「もう行かなくちゃ。最期にあなたに伝えたいことがあります」
「時代は、変わらなければならない。歴史は、進めなければならない。そのために必要なのは、静かに輝く、透き通った命」
「命は、繋がっている。私の命も、あなたの命も」
「身体がなくなっても、終わりじゃないから。どうかあなたの心は、あなたの命は、正しく生きる人たちのために」
「それじゃ、また会おうね」
1996年9月20日金曜日。文化祭が終わった放課後18時28分。このように一方的に言い残して、彼女…影森暦は飛び降りてしまった。
あれから27年、彼女と会えたことは一度もない。現実はもちろん、夢の中でも。
