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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第25章 片手間にサポートしながら生きていこう

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525.事なかれ主義者は要らないと思う

 屋敷の持ち主であるドーラさんと現在の管理人であるセバスチャンの許可が下りたので陽太が寝泊まりできるように準備を進めてもらっていたけど、冒険から帰ってきた明たちは何やら転移陣の所でもめていた。

 ドランの転移陣を使ってすぐにでも帰りたそうにしているのは金田陽太。前世ではスクールカースト上位の陽キャだった少年だ。

 前世でも金髪だったけど、その色が気に入っているのか今も魔道具を使って髪の色を変えている。

 運動神経抜群で顔も良かったので女子に人気だった彼は、今はお金を出して相手をしてもらう大人向けのお店に嵌ってしまっているらしい。

 以前までは近寄ってくる女性たちに手を出してハニートラップに引っかかってたらしいけど、お店なら後腐れもないだろうし、と明も放置しているんだとか。


「俺は綺麗なお姉さんたちと楽しい一夜を過ごしたいんだよ!」

「だから、夜遊びは自由にすればいいって言ってるじゃないですか」

「朝起きて一人が嫌なんだよ! お前らは良いよな、護衛が異性なんだからよ。俺はこの冴えないおっさんだぞ!」

「おっさん言うな」


 明があんなになってしまったのは、エンジェリア帝国での扱いが原因らしい。

 一度嵌ってしまったら抜け出せないみたいだし、僕も気を付けないと。

 …………手遅れか?

 いや、でも僕から誘った事は今の所ないし……。


「陽太は日頃の行いが悪いからそうなったんでしょ? 悔しかったら改めれば~?」


 茶色の髪をまとめてポニーテールにしているのは茶木姫花だ。彼女もまた、前世でクラスメイトだった。

 彼女もまたそのルックスからクラスの中心的人物で、男子から持て囃されていた。

 彼女もまた、陽太と同じくこっちの世界に来て顔が良い男たちに囲まれて過ごしていたけど、肉体関係にはなっていなかったらしい。

 いろんな男性からちやほやされたいけど、将来の事になると話は別だとの事らしい。どうでもいいけど。

 そんな姫花は陽太を冷めた目で見ながら大柄な男性の腕に抱き着いていた。

 抱き着かれた男性は彼女の護衛兼監視役としてドラゴニアから派遣された兵士だ。名前は確かシールダーさんだ。

 二人の仲は順調に進展している……んだと思う。たぶん。

 シールダーさんは寡黙な人であんまり話をしたところを見た事がないけど、抱き着かれて嫌そうにしていないし……。


「うっせぇ! とにかく、俺は泊まる気ねぇから!」

「そうですか。分かりました。ただ、明日から本格的にダンジョン探索をしますからもし遅れた場合はその分終わりの時間がずれ込むことを覚悟しておいてくださいね」

「え~~~。姫花、嫌なんですけど~?」

「文句なら陽太に言ってください。陽太が遅れず、朝早くから集合場所に到着出来たら何も問題ないんですから」


 明が魔法を解除して陽太を解放すると彼は「朝早くから行けばいいんだろ!」と捨て台詞のような物を吐いて転移陣を使ってドランへ行ってしまった。


「ヨウタにも悪い話じゃないと思うんだけどなぁ。ちょっと明日、こっちに来るまでに説得してみるよ」


 そう言って陽太の後を追った彼の護衛兼監視役であるラックさんがいなくなると、姫花はシールダーを引っ張るようにしながら町の方へと歩いて行く。

 残ったのは明と、彼の護衛であるカレンさんという女性だ。

 明は僕の視線に気づくとこっちにやってきた。


「お見苦しい所を見せましたね、すみません」

「別に気にしてないよ。宿泊の件はなかった事でいい?」

「いえ、たぶん明日も遅刻してくると思いますので手配だけ進めておいていただけると助かります。費用面などの交渉をしたいんですが、ホムラさんに話せばいいですか?」

「そうだね。僕じゃよく分かんないし」

「分かりました。では、魔道具のレンタルと共に話をしておきます」

「分かった。今日の冒険で何か必要になった魔道具はある?」

「いえ、今回はまだミスリルが取れる階層を探索しているだけなので大丈夫です。新しい魔道具をレンタルするためのお金も稼がないといけませんから」

「なるほど?」

「魔物はスケルトン系ばかりで、魔力の温存ができるから罠の確認のために魔法を使う事ができますし、今の所追加の魔道具は必要ないかと」

「そっか。ゲームの地図みたいに鉱脈とか分かる地図は要らんよね」


 金鉱堀ならぬミスリル鉱堀をしている明たちだったらいるかなって思ったけど、あんまり取りすぎると採掘できなくなっちゃうかもしれない。そうなったらあの階層で採掘をさせているラグナさんにも迷惑がかかるだろう。

 話を聞いていて閃いた物だったけど作らずに頭の中に留めておこう。


「………いやいやいや、普通に要りますよ!? っていうか、できるんですか!?」

「思いついたしできると思うよ。そういう鉱脈を探す系の魔法があるんじゃない?」


 知識の神様から【全魔法】の加護を授かっている明なら知っていると思ったけど……どうやら今までは戦闘系ばかり使っていたようだ。

 明も使えるならやっぱりいらないじゃん、って思ったけど、とりあえず保留になった。

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