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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第20章 魔国を観光しながら生きていこう

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413.事なかれ主義者は温かい目で見守る

たくさんの高評価&いいね&ブクマ登録ありがとうございます。

 ドラゴンのお肉は大変美味でした。

 出されたお肉はとても高いものだったらしいけど、それでもドラゴンの中ではランクが低いらしい。

 まあ、ランクが低いと言っても、空を飛ばない地龍種だから脅威度が飛ぶ龍よりも低いってだけだけど。

 分厚いステーキはしっかりと焼かれていたのにとても柔らかかった。

 前世の旨味のように、魔力を内包していたら美味しく感じる成分が入っているのか分からないけど、お肉自体の味もしっかりしていて美味しかった。

 あれもこれもと頼みたかったけど、ラオさんたちとはテーブルが違ったので、自分の分しか食べる事ができなかったのは残念だ。

 ……また今度ラオさんたちを連れて来て食べればいいか。

 食後のデザートを待っている間に、レヴィさんとラピスさんの話はこれまでの生活に関する会話からラピスさんの研究の話になっていた。


「邪神の信奉者が文献に出てくるようになったのは、千年くらい前からなんです。ドタウィッチにシグニール大陸の文献が多いというのもあるかもしれませんが、一番古い文献として邪神の信奉者が出てくるのはシグニール大陸のものなんですよ」

「そうなんですわね……それじゃあ、それまでは呪いはなかったのですわ?」

「いえ、少なからずあったようですよ。ただ、無差別に人々を襲い始める邪神の信奉者が出てきて、似たような力を持っている事で呪いに関する加護を持つ者は迫害を受けた、という記録も残っています」

「だいぶ前の記録なのにしっかり残ってる物なんだね」


 前世の日本で千年位前と言えば平安時代くらいだけど、こっちの世界だと文明レベルは変わってないのかな。

 それとも原始時代とかそのくらいになるのかな……?


「このドタウィッチ王国が建国された当初からずっと本の収集と共に大陸で起こった事の記録を取っていますから。他の大陸にも同じような機関が存在して、この国と同様に知識の神から神託を受けて記録をしているようですけど、どのような記録だとしても、昔の本に関しては取り寄せる事ができないので情報が不足しているだけかもしれません。ただ、今集まっている情報から考えて、邪神の信奉者が最初に出現したのはシグニール大陸だろう、と思っています」

「どこの国に多いとかはあるんですか?」

「争い事が絶えない国にはよく出るようです。今の時代だと東側の小国家群やアクスファース、それからエンジェリアですね。最近だとシズト様が遭遇したとお聞きしておりますが?」


 あー、ユグドラシルの所にいたやつか。

 あの時はホムラがどうしようもないと判断してクーを起動して空間魔法で倒したんだっけ。


「また詳しいお話をお聞かせいただければと思います」

「んー、僕はぶっちゃけほんのちょっと姿を見ただけだから……」

「姿を見ても特に体調の変化はなかったんですか?」

「特にないと思うけど……」

「そうですか。それは良かったです。中には、見た者を呪う力を持っている者もいるようですので、お気を付けください」


 気を付けてって言われても、魔道具でお守り作るしかできる事ないんすけどね。それも完璧に防ぐわけじゃないみたいだし。一応みんなには身に着けてもらうようにしてるけど。


「対応はあっちに座ってるラオさんやホムラ、クーがしてくれたからそっちに聞いた方が良いかも」

「そうですか。ではまた頼んでみる事にします」


 クーは僕がお願いしないと話してくれなさそうだし、お願いしておかないとな。

 なんて、思いながらクーたちを見ていると、デザートがやってきた。

 デザートは何かドラゴンに関係する物なのかな、と思っていたけど、普通のデザートだった。

 ……まあ、ドラゴンって言ったら肉しか思いつかないし、そういう物か。




 食事を終えたラピスさんは善は急げと言った感じでラオさんたちに話をして、明日また会う事になったようだ。

 ただ、案の定クーは「めんどくさーい」と断ってしまったので、僕からもお願いした。

 レヴィさんの呪いの後遺症みたいなものに関して何か解決策が見つかるかもしれないし、今後出た時の対処法を考える事にも役立つかもしれないから。

 話す場所は特に希望がないという事で、僕たちの家の応接室で、という事になった。

 最初は迷惑だろうからと断っていたラピスさんだったけど、ラピスさんがドライアドに興味を示していた事を思い出して「ドライアドとも話せますよ?」と僕が言ったのが決め手だったようだ。いつも家の周りにいるから珍しい感じはしないけど、普通は一生に一度見る事ができたらいい方とまで言われた珍しい種族らしいからね、あの子たち。


「すみません。今日中に明日の予定を調整しておきたいのでそろそろお暇させていただきます」

「それじゃあ、また明日待ってるのですわ」


 レヴィさんが別れの挨拶をすると、ラピスさんは照れくさそうに笑いながら杖を振ってその場から消えた。

 まだお互いギクシャクしている感じはあったけど、それもこれから関わっていくうちになくなっていくと思うし、気長に見守っていこう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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