表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【GunSHOP】スキルで銃無双  作者: カロ。
61/142

55.ステータスという力

55.ステータスという力









一度【野営地】内で体を動かしどれだけ動けるかの確認をした後、ダンジョン内で瓦礫などを足場にアスレチック風に見立てて体を動かし、再び【野営地】内にもどり休憩タイムだ。


わかったのは、アニメみたいな動きが出来るようになっていたって事だ。

アニメみたいと言っても別に姿が一瞬にして消えて気がつけば何十メートルも先にいる、みたいなことが出来るわけじゃない。もしかしたらそういうスキルがあるかもだが今回の場合はステータスを使う身体能力による動きだ。


何が出来るかというと、三角飛びでビルを登れたり、大きな塊の瓦礫を持ち上げれたり、100メートルを数秒で走る事ができたり、瓦礫に向かって拳を打ち込めば粉々にできたり。そういったもっと現実的?な動きだ。



まさか自分がスポーツ選手以上の動きが出来るなんて思っていなかったから驚いたと同時に、どうして今までこういった動きが出なかったのだろう?とおもった。

取りこぼしそうになったペットボトルを握りしめちゃったとか、足を踏み外した瞬間に地面を思いっきり踏んでしまうとか。


思わずといった感じで力が入る時もあるだろう、なのにどうして今まで気づかなかったのかと考えて思い付いたのが俺のステータスの中でひときわ数値のでかいDEXだ。

俺のステータスは異常にDEXの数値が高い、つまりめちゃくちゃ器用なのだ。一般的な人よりも、スポーツ選手よりもはるかに、異常に。


その器用値のおかげでなのか、そのせいなのかわからないが俺は途轍もなく上手に自分の体を動かしていたって事だ。

それが俺の結論だが、外れてはいないとおもう。そうとしか考えれないしね。


そしてそんな大きな力を持っている事が判明したのだが、これからどうしようかなと考える。


これだけ動けるならアニメや映画のような動きで銃を扱う事ができるだろう、それこそ二丁拳銃でとか。

とはいっても俺にはそういった武術的な動きの修練を積んだ経験はない、なのでいっそこの機会に何かしら武術を嗜んでみるか?



ダンジョンが日常的になった現代ではこれから探索者になろうという人や既に探索者だが前衛なので武術を習いたいという人がそれなりの人数がいる。

今ではいろんな武術の流派があり、ダンジョンが現れる前から既にある流派や。ダンジョンが出来てから増えた流派などが沢山ある。


素手での戦い方、武器を使った技、ダンジョン内で役に立つサバイバル術など教えてもらえる事は多岐にわたる。


もちろん俺が使う銃を取り入れた流派などもある………人気かどうかは知らないが存在しているって事は一定数門下生がいるのだろう。


余談だが一番人気のある所は忍術を教えてくれる所と刀を扱う所だ、日本人にも海外の方にも人気があり昔から有名な所など門下生は数千万、下手したら億に届くんじゃないかな?ってぐらいだ。

忍術とか教えられたところで使えないんじゃ?って思われそうだが実はスキルで【忍術】というのがある、しかもこれ修練で獲得できるのだ。

それも相まって物凄い人気なのだが、果たしてファンタジー要素のはいった【忍術】を使う人って忍者って呼ぶより、それはもはやニンジャやNINJAと呼ばれるやつじゃないだろうか。



「まぁ何にしろこのダンジョンが終わってからの話しか」


そんな感じで身体能力についての話しはお終いにして、今回の目的であった【ラドナクリスタル】についてだ。


リーダー格である『機械種マギア』を倒した後頑張って解体してみた、あのひかっていて明らかにコアっぽい所だけだけど装甲を剝がしてみたら予想通り出てきたのは神宮寺さんに見せてもらってあの【ラドナクリスタル】そのまんまだった。


