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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第3章 居候して生きていこう

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36.事なかれ主義者とボクっ娘

ブックマーク登録といいね、ありがとうございます。

 ノエルと一緒にお風呂に入ろうとしたんだけど、ホムラに止められた。


「ノエルをお風呂に入れている間に契約を更新した方がいいと思います、マスター」

「契約更新ってどうやんの?」

「奴隷商に頼めばいい。呼んである」


 もうそろそろ来るという事だったので、僕とドーラさんとホムラでその人のお相手をする事となった。

 やってきた奴隷商人は老執事のような見た目の人だった。

 もっと悪人顔の人を思い浮かべていたけど、全然奴隷売買している人に見えない。

 今は僕とドーラさんが1階の応接間っぽい所で応対している。

 ホムラは僕の後ろに静かに控え、ラオさんはノエルと一緒にお風呂場に行ってしまった。

 万が一のために監視をするらしい。


「お初にお目にかかります。ドラゴニア王国公認奴隷商のブライアンと申します。この度は奴隷契約の更新だけでよろしかったでしょうか」

「そう。主を私からシズトに変えてほしい」

「かしこまりました。書類をご確認いただき、間違いがなければ契約を」


 ドーラさんが渡された紙を一通り読み、問題がなかったようでサラサラとサインをした。

 その紙を僕に渡してきたので、一応読む。

 ざっくりと読んだ感じ、僕に害がある行動を抑える事と、解放条件として借金を返済する事が書いてあった。

 ただ、奴隷解放後も元主人だった者への不利益になる行動は魔法で制限されるらしい。

 魔法なんでもありだね。守秘義務を強制できるなんて。

 僕も特に問題なかったのでサインをしてブライアンさんに渡す。


「確かに。それでは、奴隷契約を結び直させていただきます」

「ノエルいないけどできるの?」

「主人を変えるだけだから」

「そういうものなんだ」


 ブライアンさんの作業を見守りながらドーラさんに気になった事を質問する。

 契約自体はすんなり終わってしまった。

 ブライアンさんは去り際「ハウスキーパー等はいかがでしょう?」と営業をしてきたが、ホムラが追い出していた。


「もう終わったんか」

「早いっすねー」


 ホムラが部屋から出て行ってしばらくしてからラオさんとノエルが戻ってきた。

 ノエルだけではなく、ラオさんもお風呂に入ったのかな。髪がちょっと濡れていて、頬が赤くなっていた。

 ノエルは髪を丹念に洗ったのか、くすんでいた髪は金色に輝いてゆるく波打っている。きちんと拭いてないのか、濡れてもいた。

 服も仮で僕の着替えを着てもらったけど……胸、膨らんでない?


「ノエルって、女の子?」

「そうっすよ?」

「え、だって自分の事、僕って」

「あー、あれは何と言いますか。家を出てからよく絡まれて面倒だったんで、ボクっていうようにしてるんすよ。あと、気づいてないようなんで言っとくと、ハーフっす」


 そう言って髪の毛を耳にかけると、耳が長かった。とんがっている。これ、アニメとかで見た事ある!


「なんで、魔法も精霊魔法っす」

「え、3人は気づいてたの?」

「はい、マスター。気づいていないようでしたので、一緒にお風呂を入ろうとしていたのを止めさせていただきました」


 グッジョブなようなそうでもないような。ラッキースケベは知らない間に潰されてましたね。


「望まれるんだったら一緒に入るっすよ?」

「お風呂をご一緒するのは魔法生物である私の役目です」

「違うからね?」

「え、ホムラ様って魔法生物なんすか!?」


 なんかホムラの周りでノエルがきゃいきゃい騒ぎ出した。

 魔法生物の本とかあったけど、まあ珍しい方に入るんかな。


「お風呂もなんかすごかったっすし、ほんとにすごいっすね、シズト様!」

「そうです、マスターはすごいのです」

「作ってるところ見てみたいっす!」

「見せるほどすごい物じゃないんだけどなぁ」


 そう言いつつも悪い気はしないのでホムラを見るとすでにアイテムバッグから木の端材を出してくれていた。

 それをありがたく受け取って、サクッと【加工】と【付与】をして浮遊台車を作る。

 どうかな、とノエルを見ると固まっていた。

 ドーラさんがぽつりと呟いた声は、部屋が静かだったからよく聞こえた。


「シズトは加護持ち。参考にならない」




 しばらくして気を取り直したノエルは興味深く浮遊台車を観察していた。

 前髪を分け、露になったひび割れが入った丸眼鏡を通して、緑色の瞳をキラキラと輝かせている。


「どうやってあんな細かな魔法陣を書いてるのかと思ったら【加護】の力だったんすね」

「普通はどうやるの?」

「専用のペンとインクとかを使うんすよ。まあ、それで作れる魔道具なんてたかが知れてるっすけどね。あくまですでにあるダンジョン産の魔道具や古代文明の遺産の劣化版しか作れないっす。そもそもその劣化版を作るにしても魔法陣を読み解く必要があるっすけどね。魔石への魔法の付与はある程度できなくはないっすけど、これに関しては魔法の知識が物を言うっすね」

「へー、そうなんだ」


 よくわかんないけど、【付与】は違う2種類を組み合わせて魔道具を作っていた感じみたい。

 知らなくてもできてたからいいけど、そういう事は教えてほしいんだけどな。


「他にはどんな魔道具があるんすか?もっともっと見てみたいっす!」


 うん、わかったからそんな顔を近づけないでね?

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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