174.事なかれ主義者は気がつかなかった
高評価&いいね&ブクマ登録ありがとうございます。
神様に聞きたい事があるとお祈りしたら、謎の空間に連れて来られた件について。
いえ、自分からお願いしたんですけどね。
真っ白な空間が広がっている中で、神様たちと相対している。
神様の一人……一柱? のファマ様がボーっとした顔のまま首を傾げる。
「そ、それで何の用なんだな?」
「ちょっと色々聞きたい事がありまして」
「シズト、頑張ってて偉いから、バンバン答えるよ!」
「知ってる事だけだよ……?」
トテテテと近づいてきて僕の体をバシバシ叩くプロス様。
ニコニコ笑顔で怒っている訳じゃなさそうだ。
エント様は困ったような笑みを浮かべて首を傾げている。
「んっと……どこから話せばいいのかな。最近の出来事とか?」
「いつもシズトくん、お祈りする時に教えてくれるから知ってるよ……?」
「あとねー、暇な時はプロスたち、ジーッて見てるからだいたい知ってるよ!」
「……いつも見られてるんすか?」
「神の力でエイッてすると見れるんだよ!」
「え、縁のある人間の周囲を見る時は、力の消耗を抑えられるから暇つぶしになるんだなー」
「シズトくん、教会、楽しみにしてるね……?」
なんかしれっとハードル上がってません、エント様?
っていうか、いつも見られてるってなんか恥ずかしいんですけど……。
「よ、夜は見ないようにしているんだな」
「あとお風呂も見てないよー」
配慮頂き有難いと思えばいいんですかね。
何とも言えない気持ちだったが、話のついでだしちょっと詳しく聞いてみよう。
「神の力ってどんな事ができるんですか?」
「い、いろいろできるんだな。下界の様子を見たり、加護を与えたりをする事が多いんだな」
「私たちと関係がない所を見ようとしたり、知らない人に加護をあげるのにはとても力が必要なんだよ……?」
「シズトみたいに、直接会った人は消費が少なくて楽ちんなんだー」
「縁があれば干渉しやすいって感じ?」
「そーだよー」
「だから子孫が加護を授かりやすい感じ?」
「そ、そうなんだな。ほ、他の地域にも広めるために、どこかのタイミングで無関係の何かに加護を与えるけど、オイラたちにはまだまだ先の事なんだな」
「なるほど……。じゃあ僕に子どもができたら?」
「気になった子には加護をあげちゃうー。お得だもん!」
僕の子どもはセール品かなんかっすか。
まあ、神様の感覚としてはそうなのかもしんないけど。
「じゃあ、もし僕とエルフの間で子どもができたらファマ様の加護を授かる事もありえる?」
「そ、それはしないんだなー。え、エルフには興味がないんだな。お、お姫様がいつも頑張ってくれてるから、お姫様との子どもにあげようかなって思うんだな」
おっと……これはエルフに伝えるべき情報なんだろうか。
「エルフも変わろうと頑張ってるけど、今後ずっと加護は授けない感じです?」
「少なくとも、シズトが生きてる間は興味がわかないんだな。縁があるからどうしようもなくなった時は与えるかもしれないんだな。でも、しばらくの間はあげるつもりはないんだな」
あー……エルフおつ。
ジュリウスさんが選んだ人たち、そこら辺伝えた方が良いよねきっと。
ジュリウスさんにも伝えて、それなら婚約者はいいですーってなるかもしれないし。
あ、でも、僕が生きている間は、って部分は伝えないようにしとこ。変な事考えられても困るし。ざっくり百年ぐらいとかそんな感じで伝えればいいかな……?
んー、と考え込んでいると、プロス様が僕の手を引っ張ってくる。
「ねーねー、シズトの用件、終わった?」
「え? あー、うん。まあ、だいたい終わったかな? たぶん」
「また何かあったらいつでも呼んでね……?」
「い、今の所一人しかいないから管理が楽なんだなー」
だからすぐに応じてくれたのか。なるほど。
……私生活をお得に見れるのも僕一人だからよく見られてるのでは?
パンパンとお尻を叩かれるから視線を下げると、何か言いたげなプロス様が僕を見上げていた。
「用件終わったなら、いいよね? 何か気づかない?」
「何かって?」
「ほら、見てて気づくでしょー。ジーッて見て!」
「………?」
「お、オイラたちを見ても気づかないんだな?」
「あ、あんまり変わってないから気づかないんじゃないかな……?」
「変わった……?」
え、どこが?
ジロジロと三柱を見てみるけど、全然分かんない。
髪型……は変わってないよね?
っていうか、神様って髪の毛伸びるの?
「大きくなってるでしょ!」
「え、そう?」
「な、なってるんだなー!」
「ほんとに?」
「ちょっとだけ、ね……?」
「それだと僕、分かんなくても仕方なくね?」
「像、作り直して!!」
えー……、あ、はい。やります。やりますからポコポコ叩かないでプロス様。
プロス様に三柱の身長をしっかりと覚えさせられ、いつも見てるから! と釘を刺されたので頑張ろうと思います。
そんな事を思っていたら、いつの間にか意識が元の場所に戻ってきたようだ。
でも騒がしくなくて、なんだか柔らかい感触と匂いに包まれている感じがする。
疑問に思いつつ、目を開く。
……服?
一瞬思考が停止していたけど、頭上から囁くような声が降ってきた。
「シズト、気がついたのですわ?」
「って、何してんの!?」
バッとレヴィさんの拘束から逃れて距離を取る。
レヴィさんは膝立ちの状態のままこちらを見ていた。なぜか周囲にドライアドたちが散らばって倒れている。離れた時に吹っ飛ばしちゃったかもしれない。
「っていうか、めっちゃ柔らかかったし良い匂いだったけどそういうのは良くないと思います!」
「なぜですわ? 私、シズトの婚約者なのですわ」
「思春期男子には刺激が強すぎるんですー!!!」
セシリアさん、クスクス笑ってないで今度から止めてください!
最後までお読みいただきありがとうございます。




