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男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった   作者: ホーリョ
男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった
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入学式

恋愛ものは慣れておらず、手探りで書いてます。

アドバイス等ありましたら感想をいただきたいです。

また、低評価でも構いませんので、評価をいただけると大変助かります。


とても気分よく目覚めた。


どうやら、ぐっすり眠っていたようだ。

目の冴え方からいつもよりも睡眠時間が多かったことが直感でわかった。


ゆっくりと時計を見る


10時22分を回ったところだ。


これはやらかし申し上げた

見事に寝過ごし申し上げたな…


寝坊したのはいつぶりだろう。

受験終わってから若干昼夜逆転気味だったからなぁ


だからってなんでよりによって今日なんだよ。

昨日はちゃんと8時起きだったぞ


ゆっくりと起き上がり一回深呼吸をした。


落ち着いて入学式のパンフレットを見る。


9時30分集合(大講堂)

10時入学式(大講堂)

11時法学部ガイダンス(大講義室Ⅰ)、クラス分け、クラスごとに教科書販売

12時クラス写真、解散


よし。まだ生きてる。


心の中で小さくガッツポーズをした。


入学式って言ったって学長と招かれた有名人が長々と話すだけだろう。

要するに11時に間に合えばいいのだ。


えーと、あと約30分。

ここから学校まで走って7分か。


俺の勝ちだな


そう言って俺はスーツを探し始めた。



大学に着いたのは10時50分だった。


入学式がちょうど終わったらしく、1000人くらいの新入生がぞろぞろと移動している。

法学部生を見つけていどうすればいいんだな。


これもう俺の勝ち確定じゃね?

まずは大講義室Ⅰを探さないと


「すみません、大講義室Ⅰってどこですか?」


ボランティアの手伝いをしてるっぽいお姉さんに声をかける。


「法学部の方ですねー?あの右手に見える建物ですよ。でも法学部は一番最初に移動したはずなんですが、どこに行かれてたんですか?」


まじか。

よりによって法学部が最初に移動とは。

さっきの勝利宣言はフラグだったのか。


「実は寝坊しまして今来たところなんです。ありがとうございました、では!」


大学内を超特急で駆け抜け、大講義室Ⅰに後ろからコッソリ忍び込む。


学部長が祝辞を述べているところだった。

学長の次の学部長か。

長い話が二段構えでくるとは。


でも、そのおかげで助かった

何とかセーフっぽいな。


学部長の話が終わり、職員がマイクを替わる。


「では、学籍番号順に呼びますので、学生カードもらい、張り出されている掲示板でクラスを確認してください」


そういうと、番号を呼び始めた。


暫くして俺の番号が呼ばれる。

「A1213番」


係の男性に名前を告げる

「山田裕太です」

「山田裕太さんですね、カードをお受け取りください」

カードの写真と俺の顔を見比べて確認した後、カードを受け取った。


そのまま、黒板に張り出されているクラス分けの名簿を確認する。


「4組か」


ちなみに、法学部は50人×4組の200人だ。

4組が指定されている教室へ行くと、先に呼ばれていた人が何人か座っていた。


全員がそろうと、係の人が言った。


「教科書販売の順番が回ってくるまで、隣の人と自己紹介をしておいてください」


周りを見渡すと半分近く女子だ。

こんなの小学校以来の光景である。

ウホッ、やっぱり俺の青春はここにあったのだな


右を見ると隣の女の子と目があったので、早速自己紹介をする。


「福岡から来た山田裕太です。よろしく」


すると女の子は嬉しそうな顔をした。


「福岡!?私は鹿児島!田中京子っていいます。同じ九州同士よろしくね」


よく見たら愛嬌があって笑顔が可愛い。


「鹿児島からA大学に来る人ほとんどいないから、少し不安だったけど、同じ九州の人がいてよかった!」


さっそく女の子を捕まえてしまったようだ。順調な滑り出しです。


「せっかくだからライン交換しようよ!」


はい、ラインいただきます。

ようやく俺のラインに母さん以外の女性が登録される。


おれは、富士山の山頂から叫びそうな勢いだった。

ちなみに、詩織のラインは貰うの忘れてました。


俺は右ポケットからスマホを取り出し……うん?

スマホがない。家の鍵とハンカチしかない。


抜かったあああああああああああああ!!!!!!!


家を飛び出したため、必要最小限の鍵とハンカチしか持ってこなかったのだ。

俺は心の中で号泣しながら京子に向き直り謝った。


「ごめん、、スマホ忘れてきた」


京子は気にするでもなく笑う。


「そっかぁ、じゃあまた今度ね!」


山田裕太一生の不覚。

入学式にスマホ忘れるやつがいるか。はいここにいます。

ほら、リーダーシップある奴が早速クラスライン作ろうとしてるよ。

まずい、いきなりぼっち大学生になってしまう。


おたおたしていると係の人が呼びに来た。

教科書販売の時間だ。


販売の列で隣になった男子に早速話しかける。


「名前聞いていい?」


少しひょろっとした男子は振り向いて言った。


「朝倉勇気。よろしく!」


いいね、なんか無害そうな人。

一緒にいるとホッとするような人。

この人あれだ、モテそうなのに彼女いないって女子に噂されるタイプの人だ。


「俺は山田裕太。これからよろしくね」


何がともあれ、大学で最初の男女の友達を作ることができたのだった。

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