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鏡とふたりごと

作者: 猫じゃらし
掲載日:2021/12/21


 よっつの小さな足と、くるんと巻いたしっぽ。

 先っぽがおれた耳に、すこし垂れた目。


 ひとりぼっちのぼく。

 捨てられた鏡を宝物にして、ぼくはぼくを見る。

 鏡の中のきみが友だちだったらと、何度も話しかける。


「ねぇ、知ってる? 今日は星がたくさん流れる日なんだって」


 鏡の中のぼくは、ぼくとおなじ動きをした。


「流れる星におねがいごとをしたら、そのおねがいは叶うんだって」


 おなじ動きをするぼくは、さびしそうな顔で笑っていた。


「ぼくはお友だちがほしいよ」


 笑うぼくの後ろには、夜空がひろがっていた。


「君もほしいでしょ?」


 ひろがる夜空には、たくさんの星が輝いていた。


「一緒におねがいしようよ」


 たくさんの星は、ひとつずつ空から流れはじめた。


「お友だちができますように」


 ぼくはおねがいごとをした。


 ひとつずつ流れた星は、またたくまに消える。

 鏡の中も、本物の夜空にも。

 いくつもの星が流れて、空の中に消えていく。


「ぼくときみに、お友だちができますように」


 夜空の中に、消えていく。


 ぼくは鏡の中の星にねがって、きみは本当の夜空の星にねがって。

 ふたりでおねがいごとをしたから、叶うちからはふたり分。


 たくさんの星にねがったぼくたちの奇跡は、あっというまにやってくる。


『ねぇ、ぼくのお友だちになってくれる?』


 星がたくさん流れる空の下で、にんげんの男の子がぼくを見つけた。


「ぼくも、きみとお友だちになりたい」


 言葉はつうじないけれど、ぼくの揺れたしっぽを見て、男の子は笑った。

 男の子はぼくをやさしくなでてくれた。


『ぼくのおうちにおいで』


 男の子の手は、とてもあたたかかった。


 鏡の中のきみも出会っていた。

 ぼくと同じく、男の子にだっこされている。

 しっぽがたくさん揺れてるよ。

 あたたかいね。うれしいね。


 やっとお友だちができたんだね。


「ばいばい」


 きみとお別れするのは少しさみしいけれど。

 鏡の中のしあわせそうなきみに、しあわせなぼくは思いきりしっぽをふった。





挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)

ひだまりのねこさまに描いていただきました(*´꒳`*)




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― 新着の感想 ―
[良い点] 温かく、切なく、可愛い。 良い童話でした。 またイラストがエモい。エモいわ〜〜〜〜。
[良い点] あら、可愛い。 心が洗われるような美しさですね。 とても書いてる人が浮気ね……ゲフンゲフン、なんでもありません。 素敵な童話をありがとうございました(*´∇`)
[良い点] か、可愛いっ!! 子犬の独り言(ふたりごと)がかわいい。 子犬がかわいい。 鏡を通して流れ星を見ているところがかわいい。 最後の嬉しそうなところがかわいい。 そして、挿絵が可愛いっ!! …
感想一覧
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