残った残骸はいつも通りGPにしておいたんだけど、これが5万GPになった。

結構おいしい、一撃で倒せるならもうちょっと狩りたいくらいだがこれって一番価値のありそうな【ラドナクリスタル】を抜いての値段なんだよな。


ちょっと試しに売却してみようかな?って思ったが誤売却が怖いので、4つめをもし手に入れたら試してみよう。

というわけで取り合えずこの【ラドナクリスタル】は【空間庫】へと入れておく。


携帯を取り出し現在の時刻を確認する、身体能力がどんなものか確かめていたからか気がつけば既に夕方の5時を過ぎていた。



「今日はこのまま、まったりするかな」


行こうと思えば夜も探索できる時間はある、だけれどダンジョンの中では出来るだけ余裕を持っていたい。

とくに今回は依頼できているし、その依頼品も既にてにいれたので焦る必要もない。

いけそうならもうちょっと【ラドナクリスタル】が欲しいなぁってぐらい。


そうと決まれば晩御飯を用意しよう、今日は鶏もも肉を焼いてオニオンソースで食べようかな、後はご飯を炊くか。





◇  ◇  ◇  ◇





「1、2、3、4、ここも4体かこれが通常なのかな?」


次の日、いつも通りの朝のルーティーンを過ごしてからダンジョン探索を開始した。

今日の目標はリーダー格である『機械種マギア』を倒して追加の【ラドナクリスタル】を手に入れる事だ。

神宮寺さんからの依頼では最低でも1つ、これは既に達成済み。そして3つまでは買い取ってくれるという話だったので一応後2つ欲しい。


そして欲を言えばGPに換えたときいくらになるのか気になるのでさらに1つの全部で後3つ欲しい。


その為に今はリーダー格である『機械種マギア』の偵察をしている、今度は一撃で倒しきれるようにだ。

今のところ5グループほど見てきたがそのどれもがリーダー格1体に子機が3体の4体で1つのグループしかいなかった。

理由は知らないが何かしらのルールがあるんだろう、こっちからしたらやりやすくていいが。


5つのグループを見たがそれぞれリーダー格の見た目が違っていた。


1体目が昨日倒したのと同じで、足がキャタピラで上半身が人型のやつ。2体目が下半身も上半身も完全な人型で見た目が完全にロボットだった。

3体目がクモの足みたいなのが4本生えた上半身人型のやつだった、4体目が同じ四つ足に台形の胴体がついた蜘蛛に似たやつで、5体目が見た目は完全にただの戦車のやつだった。


倒しやすいのは弱点のわかりやすい上半身が人型のタイプのやつ、体の制御をしているであろう頭が狙いやすいので狩るならアレがいいだろう。


というわけで今狙っているのはその狩りやすいであろう上半身が人型で下半身が四つ足のタイプのやつだ。

子機は3体、これもまた四角い箱に四つ足が生えたタイプ。


前回はこの子機が倒したはずのリーダー格を修理したせいで苦戦を強いられた、なので今回はまずリーダー格を一撃で倒し、続いて一気に子機を倒す。

そのために今いるのは前回よりも近い場所、距離にして200メートルしか離れていない。


リーダー格の『機械種マギア』がどれだけの感知範囲かわからないが少なくともまだばれてはいないようだ。


作戦としてはこうだ、まずリーダー格を〝対物ライフルFoxtrot〟で頭を吹き飛ばし機能停止状態にさせる、そのあとアサルトライフルかショットガンを構えて一気に近づき子機を倒す。


こんな作戦をとれるのもステータスの力をちゃんと自分で認識してある程度使いこなせるようになったからだ。

前までなら遠くから全部倒そうとしていただろう。


今の俺の技量なら遠くから対物ライフルで全部倒せる可能性もあるだろう、だけど確実性をとるならやっぱりある程度は近づきたい少なくとも100メートル以内には、それだけ近づければ確実に倒せる。


今回は近づいて攻撃するため地上からの狙撃になる、頭が狙いにくいが相手はあまり動かないやつだし何とかなるだろう。



瓦礫を土台に息を吐き、整え………撃つ。


「ッ!」


「よしっ!」


対物ライフルの一撃でリーダー格の頭後ろ半分が吹き飛び、目の光りが消えその機能を停止した事がわかる。

次に【空間庫】へと銃をしまいアサルトライフルを構え物陰から飛び出し走る。


未だにあわあわと慌てている子機に急いで近づいていく、今の俺の身体能力なら200メートルを十秒未満で走り抜けれる。

近づいてくる俺に気づいた子機が攻撃をしようとこちらへと向かってくる。


最初からこうやって戦っていれば子機がリーダー格を修理する事なんて無かったのか?遠距離から攻撃しすぎたって事か。


今までは遠距離から一方的に倒せるほうが楽だと思っていたが、そうでもないんだな。近づいていた方が楽に倒せる場合もあるって感じか。


そんな事を考えつつ〝アサルトライフルFoxtrot〟で子機を撃ち抜いていく。

ステータスの力をはっきりと認識した今となっては子機ぐらいの雑魚ではやられる可能性など皆無だ。


近づいてくる途中の1体を撃ち抜き、2体目も撃ち抜き、3体目は近かったのでそのまま蹴ると装甲がベコッとへこみ飛んで行ったので落下地点を予想して銃を構えて待ってから撃つ。


