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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第24章 異大陸を観光しながら生きていこう

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幕間の物語253.賢者は怖いので女遊びをしない

 シグニール大陸の今代の勇者である黒川明は、前世からの友人である茶木姫花と金田陽太と共に、不毛の大地にあるダンジョン『亡者の巣窟』に通っていた。

 到達できた階層までは転移陣の使用が許可されていたので、今日は二十一階層からの冒険だった。

 亡者の巣窟の二十一階層からは霧が立ち込める街の中を探索する事になる。

 出てくる魔物はアンデッド系の魔物であるグールだ。怪力と回復力に加えてある程度の知性を持っているため、連携して襲いかかってくる。一体だけであればそれほどではないが、基本的には複数で現れるためCランクに位置付けられている。

 立ち込めている霧で視界が悪く、霧自体に魔力が含まれているためシズトから借りている魔道具『自動探知地図』は敵を探知しない。

 気づいた時にはすぐ近くまで迫っていることが多い魔物だが、【全魔法】の加護を授かっている明と【聖女】の加護を授かっている姫花の前では瞬殺だった。


「陽太、しっかり集めてよね~」

「だったらもっと近くで倒せよ!!」

「いやよ。臭そうだし」

「臭いを防ぐ魔道具があるだろうが」

「そういう問題じゃないの。っていうか、安全に倒せるならその方がいいでしょ」

「そうですね。万が一のことを考えると今後も効率が悪くても範囲魔法でまとめて倒した方が楽だと思います。魔石集めに関しては……魔石を集める魔道具なんてものがあったら便利なんですけどね。魔法を使えば手っ取り早いんでしょうけど、何が起きるか分かりませんから魔力の無駄遣いをする訳にも行きませんし」


 亡者の巣窟に出てくる魔物はゾンビなどのアンデッド系の魔物ばかりだった。

 近接戦闘を得意としている陽太でも倒せなくはないのだが、アンデッドに対して特攻の魔法を使う事ができる姫花と明がいれば余裕で殲滅できる。

 今回のシズトからの依頼は亡者の巣窟にいる魔物の間引きだった。

 協力する見返りとして一定額の報酬と、自由に狩場として使っていいという許可状を貰う事ができた三人は、ここで一先ず資金集めをする事にした。

 シズトから魔道具をレンタルするにせよ、買い取るにせよ、お金はいくらあっても困る事はないだろう。

 本当だったら陽太は別行動でミスリル掘りでもさせておけばいいのだが、何が起きるか分からないダンジョンだ。下手に別行動して戦力を分散させるよりは一緒に行動した方が良いだろう、と判断した明によって、勇者とも呼ばれている陽太がミスリル掘りをする必要がなくなった。


「はぁ。今日もまた臭くなるんですね……」

「ま、まあその分手当は貰えるんだし頑張ろうな! ダンジョンの外には消臭の魔道具もある事だし!」

「臭いが取れたとしても気持ち的に汚れた気分なんです! ラックはそういう目に遭うのは慣れているでしょうけど、私たちは慣れていないんですよ。シルダー、貴方からも何か言ってやってください」

「いやいやいや、流石に俺も毎日鳥の糞が当たったりうんこを踏んだりしてないから! そうだろ、シルダー!」


 勇者三人組の監視役兼サポート役として同じパーティーに配属されたドラン軍の兵士だったラックとカレンは、同じくドラン軍の兵士だったシルダーに同意を求めたが、彼はただ黙して肩をすくめただけだった。




 二十階層までのダンジョン調査はなかなか進まなかった。

 広大なフィールドタイプだった事に加えて、毒の沼が広がっていたからだ。

 そこをやっと抜けた事に喜んでいた陽太だったが、霧が広がっている街の中を探索するにつれて、だんだんイライラしてきたようだった。


「なあ、もうさっさと次に進もうぜ。地図は魔物が表示されなくても次の階層に続く場所は書かれてんだろ?」

「そうですね。ただ、間引きを頼まれていますから次に進めたとしてもある程度この階層で魔物を狩る必要があります」

「もう十分倒しただろ」

「まだまだですよ」

「それに、腐っていてもCランク相当の魔石なんでしょ? シズトが買い取ってくれるから相場よりも高くなるし、たくさん倒せばその分分前増えるじゃん」

「そうだけどよ。俺もストレス発散したいんだって。ずーっとちまちまちまちま魔石集めなんて飽きるわ! そうだろ、ラック!」

「え? いやぁ、おじさん的には楽できるから別にいいかなぁ。前の階層より魔石はすくないけど、Cランク相当の魔石だし、一人当たりの収入も上がるんじゃない?」

「はい、そうですね。Cランクともなると、一つで金貨一枚は確実でしょう。アンデッド系の魔石なので人気はないため相場よりは低いでしょうけど……」

「だよね。人気のないアンデッドの魔物でもそれだけ貰えるんだよ? おじさんたちが拾っている分は何割かはおじさんたちの臨時収入にしていいって言われてるからね、取りこぼししてくれてとても感謝しているよ」


 ラックはニコニコしながら言うと、陽太の肩をポンポンと叩く。

 それから「宿のランクも挙げられるし、高い女の子複数人と遊ぶ事だって夢じゃないんだよ」と言った。

 その後、陽太はラックと競うように魔石を拾い集めるようになった。

 授かった【勇者】の加護を全力で使って拾い集めた結果、二十階層までの収入を遥かに超える金額を稼ぐ事に成功した。


「男子ってサイテー」

「僕を含めないでください」


 そう言いながら、明はパーティー資金として何割を貯蓄に回すのか考えるのだった。

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