表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【GunSHOP】スキルで銃無双  作者: カロ。
132/142

125.試用

125.試用








新作のドローンが完成してから2日、試用するために再び【ラピトリア】へとやって来た。


今いるのは【ラピトリア】ダンジョン内の都市外縁部、敵が出てくる範囲でも一番外側になる。

まず試すのは偵察用のドローン、卵ほどの大きさの球体のやつだ。


【格納庫】から作った100機全てを呼び出しその内50機を偵察に出す、残りの50機は近くを飛びながら動くのに問題が無いかの確認だ。


「おー、これはすごい。すぐに見失っちゃうな」


以前のドローンに比べて大きさがかなり小さくなったのとスピードもそこそこでるからすぐにどこに行ったのかがわからなくなる。


「映像を出してくれる?」


「はい」


ヘレナにお願いするとすぐにヘルメット内のディスプレイに映像を出してくれる。


「映像は問題無し、むしろ前よりちょっと気持ち綺麗かも?」


ディスプレイの映像はノイズがはしる事も無く綺麗に見えている、カメラを切り替えて別の偵察用ドローンの映像を見ていくがどれも問題なく映っている。


「お、敵だ」


映像の1つに四つ足の敵が見える、まだドローンに気づいていないのかゆっくりと走っている。


「ヘレナ、試しだ。敵にわざと見つかって逃げれるかやってみよう」


「はい」


映像を4分割にしてそれぞれ別のドローンの映像を見ていく、その内の1つが敵へと近づいていき他の3つはそれを少し遠くから見る感じだ。


「めちゃくちゃ翻弄しているな」


コマ落ちの映像を見ているかのように敵にドローンが離れたり近寄ったりしている。

敵の四つ足もドローンを見つけて迎撃態勢に入るも一瞬で見失っているようだ。


「丁度いいや、アレも試そう。爆撃用ドローンを出して」


「はい」


【格納庫】から今度は長方形のゴミ箱を横倒しにしたようなドローンが出てくる。

試作の爆撃機ドローンだ、上部にハッチがついていてそこへと何かしらの爆発物を入れておき投下する時は箱を回転させてポロっと落とす感じにする。


今回使う爆発物はクラスター爆弾だ。


そんなに大きくない小さな物だが以前のドローンでは載せれなかった物なのでちゃんとうまくいくかも考えて試す。

爆弾の制御はヘレナがしてくれるのでドローンの役割は落とすだけだ。


作業員ロボットがクラスター爆弾を爆撃用ドローンへと載せたのを見てヘレナが発進させる。

それを俺は偵察用ドローンで追いかけて確認する。


「敵上空へ到達、いつでも落とせます」


敵は爆撃用ドローンが到達するまで偵察用ドローンを囮にしてその場で足止めしていたので後は落とすだけだ。


「投下」


「投下します」


爆撃用ドローンの箱が回転してクラスター爆弾がポロっと落ちる、それと同時に偵察用ドローンは敵から大きく離れていく。


クラスター爆弾は空中で分解され、さらに細かい爆弾が降り注ぐ。


「おぉ、派手だなぁ」


遠くの方で砂ぼこりが舞い上がり、爆発音と振動が離れたここまで聞こえてくる。

砂塵がおさまるのを偵察用ドローンの映像を見ながら待つ。


「なるほどなぁ」


砂塵がおさまるとそこには随分と細くなった四つ足がいた。

爆撃された地面はボコボコになり周りの建物にも少なからず被害が出ている、こうやって見ると爆発がどれだけの威力を出したのかがわかる。


クラスター爆弾はスキルで購入した物だ、だからなのか知らないが威力が強いのかもしれない。

まぁ本物のクラスター爆弾なんて見たことないから想像でしかないが。


「マスター、敵が集まってきました」


「流石に派手すぎたか」


音と振動で集まってきたのだろう、先ほどまで敵がいた場所に四つ足の数が増えていた。その数7体。

しかし何が起きたのか正確には理解していないのかキョロキョロと周りを探すだけで偵察用ドローンには気づいていない。


「倒しに行くか」


「はい」


確かめる物は全て終わったので残りは普通に片付けよう。

【赤雷】へと立てかけていた銃を手に持ち歩き出す。






◇  ◇  ◇  ◇






「あー、そう言えばあるって言ってたっけ」


【ラピトリア】でドローンの試用が終わってから5日後、ダンジョン協会から連絡が来たので確認するとAランクの交流会が行われるというお知らせだった。


参加するかは自由と書いてあり、参加する場合はこの日付の何時までに会場に来て欲しいと書いてある。


【ステイルの洞穴】で出会ったDライバーの天野さんが言っていた事ってこれの事なんだろうな。


どうしようかな、参加するか悩む。


今回の交流会についてネットでちょっと下調べしてみた、どうしてこういう交流会があるのか。

以前にも探索者交流会があったと思うがアレは自分の他にどういう探索者がいるのかとかの見聞を広めるための側面が強かった。


