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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第4章 助手と一緒に魔道具を作って生きていく。

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49.事なかれ主義者の情報収集②

毎日のいいね&ブックマーク登録ありがとうございます!

また、高評価とても嬉しいです!

 冒険者ギルドは受付と依頼が貼り出された依頼ボードがあるスペースと、酒場に分けられている。

 普段台車で運ばれる先は受付なので全くここの酒場を利用した事ないけど、今日も一定数の飲んだくれのチンピラみたいな人相の人がいる。

 まあ、人相で言ったら今の僕は人の事言えないんだけど。

 そんな相手にもノエルは気後れした様子もなく話を聞いている。

 情報料として4人分の酒を出すと、その後はお喋りに興じていて僕は黙って腕を組んで聞いているだけ。


「いやー、すごいっすね! まさかDランク冒険者様だとは思わなかったっす!」


 ノエルが酔っ払いたちを持ち上げる発言を先程から繰り返していて、それに気をよくした赤ら顔の男たち。Dランクは中堅ってイメージ。それでも僕のランクより上の人たちだ。

 ノエルの体をじろじろと上から下まで見ている小太りの魔法使いに、豪快に笑っているスキンヘッドの男。ナイフをずっと弄っている危ない奴に、なんでそんな髪型にしたのかモヒカン頭のニヤニヤした奴。

 こんな人たちに話しかけて大丈夫かなぁ、なんて思っていたけれど特に今の所問題は起こっていなかった。


「Dランク冒険者様たちなら何か知ってるかもしれないっすね、ご主人様!」


 え、何いきなり僕に話振ってんの君?

 何も話を聞いてなかったんだけど。

 内心慌てていた僕だったけど、ノエルは「口下手なご主人様なんすよ」なんて言っていて男たちはげらげら笑っている。


「奴隷に良いようにされていいのかよ、お前」と、スキンヘッド。

「生意気な女程そそられますな」と小太りの魔法使い。

 ナイフをひたすら舐めている男……それってなんか味するの?

 モヒカンはひたすらニヤニヤしている。


「内容によるけどよ、それ相応の物は貰えるんだろうな?」

「まだまだ飲み足りないですな」

「もっちろん、とりあえずお酒追加っすね! それで、話の内容次第でつまみもつけるっすよ! ご主人様は口数は少ないっすけど、報酬は気前がいいっすからね。それで、ちょっと仕事の関係で腕の立つ人を探しているんすよ。加護持ちで有名な人ならはずれはないっすけど、最近のドランで有名な加護持ちの冒険者って誰かいないっすか」

「加護持ちの冒険者ねぇ。ギルドマスターは言わずもがなだが、同じパーティーだった『鉄拳』は有名だな。最近は見かけねぇけどよ」

「他にもおりますが、基本的にダンジョン潜っておりますな」

「ヒヒヒッ……素行に問題があるやつらは余ってるけどな」


 ナイフを舐めまわしている人がいう素行に問題がある、ってどのくらいやばいんだろう。

 素行に問題があるから関わるなよ、って釘を刺されつつノエルが情報を聞いていく。そして唐揚げやフライドポテトを注文しつつ、思い出したかのように大事な事を聞いた。


「ああ、そういえば、勇者がこの街に来ているって聞いたんすけど、何か聞いてないっすか?」

「勇者? まあ、勇者なら優秀な加護を持ってるだろうけど聞かねぇな」

「だいたい酒場にいるので間違いないかと」

「黒髪は目立つしな。そういえば黒髪と言えば、鉄を自在に操る奴がいるとか聞いたな。何でも、100以上の魔物を一度に包み込んで殺してしまったんだとか」

「へー、そりゃ凄まじいっすね」

「相手にしたくないものですな。対象の周囲を包囲して一気に串刺しにしたとも聞きましたぞ」


 何それ怖い。

【加工】で足枷を作るとかはするけど、殺すために使う事が出来る人がいるってちょっと気を付けないとな。……まあ、囲まれてから攻撃されるのなら帰還の指輪で逃げればいいんだけどさ。


「全方位囲まれたら対応が面倒そうっすねー。それで、その人は今どこに?」

「最近は見ねぇけどよ……あ、丁度来たな。あの長い髪のねーちゃんによく運ばれてくるぜ。あいつに聞けば……って、なんかこっちに来たな」


 ちょっと鉄使いの人の事で頭がいっぱいになっていたら、ホムラがこっちにまっすぐ向かってきていた。

 ノエルがいるから気になってきたのかな?

 ノエルはだいぶ逃げ腰だ。ホムラ、ノエルに何してるんだろう?

 そんな疑問を持ちつつ、のんびりしていたらすぐ近くまで来ていたホムラが口を開いた。


「マスター、こんな所で何をされているんですか?」


 ……なんで僕って分かったの?

 魔法生物って看破を物ともしないこの魔道具の効果ないの!?




「なるほど、マスターたちも情報収集をされていたのですね」

「そういう事。まあ、結果は僕の話がめちゃくちゃ誇張されている、って事が分かっただけなんだけどねー」


 屋敷に戻って寝室でゴロゴロと過ごす。夕ご飯を食べて、今は各々がのんびりと過ごす時間だ。

 ホムラは夕方の浮遊台車の納品に来ていたらしい。

 そこで僕を見つけて、気になって声をかけたんだとか。

 僕がどうして僕だと分かったのか、聞いてみたら「マスターの魔力は見間違えません」との事だった。

 魔力それぞれに特徴があるらしい。

 それで敵味方の識別をする魔道具も昔はあったんだとか。うん、今でも作れそうですね。


「情報収集飽きたし、楽な方法なんか考えないとなぁ」

「それなら、飴を与えて情報を集めてはいかがでしょう、マスター」


 ホムラから提案された話を聞いてみて、やってみるのも面白そうだ、とか考えていたらいつのまにか寝ていた。

 ちょっと本気でホムラの睡眠強要を何とかしないといけない気がしてきた。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

お腹が痛くならない魔道具が欲しいです。

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