ言ってしまえば砲弾とか以外の主要な弾丸は全て切り替えて使う事ができる。


そのせいというか切り替える事のできる弊害として色んな機体専用の弾を【GunSHOP】で買わないといけないのはちょっと面倒だが、それをもってしても使用する弾丸の種類を切り替えることが出来るという事は大きなアドバンテージになるだろうなと思っている。


『目標確認、撃ちます』


こちらに走ってきているトカゲとの距離は24メートル、この距離なら外さないだろう。

そう思っていると【赤雷】から銃弾が発射される、その弾は赤い線をひきながら飛んで行く。

放たれた弾丸は3発、そのどれもが正確にトカゲの額に当たり脳みそを破壊して一撃で仕留める。


「やっぱり強いな」


『当然です、私が操るんですから』


相変わらずの自信である。


さて【赤雷】の由来だが今見てもらった通り弾丸が残した赤い線がその名前の由来になる、これは曳光弾(えいこうだん)と呼ばれる物で弾丸の中に発光体を内蔵した特殊な弾丸になる。


【赤雷】が使用する弾丸全てにこの曳光弾の効果が付いている、普通ならそんな事無理だがこれもスキルによる効果らしく、どちらかというと曳光弾の効果がついた弾丸が【GunSHOP】で買えるという感じだ。

なので弾丸の種類にかかわらずその効果を付ける事が出来るみたいだ。


では、どうして弾丸にそんな効果を付けたかというとそれは俺の為だ。


【赤雷】は狭い所でも使用できるような大きさで作られている、その為俺と並走して戦う事も想定してある。

その時に間違っても射線に入らないように、どこでヘレナがあやつる【赤雷】が戦っているかわかりやすいようにという目的で付けてあるのだ。


そして普段から使用する銃弾の放たれた際の赤い線を見て【赤雷】とつけたらしい。


俺も名前の候補は出したんだよ?でも全てヘレナに却下された、理由としてはダサいからだそうだ。

いいと思ったんだけどな【ぴょに丸】、可愛いし。


『見て下さいマスター、あれが死んだときに水晶になるというやつです』


ヘレナのその声に考えて俯いてた頭を持ち上げて倒したトカゲを見る、するとそこには体の端から徐々に水晶へとなっているトカゲがいた。


「徐々に水晶になる感じなのか」


そうこう言っている間にトカゲの全身が水晶になってしまった。その色は半透明で所謂水晶と言われたときにまず思い付く感じの色をしている。

しかしその形は4メートルもあるトカゲなので一種の芸術品のようにも見える。


4メートルもあるトカゲの全身が水晶になるまでにかかった時間は10秒ちょっと、徐々にと言っても結構なスピードがあったようだ。


「取り合えずあれは一旦GPに換えてみよう」


『はい』


近くに敵はいないしそのままヘレナがあやつる【赤雷】に乗ったまま近づいていく、目の前まで来てから降りる。

【GunSHOP】の売却画面を開きそこへ水晶へとなったトカゲを3匹入れていく。


「お~36万かいいね」


1匹12万GPで36万GP結構いい稼ぎだ、特に今回は俺は何もしてないし。


『前回の反省を踏まえて綺麗に倒しましたからね』


「あー、そういえばヘレナの最初の戦闘は『機械種マギア』がバラバラだったもんな………」


『私も日々成長しているのです』


AIなのに成長するのか………


「ふむ、あっ」


『どうしたんですか?』


「いや、ほら。この4メートルの大きさのトカゲの水晶で12万GPだろ?ならその辺に生えている大き目の水晶採取したらもっと楽にGP稼げないかなって思ってさ」


『マスター、そう考えるのはマスターだけではありません』


「ん?うん、そうだ………ね?」


『つまりですね、誰でも思い付くのになぜ水晶がそのままなのか。そこに気づけば理由もわかるでしょう?』


「なるほど?」


ダンジョン内にはそこかしこに水晶が生えている、ここはまだ浅い層で入口からも比較的近い所だ。なのに水晶がいっぱい残っている。

つまりその辺にある水晶は価値がないって事か?とるだけ無駄?


なるほどなぁ、残っているのには理由があるか。その通りかも。


『気づきましたか?そうですその辺にあるのはただの飾りで価値のない水晶です。それをGPに換えても1GPになるかどうかでしょう』


「そんなに安いのか」


『はい、少なくともこのダンジョンではその辺に生えている水晶は価値がないです』


「このダンジョンでは?他では違うって事?」


『もちろん価値のある装飾品があるダンジョンもありますが、そう言ったところは誰かが常に周回していて残っていません。なのでダンジョン内の装飾で一攫千金をしたいならまだ誰も言った事のない所へ行くしかないですね』


「なるほどなぁ、そういうもんか」


『はい、無理をしなくても私達は魔物を軽く狩る事が出来るんです装飾なんて無視しましょう』


「それもそっか、んじゃ先に進むか」


『はい、まだ乗りますか?』


「今回は楽をしようかな?魔物が数十匹ぐらい一度にくるとかじゃなければヘレナだけで余裕でしょ?」


会話をしながら【赤雷】へと乗り込む。


『余裕ですが………まぁいいでしょう』


「なんだよ、まずいかな?」


『いえ、マスターは途中で絶対戦闘に参加したくなるだろうなって思っただけです』


「んー、ならあえて我慢しよう!ヘレナに任せた!」


『はいはい、それでは行きますよ』


「あ!信じてないな!絶対戦闘に参加しないからな!」


『はいはい』








いつも読んでくださりありがとうございます。最近コメントに返信をしていないのですがコメント返しを落ち着いてする時間が取れず返信できていない状態です、すいません。


コメントについてはちゃんと全て見ています、いつも沢山のコメントありがとうございます。

誤字報告などもいつも助かっています。


また時間が出来次第コメントに返信していきたいと思いますのでこれからも気軽にコメントを残してくれると嬉しいです。


改めまして、いつもありがとうございます。皆さんのお陰で執筆が楽しいです、これからも楽しませれるような話をかけるように頑張ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 諸々の理由でダンジョンといえば徒歩が基本形だから乗り物というのはやはり新鮮。 というか各種弾薬を扱えるとか攻撃面も普通に有能で草。 跳弾とかも怖いけれど、まあその辺りは機械ならではの精密…
[良い点] 更新お疲れ様です。 >迷宮に生えてる水晶に価値はない チッ、やっぱり皆考えることは一緒だったか(笑) まぁ価値があるならハゲ山ダンジョンになってますわなぁ。 金銭的価値はゼロですが、加工…
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