だが、今回のAランクが集まる交流会は見聞を広めると言うよりかはAランク同士少しでも顔見知りになっておく方がいいと言う意味合いが強いみたいだ。


なぜ顔見知りになる必要性があるのか、詳しい事は書いていなかったが想像出来る事で言うとお互いに顔を知っていないと困るからだ。


高ランクになると緊急性の高い依頼をお願いされることがある、もちろん強制力はないので断ることが出来るのだがまともな考え方をする人ならまず普通に受ける事になる。

ソロの場合もあるがパーティを組んでたらパーティで、パーティで足りない場合は他の高ランクも一緒になる事もある。


その時に困るのがお互いに知っているかどうかだ。


よく知っている必要はない、ある程度こういう人何だなって言う所感が無いと一緒に依頼を受けれない。


知っておく必要ある?って思うかもしれないが、いざ依頼へ向かう時に初めて出会うのと事前に少しでもどういう人物か知っているのでは雲泥の差がある。


後は単純に高ランクの人達がお互いに仲が悪いとダンジョン協会が困るのだろう。仲良くしろとまではいわないが気にいらない人がいるのなら関わらないでね?って事だろう。その見極めを交流会って形でとっているのだと思う。


あくまで俺の個人の感想なので実際ダンジョン協会がどういう意図でこの交流会を主催しているのか分からないが、当たらずととも遠からずって感じだといいなぁ。


「まぁ見に行ってみるか」


行って見ない事には分からない。


本音を言えば行きたくないが、ずっとそれだとよくないとは自覚している。

なのでこういう機会にちょっとでもいい方向に持っていきたい。






◇  ◇  ◇  ◇







「ここが会場か」


見上げるのは白亜の宮殿、美しい彫刻に途轍もなく広い土地に建つお城。

ここは【アーデレリア】というAランクのダンジョン。


入ってすぐの場所は宮殿の前にある広場の様な所でそこに石造りの大きな門が立っており入口になっている。

正面には宮殿の入口、右も左も宮殿の建物が繋がっていてその奥には庭園が広がっているらしい。

らしい、というのはネット情報で直接見ていないからだ。


ここへ来たのはAランクの交流会の会場がこの場所だからだ。

普通の何かしらのホールとか会場とか、少なくとも公共の施設かなと思っていたのだがまさかダンジョンに集まるとは。


入口にダンジョン協会の職員を置けるから関係者以外入れないようにするという意味ではAランクのダンジョンはありなのかもしれないな。


「えーっと、会場は………宮殿内のダンスホールか」


ヘルメット内のディスプレイに表示させた案内を見ながらダンジョンを歩く。


【アーデレリア】というダンジョンはフィールド型なのだが特殊ダンジョンとなっている。

今俺がいる広場と宮殿に庭園、それらを含めた土地が安全地帯となっておりダンジョンとしては珍しい拠点型と呼ばれる物だ。


どうやって安全地帯か調べているのか、残念ながら俺には分からないが何かスキルか技術かがあるのだろう。

じゃなければダンジョン協会がそんな発表しないはずだ。



「お待ちしておりました、神薙様ですね。会場はこちらになります」


「はい」


宮殿へと入ってすぐの場所にダンジョン協会の職員なのか、人が立っていた。

どうやら会場まで案内してくれるらしい。


そして当然のことながらこっちの事は分かってたみたいだな。


この人が着ている服ってタキシードって言うんだっけ?所謂執事服。詳しくはないのでよくわからないが宮殿には似合っている服ではあるがダンジョンには合っていない服だな。


そんな執事さんに案内されて宮殿内を歩き、すぐに扉が開いたままの部屋へと案内された。

中を見てみると何もない広いホールになっており恐らくここがダンスホールっていうやつなのだろう。


探索者らしき人が10人ほどいるのがわかる。他にはダンジョン協会の職員なのだろうっていう人達も何人かいて何やら食事を運んでいた。

どうやら立食パーティーでもするみたいだ。


「あ、神薙くん~!久しぶりだね!」


「天野さん、お久しぶりです」


部屋の入口に立っているとこちらに気づいた女性がやってきた、天野リオさん。もちろん覚えている。


「こっちにおいでよ、友達に紹介させて?」


「はい。ありがとうございます」


天野さんはDライバーをやっているからか物怖じしない女性だなぁ。

でも、こうやって話しかけてくれて機会を作ってくれるのはありがたい、出だしで躓くと中々輪に入れそうにないから。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
クラスター爆弾。スキルの産物なら不発弾の心配とかもないだろうから安心か。 主人公の場合、余程の状況じゃないとパーティを組む必要はないけれど 他の面子の為人くらいは把握しておいた方が良いのはそうね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