表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第10章 婚約(仮)をして生きていこう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

245/1350

166.事なかれ主義者は接待をした

評価&いいね&ブクマ登録ありがとうございます。

 王妃様が来訪された翌日、また王妃様と会う事になった。

 明日、王都に帰るそうなので、最後にレヴィさんに会いに来るんだそうだ。

 僕も一応婚約者なので、同席する事になった。応接室で昨日と同じ席に座って大人しくしている。

 王妃様は今日もたくさん甘いお菓子を持って、おやつの時間にやってきた。

 昨日の僕の食べている反応をお付きの侍女が見ていたらしい。特に気に入ったお菓子ばかりだった。

 有難くリヴァイさんと一緒に黙ってもぐもぐお菓子を食べていると、レヴィさんと歓談していた王妃様が残念そうにため息をついた。


「それにしても、残念だわ。あなたに王位を継ぐ気持ちがあればよかったのに」

「面倒そうなのでお断りしますー」

「実務は私の実の息子や娘に任せてくれてもいいのよ?」

「その息子さんや娘さんに恨まれそうなので、お気遣いなくー」

「息子はそういうの気にしないわ。むしろ未だに髪と目の色を気にしているから喜んで辞退しそうね。一人目の娘は農作業で忙しいようですし、二人目の娘はもう嫁ぎ先が決まってしまっているのよ」

「パール、そこまでにしておけ。シズト殿が困っているではないか。それに、不満を抱えている者もいるが、今の所ガントが次期国王になる事に表立って否定的な意見を言う者はおらん。むしろ加護を無事に授かっている事が分かってからは、賛成の者が多いではないか。実際、次期国王としていろいろ動いていたんだ。急に変えると混乱も起きるだろう」


 なんか難しそうな話になってきたな。

 そういうの関わりたくないし、別の所で話をしてくれないかなぁ。

 それにしても、髪とか目の色ってそんなに重要なのかな。

 またドーラさんかレヴィさんに聞いてみよ。

 今日は指輪を嵌めたままのレヴィさんは僕のその思いに気づいた様子もなく、紅茶で喉を潤していた。

 王妃様は眉間に皺を寄せて、考え込んでいるのか目を瞑った。


「そんな事より、シズト殿に少し頼みがあってな」

「改まってなんですか?」

「転移陣を売って欲しい」

「……理由をお聞きしても?」

「もちろんだ。と言っても、大した理由ではないがな。レヴィにいつでも会いに来れるようにしておきたい」


 なんだろう、心配性な父親かな?

 いや、レヴィさんの父親だったわ。加護の事だけじゃなくて呪いの事もあるから分からなくもない。

 軍事目的とかそういう理由かなって思って身構えちゃったじゃん。

 そういう理由だったら作ってもいいかな?

 それに、使い方とかは僕が心配しすぎてもあれだしなぁ。


「いいですよ。値段とかはホムラに相談してください」

「ホムラ……髪が黒くて長い女性だったか」

「そうです。夕方までは魔道具店のサイレンスにいますけど、そろそろ閉店の時間だと思うので、戻ってくると思います」

「そうか。なら、それまではのんびりするか。ここで仕事をする訳には行くまい?」

「……王都に戻る間の馬車や宿で仕事をしてもらいますからね」

「仕方ない、か。シズト殿、しばらく遊べないだろうから付き合ってくれ。外にある物が気になっていたんだ。ボウリングと言うんだろう?」


 あー、時々パメラが遊んでいるアレ?

 アレはボウリングと言っていいか謎なんだけど……まあ、良く知らないみたいだし良いか、ボウリングで。

 お菓子食べてばかりだし、ちょっと運動するかー。




「次はパメラの番デース!」

「パメラちゃん、がんばってー」


 王族の方々とボウリングをし始めたら、どこからともなくアンジェラを運んで飛んできたパメラとアンジェラが遊びに参戦した。

 大勢でやった方が楽しいだろうから、と王様と王妃様は了承してくれたけど、パメラがやらかさないか心配だ。


「シズト~、どうしても両端に残ってしまうのですわ~!」

「それを僕に言われても困りますー」


 レヴィさんは相変わらず、豪快に投げて両端にピンが残ってしまう。

 レーンを直すの面倒なので、そろそろ転がしてもらえませんかね。


「シズト、私が投げたボールが戻って来ないのはなぜかしら?」

「どうしてですかね? 思いっきり投げられたボールが転がらずに、奥の方の地面にめり込んでるからじゃないですかね? 取ってきてください」


 レヴィさんはダイエットの結果、筋力が付きすぎたのかもしれない、って思うんだけど、細身の王妃様もボールを投げるとは思わなかった。

 しかも、レヴィさんと違ってほぼほぼ一直線に進んでいき、ピンを弾き飛ばしてレーン外の地面に着弾した。

 加護って癒しのはずだよね?

 とか思っていたら身体強化を使っていたらしい。


「あなた、行ってきて」

「俺が行くのか?」

「何か文句があるのかしら? 私は将来の息子にコツを聞くのに忙しいの」

「待て、それなら俺もコツを聞くのに忙しい」

「あなたはさっきストライクを取って散々自慢していたじゃない。必要ないわよ」


 どうでもいいんですけど、僕を挟んで言い合いしないでもらえます?

 なんて事は言えずに、じっと固まっていたらアンジェラとパメラの喜ぶ声が聞こえてきた。

 どうやらパメラがストライクを取ったらしい。

 流石、一人で暇な時はボールをころころ転がしていただけはある。

 パメラがコツを分かりやすく言えたらよかったんだけどなぁ。

 こんな事なら、もっとしっかりボウリングやっとけばよかった。

 そんな事を思いながら、久しぶりにやるボウリングを楽しんだ。

最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ここで仕事をするわけにもいかないだろう? いや、してもいいと思う部屋を分ければいいんだから(//∇//) 後、魔方陣を売ったら、逃げてくるから、1日の使用回数を決めて、来るときの制御…
[良い点] シズトがバックに控えてて、兵站とかを無制限に作り出すようにしたほうが争いは負けないし国力はダンチだしで 王様は現地の人がええよ 神輿だし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