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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第25章 片手間にサポートしながら生きていこう

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530.事なかれ主義者は仲裁した

 レヴィさんを元気づけるために共通の話題で盛り上がれそうなギュスタン様に会いに行ったら、元四ヵ国同盟の他の国々にも顔を出す事になった。

 行くか行かないかは僕の自由らしいけど、僕が訪れたかどうかで国の影響力が変わるかもしれないと言われたら面倒でも行くしかなかった。

 クレストラ大陸では薬草を量産する必要がほとんどなくなったし、同じ魔道具ばかり作っていると飽きてくるので気分転換がてら新しい魔道具のヒントを探しに出かけた。

 ラグナクアはクレストラ大陸で二番目に国土が広い国だった事もあり、多種多様な文化が根付いている様だった。

 他種族の文化も積極的に取り入れ、共存共栄しようとしている所はとてもいいと思ったけれど、大国故に地方と都市部の格差が広がっている事が問題となっているらしい。

 転移門が各地に設置されるようになると余計加速するかもしれないなぁ、なんて事を考えつつも他国の事なので首都をぐるりと巡り、いろんな料理の中から選ばれたでっかいステーキを食べてから帰った。

 エクツァーは新興貴族が色々問題を起こしていたからその後始末で忙しいようだった。

 首都でも新興貴族が使っていたであろう屋敷が空き家となっている所がいくつかあった。

 悪事が露見して捕まったり、逃げ出したりしたせいで各領地が荒れているけど、新しい貴族を増やすとまた面倒な事になるかもしれないが、由緒正しき古くからある貴族たちに領地の管理を任せるのもそれはそれで貴族たちの力が増してしまうだろう、という事で王様は頭を悩ませているらしい。

 僕がどうこうできる問題ではないので、軽く食事を済ませると名所と言われた場所を見て帰った。

 サンペリエは特にこれと言って大きな問題はなさそうだった。

 海の近くに首都があったので海水浴を楽しもうと思ったんだけど、魔物がいるからと遊泳禁止だった。

 ガレオールの様に魚人の国が近くにない限りは海は危険な場所らしい。

 魔物が寄り付かなくなるような魔道具がないか考えてみたけど、パッと思い浮かばなかったので大人しく海の幸を堪能して帰った。

 ラオさんやルウさんがいないと食べられる種類が減ってしまうのは仕方のない事だけど、ラオさんたちの状態が安定したと産婆さんに言われたらまた行こう。




 そんな感じで数日を過ごしている間も、明たちは一生懸命ミスリル掘りを頑張っていたらしい。

 ドラン軍の兵士たちに混じって仕事をしているけど、鉱脈を探す魔法は一定の成果を上げているようだ。


「順調に資金を貯める事ができているようです」


 明から届いていた手紙を読み上げた後、そうまとめてくれたのは僕の専属護衛と化しているジュリウスだ。

 元々ユグドラシルの世界樹の番人だったんだけど、色々あって僕の護衛となったエルフだ。

 他の世界樹の番人と違って、普段は仮面をつけていない。公の集まりの時は着けるようにしているようだけど、僕の意見を尊重してつけずに過ごしてくれている。


「結局、魔道具は使わなかったんだねぇ」

「最後まで悩まれていたそうですが、魔道具を借りる際の料金の交渉が上手くいかなかったようです」

「ホムラたちは明たちに厳しいからなぁ。だいぶ吹っ掛けたんかな」

「それもあるでしょうが、物が物ですから、安く貸し出すわけには行かないと判断したのでしょう」

「なるほど……? そこら辺はまあ、ホムラたちに任せればいいか。明たちはどのくらいの資金があれば次の階層に行くと思う?」

「さて、冒険者には素材を売る時に都合がいいからなりましたが、そういう事は私には分かりかねます。ラオ様やルウ様にお聞きしたらいかがでしょうか?」

「それもそうか」

「パメラも冒険者デスよ」


 会話に突然入ってきたのは黒い翼がトレードマークの翼人族のパメラだ。

 小柄な彼女はバサバサと僕の頭上を飛んでいて、その真ん丸の目で僕を見下ろしてくるけど、パメラにお金の事を聞いても当てにならない気がする。

 けど、一応明たちの状況も説明してから聞いてみた。


「そうデスね。とりあえず行ってみてから考えるデス。明たちも『帰還の指輪』を貸し出ししてるデスよね? 無理そうだったら逃げればいいデス」

「なるほど」

「参考になったデスか?」

「うん、ありがと」

「じゃあパメラにも協力してほしいデス! 一緒にエミリーの所に行って欲しいですよ」

「今回は何をしたのさ」

「別に何もしてないデス! でもエミリーが怒ってるデス!」

「それ絶対何をしたか忘れちゃったやつじゃん……ほら、一緒に謝ってあげるからいくよ」

「おやつは死守してほしいデス!」

「善処するけど、パメラが何をしたか次第じゃないかなぁ……」


 ラオさんたちも屋敷にいるはずだし、とりあえず日向ぼっこはやめて屋敷に戻ろう。

 一緒に寝転がっていたドライアドたちを踏んづけてしまわないように気をつけながら日向ぼっこスペースから出ると、パメラが「早く行くデスよ!」と僕の手を引っ張って歩き始めた。

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