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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第15章 三本の世界樹を世話しながら生きていこう

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273.事なかれ主義者は本当に腰が心配

評価&いいね&ブクマ登録ありがとうございます。

 幼女たちと一緒に独楽を回して遊び続けた。手で回すだけだから楽ちんだ。

 なんかアンジェラとパメラは独楽に魔力を纏わせて戦わせている。本物の火花が散る戦いで見応えはあるけど、弾かれた独楽が勢いよく近くを飛んでいってからは観戦するのは止めて、手を繋いでいるレモンちゃんとリーヴィアの三人で遊んでいた。

 最初はチラチラと僕の顔色を窺っていたリーヴィアだったが、だいぶ慣れたのか今はジッと独楽を見ている。

 ドフリックさんは近くで酒を飲んで暢気に歌っているし、ジューンさんはドフリックさんのためにおつまみを用意していた。

 あの場面だけ見ると、僕よりよっぽど夫婦に見える。

 ジューンさんが僕の視線に気づいて手を振ってきたので、振り返しておく。

 リーヴィアとレモンちゃんが回した独楽が戦っている様子に視線を戻すと、足音が近づいてきた。近くで日向ぼっこしていたドライアドたちだった。


「人間さん、今日はお昼寝しないの?」

「ぽかぽかだよー」

「いい天気!」

「あー……じゃあちょっとしようかな」


 独楽遊びにも飽きてきたし、魔力もほとんどすっからかんだ。

 誘ってきたドライアドたちはまた離れて行って仲間を呼んで戻ってきた。


「人間さん、今日はどこで寝る?」

「んー、そうだねぇ。ここら辺でしようかな」


 ジューンさんにいい感じの大きな絨毯をアイテムバッグから取り出して、敷いてもらった。

 靴を脱いでその上に乗り寝転がると、ドライアドたちもわらわらと集まってきた。

 上に乗っかられるのも慣れてしまったけど、絵面的にこれどうなんだろう。……保育園の先生気分になっておけばいいか。

 目を瞑ってのんびりしていると、アンジェラたちが遊びを止めて近づいてくる気配を感じる。


「わたしもシズトさまとねるー。リーヴィアちゃんもいっしょにねよ?」

「わ、わかったわ」


 お? はっきりとリーヴィアが答えたぞ?

 いい感じに関係を構築出来ているようだ。……僕じゃなくて、アンジェラが。

 何だろうなぁ、警戒されてるのかなぁ。

 でもまあ、このままアンジェラに慣れて仲良くなるようだったら、別館に住んでもらえばいいか。

 別にリーヴィアを生贄に捧げてきたエルフたちには何をしろとは言われてないし、どう扱おうが僕の自由でしょ。

 ああ、でも神罰が続くと今後も似たような貢物を渡される可能性もあるのか?

 そういう事を強行したのは一部のエルフだけらしいけど、少なからず貢物を渡そうとしていたエルフは多いみたいだし、本当に神罰じゃなかったのか確認しておいた方が良いよなぁ。

 んー、と目を瞑って考えていると、ヒンヤリしていたドライアドがヒョイッとどかされて、何やら温かい物がくっついてきた。


「ほら、リーヴィアちゃんもそっちはやく!」

「え……でも……」

「ドライアドちゃんたちはえいってどかせばだいじょうぶだよ」

「リーヴィアが行かないならパメラが行くデス!」

「わ~~~」

「たすけてー」

「ねむい~~」


 ドライアドの悲鳴と共に、左側に密集していたヒンヤリとした感触がなくなって、温かい何かがくっついてきた。

 ふわふわの何かがお腹や胸に当てられている。


「パメラちゃん、そこはリーヴィアちゃんのとこだよ!」

「早い者勝ちデス!」

「も~! ……あ、リーヴィアちゃん、ここならあいてるよ!」


 と、ポンポンと僕のお腹が小さな手に叩かれた。

 ……え、上に乗るって事っすか?


「ドライアドちゃんたちはぁ、私がどかしますからぁ、ゆっくりやすんでくださぁい」

「そ、そんな事できるわけ……」

「大丈夫ですよぉ。シズトくんは見ての通り寝てますからぁ。寝付きがきがとってもよくてぇ、何されても起きないんですよぉ?」


 狸寝入りっすけどね。

 これは寝たままの方がよさそうだ。

 目を瞑ってしばらく待っていると、近づいてくる足音が聞こえた。

 それから、ドライアドたちが持ち上げられて僕の上から離れていく。


「……ほ、本当に大丈夫?」

「だいじょうぶだよ。シズトさま、やさしいもん! あぶないことをしなければおこらないんだよ?」

「パメラが窓とか花瓶を割っても怒らないデス!」

「それはおこられたほうがいいとおもう」


 うん、まあ、そうなんだけどね。

 こってりとモニカやエミリーに絞られた後のパメラに追い打ちをかけるのはちょっと……。

 何とも言えない気持ちになっている間に、リーヴィアは決心がついたのか、さらに近づいてきた。

 靴を脱いでから絨毯に上がるようにと言われ、靴を脱いだ彼女はそっと僕の上に乗ってきた。

 軽くて小さな温もりを感じつつ、僕たちは夕ご飯になる間で、ドライアドたちと一緒に日向ぼっこをした。

 眠り辛いかなぁ、って思っていたけど、気づけば夕方頃にジューンさんに起こされるまで起きなかった。

 アンジェラは別館に、パメラは本館に戻っていった。

 残された僕はレモンちゃんと別れを告げて、ジューンさんとリーヴィアの三人で祠の前に来ていた。

 夜ご飯の前に、念のための確認として、神様に神罰を行っているのか聞くのが目的だ。

 神力を溜めている状態らしいから応えてくれないかもしれないけど、祠の前で膝をつき、両手を合わせて目を瞑った。

 すると、何かお尋ねする前に、強烈な衝撃が僕の背中を襲った。

 ファマ様……そろそろ普通に話しかけて欲しいです……。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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