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いつか終わる物語  作者: むらさき毒きのこ
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ある、女性の人生から考える~幸・不幸の理由~

きつい内容なので、苦手な方は読まない方がいいです。

 まず世の中にはさまざまな考え方があるものです。

 今からお話しするのは、ある女性の人生です。彼女がたどった道にたいし、あなたはどのような感想を持つでしょうか。それが、あなたを構成する要素、つまり思想信条、あるいは思考といえるのです。それでは始めます。


 その女性、Aさんは、ある漁村に生まれました。時代は……彼女は私の母よりもいくらか年かさでしたので……私が昭和55年生まれですから、Aさんは昭和二十年代生まれ、としておきましょう。


 Aさんの生い立ちというのは、かなり悲惨な部類であるといえます。まず、出生の際に、その誕生を望まれていませんでした。というのも、Aさんの両親はいわゆる血縁者同士であり、当時まだ十代であったためでした。そんなわけでAさんは生まれてすぐに、祖母に預けられたのでした。またAさんの母親はAさんを産んですぐ、よそに(とつ)ぐ形になったのでした。


 そんな生い立ちであったとしても、大切に育てれらたならば、Aさんの人生は違ったものになっていたであろうと思います。例えば赤毛のアンのように、思慮深い養父母がいたならば。


 Aさんは、両足が不自由でした。なぜなら小さい頃、家の柱に縛り付けられていたためでした。

 子供を育てた事がある人ならばよく知っていると思うのですが、小さな子供というのは動き回るものです。触ったらいけないようなものを、触ったり。子供を育てるというのは、常に見守りが必要なのです。

 その手間を、Aさんの祖母は「惜しんだ」との事でした。Aさんによれば。


 そんなふうで、Aさんはある頃から、孤児院(現在の養護施設)に入所します。Aさんの祖母が、Aさんを育てる事をやめたからでした。Aさんは、キリスト教の教会が運営する孤児院で、十七歳まで過ごしたのでした。そしてそこから、ある資産家の家に嫁ぐ事になったのでした。


 そこに至るまでのAさんの苦難というのは、筆舌に尽くしがたいものがあります。まず、孤児院という場の環境が最悪でした。Aさんによれば「夜、屋根裏を伝って上級生が犯しに来た」との事でした。

 Aさんは、神に祈ったそうです。どのような祈りであったのかは……とにかくその祈りは、どこにも届かなかったのでした。


 十七歳で嫁いだAさんは、その資産家の夫との子供を産んだそうです。その後、その夫の弟の子供を産み、さいごに夫の父の子を産んだそうです。そして二十一歳の時、子供を連れて街に逃げたとの事でした。Aさんは二十代にして、三人の子供を抱えるシングルマザーになったのでした。

 Aさんは、夜の街で働くことで、自分と子供を食べさせたのでした。


 ある日そこに、元夫の父親が同居するようになりました。そしてその老人が病気になり死ぬまでの間、面倒を見たそうです。それが、Aさんが私(というよりも私の母)と出会うまでの、道のりだったのです。


 ここで、最初の問いに戻ろうと思うのです。

 Aさんはいったい、なぜ苦難の人生を歩むようになったのでしょうか。


***


 私は、Aさんの人生について、こう思います。

 世の中には、色んな人生があるんだなあ、と。


 人生に意味はあるのか。不幸に意味は、あるのか。思うに、そんなものは無い。意味など、無い。

 ただ、生きている。


 そういうものだと、私は考えます。

個人情報に配慮し、必要最低限の表現にとどめております。

質問、ご意見のある方は、感想欄などでおっしゃってください。答えられる範囲で、答えます。

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