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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第12章 ドワーフの国を観光しながら生きていこう

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198.事なかれ主義者は手伝う事がない

高評価&いいねありがとうございます。

 穴倉の中を見て回る頃には夕暮れ時になった、らしい。

 発光苔の光に変化がないので実感が湧かない。

 ただ、洞窟の中に鳴り響く鐘の音で時間を把握しているんだとか。

 クーにご飯を食べさせたし、見る所もなくなったので、お暇するために階段を上る。ひたすら上る。

 どれだけ深い所に住処作ってるんだ、と思いつつ仕方がないので黙々と上る。

 クーを宿に置いていこうかと思ったけど、馬車の方が快適だったらしい。

 だからクーを背負って移動している。軽いからまだマシだけど、疲れる。


「やっと外に出た……」

「シズトくん、お疲れ様」

「明日筋肉痛な気がする」


 雪遊びはまた後日かなぁ。

 いや、でも明日にはここを出発してしまうらしいので、やっぱりまた明日も来るしかないか。エルフたちの服の事もあるし。

 馬のための魔道具も作ろうかな、と考えたけど不要らしい。見た目が普通の馬だけど、あれでも魔物の血を引いているから寒さにも暑さにも強いんだとか。

 ただ、魔物の血がだいぶ薄まっているとはいえ混じっているので、気性が荒いらしい。馬を近くで見たいと思ったけど、危ないからとジュリウスさんに止められた。

 倉庫のような建物の中に置かれていた馬車にクーを運び込む。


「ほんとにここで寝泊まりするの?」

「そんなに心配しなくてもあーしは大丈夫だよ。また明日ね、お兄ちゃん」


 僕たちが帰った後、転移陣を隠すためにベッドを置くらしい。

 クーは早く眠りたいかもしれないので、さっさと転移陣でファマリーに戻った。

 遠くでレヴィさんとジューンさん、ドーラさんが土地を耕しているのが見える。

 その後ろを、たくさんの小さな子どものような見た目のドライアドたちが追いかけていた。


「……アレって、遊んでるのかな」

「いえ、おそらく種まきをしているのでしょう」

「なるほど……自動で種まく機械とかあったら便利かな。……今日は残りの魔力全部コート作りで使うから、また今度かな」


 レヴィさんを先頭に一生懸命魔道具を使って耕しているので、邪魔しては悪いと思い、転移陣を使って屋敷に戻る。

 そろそろ新しい屋敷への引っ越しをするという事で、奴隷たちは皆荷造りをしていた。

 アイテムバッグに入りきらない大きな家具は各自で運んでもらう事になってるけど、何かしら楽ができる魔道具を作るべきかな。浮遊台車で問題ないか?


「荷物を運ぶための魔道具ってあった方が良いと思う?」

「身体強化を使えば、この程度楽に運べるから問題ねぇだろ。それにドーラもいるしな」

「ああ、ドーラさん力持ちだもんね」


 ドーラさんは加護のおかげでこの屋敷の中で一番の力持ちだ。

 小さくて細身なのでそんな風には思えないけど。

 問題は彼女よりも大きな家具を一人で運ぶのは危なそうな事だけど……。


「大きな物に関しましては、ジューンが精霊魔法でどうにでもするでしょう。生活に関する事だけで見れば、精霊魔法は私よりも彼女の方が上手です」

「なるほど、魔法があるからどうにでもなるか」

「だからシズトは何もしなくてもいいんだよ」

「なるほど」


 じゃあエルフたちの防寒具作りに専念しよっと。

 ラオさんとルウさんは普段着に着替えるために部屋に戻っていった。

 僕は今日の世話係のジュリウスさんを連れて自室に戻る。

 エルフたちの体の大きさはジュリウスさんが知っているので、ドワーフの町で丁度良さげなコートは既に買ってもらっていた。

 それを取り出して、とりあえず僕が使っているコートと同じ魔法を【付与】する。


「付き添い……じゃないや。護衛の人ってどんなコートがあったら便利かな」

「そうですね。魔物を至近距離で仕留めてしまった場合は、血で汚れてしまう事もあるでしょう。街に着けば今回みたいに偉い立場の者が出迎えるために、外に出てくる事が多いでしょう。出迎えをしてくれた方々は理解する人が殆どでしょうが、見栄え的に汚れがない方が良いかと」

「なるほど。じゃあ洗浄機能でもつけよっか」


 話を聞いていたら思いついたから、生活魔法みたいな物がこの世界にもあるんだろう。

 思いついた魔法を重ねて【付与】しておく。おまけに『消臭』も【付与】しておこう。

 ちょっと残りの魔力の関係で、すべてのコートに洗浄機能と消臭機能をつける事はできなかったけど、僕のとは少し異なり魔石で効果が発揮するようにしておいた。

 快適さのために魔力を使い果たしてしまったらだめらしいから。まあ、護衛だもんね。

 もうだいぶ慣れてしまっただるさを感じつつ、夜ご飯の準備が整うまでベッドの上でゴロゴロした。

 僕も荷造りをしないといけないなぁ、と思いつつやる事はほとんどない。

 正直持っていきたい家具とかないし。

 このふかふかのベッドは寝心地が良くて最高だけど、こんなに大きくなくていいし。

 飾ってある誰が描いた絵か分からない物も、正直、芸術的感性に乏しい僕には宝の持ち腐れだ。

 細々とした物はアイテムバッグの中に入れてしまえば問題ないし、作業台の上が散らかっているので片付けるくらいかなぁ。

 なんて思っていたら、僕の視線に気づいたのかジュリウスさんがササッと片付けてしまった。

 うん、後は引っ越すだけですね。

 新しい家はどんな感じかなぁ。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 体力無いなぁ これはもう、筋トレするしか無いね(//∇//)筋トレ
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