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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第15章 三本の世界樹を世話しながら生きていこう

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266.事なかれ主義者はあまり好きではなかった

 王侯貴族同士の手紙のやり取りでは当たり前の時候の挨拶などはちょっと省略して、硬すぎない文章で書いた手紙を書き終えたらパメラとアンジェラの三人で外で遊んだ。二人ともボウリングのスプリットの練習に熱中していたけど、結局上手くできなかった。

 ボウリングに疲れたらドライアドたちと日向ぼっこをしてのんびりと過ごしていたせいか、夕食の時間になっても魔力が有り余っていた。

 新しいお風呂を作るのもありかなぁ。

 なんて事を考えながら、エミリーとジューンさんが作ってくれたホワイトシチューを食べていると、壁際に控えていたジュリウスが近づいてきたので、跪かないように手で彼を止め、話すように促す。


「都市国家トネリコにいるジュリーニから、いつ頃シズト様がお越しになるのかという質問がありましたが、いかが致しますか?」

「んー……優先度の高そうな事は全部終わったし、明日にでも行こうかな」

「かしこまりました。そのようにジュリーニに伝えておきます」


 ジュリウスが壁際に戻って気配を消す。

 僕はのんびりと食べつつ、ホムラとユキが口元をホワイトシチューで汚していたのでその都度拭う。

 食事の途中でラオさんたちが食堂に戻ってきた。二人とも髪が濡れていて袖のない肌着に下着姿だった。


「ちょっと二人とも、その恰好で夕食食べるの?」

「いや、食事はイザベラと済ませてきた」

「ベラちゃんに、婚約した事を伝えたら一緒に喜んでくれたの~」

「良い友人なのですわ~」


 レヴィさんが我が事のように喜んでニコニコしている。

 ルウさんだけじゃなくてラオさんも満更ではなさそうな様子だ。


「ごちそうさまっす~~」

「ちょっとノエル、走らないで!」

「走ってないっす、早歩きっす!!」


 ラオさんたちと入れ替わりでノエルが席を立って部屋から出て行った。確かに本人が言う通り走ってはいないけど、あの速さは走っているのと同じじゃないだろうか。

 レヴィさんと喜びを分かち合ったラオさんたちは食卓に加わって、のんびりと魔力マシマシ飴を舐めていた。

 座ると薄着なだけのように見えるからまあいいか、と諦めて僕もさっさと食べようとパンでホワイトシチューを拭って食べた。

 行儀とかは特に何も言われないからこんな事してるけど、家の外ではしないように気を付けよう。




 食事を終えると今日のお世話係であるユキと一緒にお風呂に入る。

 ユキは湯浴み着ではなく以前来ていた競泳水着のような形状の白いスケスケ水着を着ていた。

 下半身の大事な部分を覆っているV字に肩まで続いていて、胸もしっかり隠している。ただそれ以外は透けていて健康的な褐色肌も良く見えるし、ホムラよりも大きな胸の谷間も横乳も下乳も全部見える。

 前を歩かれると後ろ部分は布面積が少なく、柔らかそうなお尻がプリプリ揺れていて目のやり場に困る。

 風呂椅子に座って髪と背中を洗ってもらう。

 鏡に映るユキの体についつい視線が行っちゃうから目を瞑った。

 髪を洗っている間は泡が口の中に入ると嫌だから黙ってお風呂について考える。

 電気風呂も水風呂も打たせ湯も作ったし泡風呂も作った。

 あとどんなお風呂があったっけ?

 薬草風呂はとりあえずエリクサーを混ぜておけばなんかいい感じになりそうな気がするけど……。

 ボコボコ下の方から泡が出るタイプのアレもありかなぁ。

 ……うん、今日はそれにしよう。

 岩盤浴もありだけど……近所の銭湯になかったから名前しか知らないんだよなぁ。

 風呂好きな勇者たちがそういうの残してそうだし、今度調べてみようかな。ニホン連合とかいう国の集まりのどこかにあるかもしれない。


「お湯をかけるわよ、ご主人様」

「どうぞー」


 魔道具化したシャワーから出るお湯で髪の毛についた泡を洗い流した後も、目を瞑り続ける。

 背中を泡が付いたタオルでごしごしと擦られ始めたところで、ユキに聞きたかった事を尋ねる。


「ねぇ、ユキ」

「何かしら、ご主人様?」

「ホムラは特に問題はないって言ってるけど、ユキが店番してたドランのお店は大丈夫そう?」

「そうね、何も問題はないわ、ご主人様。以前までは貴族の子どもが時々きては問題を起こしていた時もあったけれど、ドラン兵が配置されるようになってからはそういう事もなくなったわね」

「トラブルがあったらすぐに言ってくれればよかったのに……」

「報告は不要だと感じる程度の些細な内容だったのよ、ご主人様。些細な事でも報告した方が良いかしら?」

「んー、そうだね。何がきっかけでドラゴニアの人と関係が悪くなるか分からないし、揉め事が起きたら教えて欲しいな」

「分かったわ、ご主人様。……揉め事というのは、どこからが揉め事なのかしら?」

「どこから? えー……どこからだろう? お客さんが怒ってたら?」

「その場合だと結構な頻度になるわよ、ご主人様。魔力マシマシ飴を求めて情報を売りに来た客がよく駄々を捏ねるから。後は最近だと魔石の買取やダンジョン産の魔道具の買取もしているけれど、価格交渉が上手くいかなくて怒る客もいるわね」

「あー……なるほど。どうしようかなぁ」


 悩んでいる間に体を背中を洗い終わったようなので、離れたところで別の所を見ていてもらいながらアイテムバッグから浴槽の材料を出しておいてもらう。

 手際よく手足と大事な所を洗い、泡を流し終えて腰に再びタオルを巻いて立ち上がる。

 ユキが木材を出しておいてくれたので、【加工】でサクッと檜風呂ならぬ世界樹風呂を作っておく。


「先程の話なんだけれど、重大な問題に発展しそうな物だけ報告するっていうのはどうかしら、ご主人様?」

「んー、それもありだけど、お客さんがどういう物を求めているのかの指標になるから、些細な文句も知りたいかも」

「そう……そういう事なら、さっきの案に加えて、客の要望をまとめた物を提出するというのはどうかしら、ご主人様」

「……まあ、それならアリ、かな?」


 話し合った事は後でホムラたちに伝達するとユキが申し出てくれた。

 ご意見箱の設置も含めて検討して、今後の便利な道具作りの参考にさせてもらおう。

 ただ、今はとりあえず目の前のジェットバス? を完成させる事だ。

 イメージを具体的にしていくと、無事に風魔法の応用でできそうだったので【付与】でサクッと作った。

 ただ、入ってみたけどやっぱりあんまり好みじゃないからそんなに利用する事はないかもしれない。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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