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男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった   作者: ホーリョ
男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった
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ライン交換

恋愛ものは慣れておらず、手探りで書いてます。

アドバイス等ありましたら感想をいただきたいです。

また、低評価でも構いませんので、評価をいただけると大変助かります。


週明けから早速授業が始まった。


といっても、一年生は専攻や必修があまりないため、

自分の興味のある科目を受けることができる。


俺は2限から登校し、美術史の授業を履修する。


「山田く~ん」


教室に入ると京子がいた。俺に手を振っている。

いろんな学部の生徒が混じっているため、法学部同士でも同じ授業をとることは決して多くない。


「田中さんも美術史入門取ったんだ」


京子が荷物をどけてくれた隣の席に座る。


「一年のうちにたくさん単位取っておきたいからね」


それは俺も同感だ。朝起きられないから2限以降になるが。



初回の授業自体はガイダンスだったため、早く終わった。

昼食にはまだ少し早い。

すると京子が話しかける。


「山田くんせっかくだから少し話さない?」


そこで、大学内のカフェに入りコーヒーを注文する。

女子には奢ったほうがいいのかななんて思っている間に京子はさっさと会計してた。


「田中さんはなんで上京したの?」


席についてくつろぐ京子に尋ねる。

人生で一番自己紹介をするのは大学1年生の時なんて言われているが、

大学に入った直後は、こうした話題に困らないため助かる。


「やっぱりずっと田舎は嫌だったからね」


京子は窓からキャンパスを見ながら言った。


「あそこから逃れる最後のチャンスだと思ったの」


まあ、地元の大学行くと普通はそのまま地元に就職するからな。


「だからすごく勉強頑張って受かることができた。あまり進学校ではなかったんだけどね」


今度は京子が質問してきた。


「山田くんはなんで?」


俺は正直に答える。


「俺C学園なんだけど、みんな東京の大学を目指しているからなんとなくかな」


「へぇC学園なんだ。頭いいんだね!あそこ男子校でしょ?」


詩織といい女子の男子校に対する食いつきは何だ


「そうそう、だから今も少し緊張してる」


冗談の口調で言ってみたが、実際少し緊張していた。


「うける~」


京子はケラケラ笑った。



そのまま一緒に学食へ行ってご飯を食べた。


どうやら、京子の高校から上京した人自体京子一人だけらしい。

昼食の間、ずっとそのことについて愚痴をこぼされた。

たしかに俺はたくさん同級生が東京にいるから心強いけど、一人だと心細いだろう


学食は混む前に素早く出て、午後の授業へ行く。


「午後は何の授業を受けるの?」


すっかり仲良くなった京子が言った。


「歴史学入門」


「わたしは地理学入門だからこっちだね」


バイバイと手を振りそうな京子に少し勇気を出して聞く


「あの、、今日はスマホ持ってきたから、ライン交換してくんない?」


京子はすぐに頷いてくれた。


「おおっ、そういえばそうだね」


ラインを交換する。

ついに、、ついに、、

俺は頭の中で涙を流した。


「はい!」

「サンキュー」


落ち着いてお礼を言う


「じゃあさっき撮った写真を送ってあげる」


京子がいたずらっ子のように笑い何かを送信してきた。


「ん?」


見ると俺の寝顔があった。


んんんんんんんんんん?


理解するまでに数秒を要した。

美術史入門で早速寝てしまったのだが、バッチリ取られていたらしい


「なっ、いつのまに!?」


京子がニヤニヤしながら言ってくる。


「しょっぱなから寝るなんていい度胸ですなあ山田く~ん」

「先生チラチラ見てたよ」


さっそく先生に目をつけられたかもしれない。


「起こしてくれよ~」


「ふふっ寝顔が可愛かったから」


京子は笑顔で言った。

可愛いなあもう。

笑顔が眩しいんじゃ~


「じゃあね!」


京子は手を振るとルンルンと地理学入門の講義室へ消えていった。

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