これでお終いだ。


何だか昨日の苦戦が嘘のように楽に戦えた、これならもうちょっと狩ってもいいかもしれないな。

ただ気になるのはリーダー格には形にタイプがあるので、もしかしたらそれによっては倒しにくいとかもあるかもしれない。

とくに弱点のわかりにくい、上半身が無く戦車そのまんまのタイプのやつとか。


倒した子機は1体1万GP、そして倒したリーダー格は装甲を剥いで【ラドナクリスタル】を抜き取り残骸を換えて5万GP。

合計8万GPになる、おいしい。


これで【ラドナクリスタル】は2つ目なので後2つこの調子でとっていこう。





◇  ◇  ◇  ◇





「ッシャ!」


振り下ろされた右腕の攻撃を躱し大きな機械の体を駆け上る、そのまま頭までいくと〝ハンドガンFoxtrot〟を構えて撃つ。

体を制御する機能部分が停止して崩れ落ちていく、巻き込まれないように倒れる『機械種マギア』を蹴り反動で距離を取る。


大きな音を立てて倒れたリーダー格に近寄り胸の装甲を剥がして【ラドナクリスタル】を取り出していく。


「これで4つめか、目標達成だな」



もうちょいで夕方になるかな?ぐらいの時間に何とか4つめの【ラドナクリスタル】を手に入れた。

自分の力を理解してからリーダー格だけでなく道中で出てくる犬型なども相手をしたのだが倒しやすさの違いに驚いた。


3体目のリーダー格の時は同じ様に遠くからまずリーダーを倒して、近づいて子機を倒してって感じだったが、今の4体目のリーダー格は狙撃はせずに正面から戦ってみた。


一応ちゃんと危なかったらすぐに逃げるつもりだったが思ったより余裕で倒せてしまった。

俺自身が接近戦に来られると銃で戦いづらいのと同様に、相手も近くにいる敵には銃を使いにくかったみたいだ。


普通に考えればわかりそうなものだったんだけど案外敵側の視点に立って物事を考えるって事が気づかないと中々できない。

発想の転換、柔らかい思考、そういったのも大事なんだなとしみじみ思った。


まぁ銃が使えないなら手で殴ってやるとばかりに手がブレードへと変形したのには驚いたが終わってみれば面白かったギミックだったな。


【ラドナクリスタル】を取り出された残骸をGPへと換えて8万を貰う、そして次に本命の物だ、果たしてこれを売却するといくらになるのか。


【GunSHOP】の売却画面へと【ラドナクリスタル】を押し入れ売却ボタンを押す。



「15万………かぁ」


想像以上に高かった、リーダー格の残骸と合わせると20万という驚きの価格だ。


「もうちょっと狩るか?」


今の貯蓄的には50万GPほどある、普通に消耗品を買い足すぐらいなら十分だがスキルレベル上がった時に銃を更新する事を考えるともっと欲しい。

なのでまぁ最低でも100万ぐらいは貯めておきたいな。


「そうと決まれば早速狩りといきますか………ん?なんだこれ?」


次のリーダー格を倒しに行こうと数歩あるいた瞬間、さっき倒した『機械種マギア』の所に何かハッチみたいなのがあるのが見える。

残骸を片づけないと見えない位置にそのハッチはあり、見た感じ普通の人が入れるくらいの大きさしかない。


「『機械種マギア』が人が通れる通路を隠していた?あるいは守っていた?」


つまりこれは隠し部屋的なアレか?


ハッチへと近づき取っ手を握り持ち上げてみる、するとあっさりと開いた。

中は想像通りの地下へと降りるハシゴが設置してある。


もしかしたらダンジョンのオブジェクトかもしれない、あえて意味深に設置しておいて罠かもしれない。

でもこんなの見つけちゃったら………


「行くしかないでしょう」


幸い【罠感知の指輪】は反応していないが慎重に進んでいこう。

果たしてこの先に何が待っているのか、楽しみだ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 些細なことですが、100mが数秒なら、200mは十数秒では?誤字として修正提案した方がよいか悩んだのでコメントにて。
[良い点] 異様に高いDEXが安全弁になっていたわけか。 まあそのおかげでクシャミで大惨事とかそういうことが無いのはありがたいところ。 あと単独で狙撃で先制してからの突撃ができるのは身体能力さまさま…
[一言] 自律型メカのコアとかなんかゴーレムの材料なんかになりそう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