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【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~  作者: みやま たつむ
第5章 新しいお姉ちゃんと一緒に生きていく

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71.事なかれ主義者は戦争を望まない

たくさんのブクマ登録といいねありがとうございます!

 ドラン公爵の屋敷でドラン公爵に加えて国王様まで僕を待ち構えていて、一挙手一投足に気を使おうとしていたが、二人とも年の離れた友人の様な感覚で接してくるから困る。

 世界樹ファマリーの近くで起こった事を報告しようとしたけど、「もうすでに細かい事まで聞いている」との事だったので話す事がなくなった。

 いや、一応神様たちの考えと、エルフたちが加護を無くしている事を伝えるべきかな?

 そんな事を悩みつつ、一通り魔道具の質問や相談を受けた後にラグナさんが大きく息を吸い込んだ後、ゆっくり吐き出しながらリヴァイさんの方を見た。


「我が国としては、領土を勝手に占拠しようとしているわけだから抗うつもりだったが、シズト殿は戦争に反対な感じだしな。どうする、リヴァイ」

「どうするもこうするもない。何かしらはする必要があるだろう。ただ、今の状況ではこちらが悪者だからな。負ける事はないし、交易を止められても困るのは向こう側だが、厄介である事には変わりないだろう。偵察をさせた者からの報告では勇者らしきものは見当たらなかった、という事は救いかもしれんがな」

「最高神教会の司祭が神々から下賜された場面を見ているし、リヴァイの娘が植える所まで立ち会ったんだろう?」

「そうだな。そこら辺は使うつもりだ。少なくとも、欲に目が眩み事実確認を怠って盗人呼ばわりした者どもにはそれなりの対応をする必要があるだろうな」


 何やら中年親父たちが内緒話をしてるけど、聞こえてるからね?

 前回話をした事もあり、僕が多少慣れているからか、リヴァイさんではなく、ラグナさんがこちらを見た。


「シズト殿はやはり戦争には反対なんだな?」

「こんな事で争ってほしくないってのが本音です。戦争に協力しろと言われても、したくないです。神様とも話して、別に世界樹を育てようが枯らせようが、加護を使いながら信仰を広めてくれればいいそうですので、世界樹以外で広めればいいかなって。何よりエルフたちは世界樹を育てる事ができませんので、世界樹が枯れたら出ていくんじゃないかなって」

「世界樹は加護を持っていれば育てられるのではないのか? 鉄の壁にそのように書かれていたとドーラから聞いているが」

「そうですね、世界樹を育てられるのは生育の神ファマ様から加護を頂いている者です。エルフたちは加護を失ってしまったらしくて、それが原因でエルフの国にある世界樹が枯れてしまったんだとか」

「加護が取り上げられた!? ……加護で育てている者が目の前にいて、ファマリー以外の世界樹に異変が起こっている以上、あり得る事ではあるか。具体的にいつ頃神様が加護を取り上げたかは分かるか?」

「そこまではちょっと」


 どうでもよかったので聞いてないですし。

 今度はリヴァイさんが口を開いた。


「それが本当ならば、世界樹ファマリーも枯れてしまうという事になるな」

「そうですね」

「流石に世界樹の素材が手に入らなくなると困る事が起きるから何とかしてもらいたいが……意思は変わらんか。アンデッド対策用の魔道具に関しては作ってもらえるんだろう? シズト殿、ラグナと俺は少し考える必要がある事ができてしまったのでこれで失礼するが、遅くとも一か月後にはもう一度会う機会があるだろう。その時はまた気軽にリヴァイと呼んでくれ。もしくは、お義父さんでもいいぞ?」

「お父様!!! シズトに変にプレッシャーをかけないでほしいのですわ。今ゆっくり外堀を埋めてる状況なんだから余計な事をしないでほしいのですわ!」

「ハッハッハ! レヴィアが元気になってよかったよかった」

「俺の場合はお義兄さんになるんだろうか?」

「知らない」


 笑いながら廊下へと出ていくリヴァイさん。レヴィアさんは顔を真っ赤にしながらその後を追いかけていった。なんか文句言ってるけど、聞こえなかったふりしとこ。

 ドーラさんに向けてラグナさんが質問をしてたけど、それも聞こえなかったふりをして目の前に用意されていた紅茶を飲み切る。

 えっと、この後どうすればいいんですかね?

 とか思っていたら執事さんが帰りの手配をしてくれていて、馬車に乗って屋敷に戻る事になった。




 屋敷に戻ったら農作業を再開しようと思ってたんだけど雨が降ってたので中止。

 大人しく室内でできる事をしようと、自室の作業台で魔道具を作ろうと考えているんだけどなかなか思いつかない。水やりが面倒だからスプリンクラーでも作ろうかな。ただどのくらいの水をあげるのが適切なのか分からないし、やっぱり手の空いてる人がやっていく感じにするべきか。

 うんうん唸っていると、扉が開いてホムラが入ってきた。


「ホムラ、その人誰?」

「マスターが作られた魔法生物です」


 そうホムラが無表情で紹介すると、ホムラの後から入ってきた女性が気だるげな雰囲気から一転、にこにことしながら僕に向けてぺこりと会釈をした。

 健康的な褐色の肌とは対照的に白く短い髪。黄色の瞳は細められてこちらに向けられている。女性的な体つきでホムラと並ぶと正反対な二人だな、という印象が強くなる。


「初めまして、ご主人様。これからよろしくお願いするわ。手始めに、名前を付けてくれないかしら?」

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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