プロローグ
もう1つの作品が完結していない中もう1つの作品を描かせて貰いました。
もう1つの作品の方も拝見して貰えれば光栄です。
今日も相も変わらずと言って良い程の日常風景、沢山の人が行き交う交差点、沢山の人が友達や家族と会話を交わし談笑している光景、沢山の人が煙草を吸い仕事仲間やママ友等と会話をしている光景、沢山の人が苦しみ死んでいる光景…その中に俺は居た。
「…誰…か…助けて…お腹が…空いたよ…」
と誰かに助けを乞う子供の声が不意に聞こえてきた、かなり衰弱しているであろうと分かる程の声であった、近い、すぐ近くに居る筈だ、俺は必死になって声の行方を探した、が、見つからない、何処に居るんだ?と声を上げても一向に返事が返ってこない、まずいぞ、もしかしたらもう手遅れなのか?嫌だ必ず死なせる訳にはいかない。
「だ…れ…か」
唐突に聞こえた声で俺はその子供が居るであろう場所が分かった、その場所は俺が立つ眼前にあった勉強机程のサイズの鉄製のダストボックスであった、そして俺はすぐさまダストボックスを開け、子供を見つけた瞬間絶句した、理由は病的に痩せていたからと言うそんな生易しい理由何かじゃなく、何とその子供は…自分の手足を食べていたのだ、俺はそれを見て恐怖し立ち竦んでいた、だがせっかくの助かる命は無駄には出来ないと自分に言い聞かせ、恐怖を殺し、その子供に話し掛けた。
「もう大丈夫だぞ、俺が助けてやる、だからそれ以上自分を傷付けるのは辞めておくれ」
「おじさん…僕を助けてくれるの?…」
「あぁ」
俺は子供を抱き抱え、俺の知り合いの元へと歩みを進める、そしてその最中にその子供を汚物を見る様な眼差しで見ている奴や石を投げようとする者が多数居た、それを止める者やそれを見て見ぬふりをしている親等が居た、そのお陰で人間と言うのは時に残酷無慈悲であり時に紳士な者だと思い知らされた。
そして暫くして知り合いの家に到達し着信音を鳴らす、すると、はーいと今起きたと言わんばかりの声で家から出てきた。
「ん?どした?…ってその子どうした凄い傷じゃないか」
「あぁ俺じゃ手の施し用がないからお前に頼みに来た。」
そんな急にと最初は言っていたもののかなりの重症と気付いたのか、分かったその子を中へ入れてくれと言われ言われるがままにその子供を友人宅へ入れ、非現実的な事を言ってきた。
「今からこの子に治癒魔法を使う、お前も協力してくれ、だがこれを失敗すれば命の保証は無い、良いな?」
「あぁ分かった。」
「あっ後その子を此処へ寝かせて」
俺は丁寧に子供を古臭い大テーブルへ寝かせると。
子供は呆気に取られていた様子だが俺が大丈夫だ心配するなと言うと子供は頷き安堵した様な顔になり俺は少し安心した。
突然友人が俺に古い辞書位の大きさの本を渡してきた。
これは?と言うと友人は魔導書だと極当たり前かの様に言ってのけた。
この世に非現実的な事って実際にあるんだと少し嬉しい気持ちになっただが今そんな気分に浸っている場合では無い。
友人は真剣な眼差しでラテン語は読めるか?と聞いてきた為あぁ読めると言うと友人は安堵したかの様に思えたがすぐさまこの様に指示を仰いできた。
「魔導書の96ページを唱えてくれ。」
俺はその本に書いてある呪文を読むと突如友人が持つ短い枝のような杖から魔法陣が浮かび上がった。
俺は状況に追いつけないまま必死に呪文を唱え続けやがて子供が居る場所にも友人の杖同様の魔法陣が浮かび上がる。
すると子供の傷が徐々に治って行き、俺が呪文を唱え終えると同時に子供は完全治癒していた。
やはり此奴は凄いな、昔から不思議な奴だと思っては居たがその不思議差が更に増した気がした。
俺は友人に礼を述べその子供と一緒に友人宅を後にし、自宅へ帰った。
そしてその12年後
当時6歳だった僕は世話になったおじさんに礼を述べ家を後にしようとしたその去り際におじさんが唐突に話し掛けてきた。
「珠莉箭、お前本当に1人でやっていけるのか?」
「おじさんは心配性だなー、大丈夫だよ僕はちゃんと1人でやっていけるよ、もうおじさんに世話を焼かすのは悪いしね」
「そうか…」
おじさんは寂しそうな口振りだったが、これはおじさんを守る為だから仕方が無い
僕はおじさんだけではなく、宇宙の危機を守る為に召喚士にならなくてはダメなのだ。
最後までお読み頂き誠に感謝致します。