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男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった   作者: ホーリョ
男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった
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それから

俺はもうすぐ2年生になる。


「裕太、お待たせ!」


駅で待っていると、日向が手を振りながらやってくる。その笑顔にはなかなか慣れない。


「いや大丈夫だよ」


俺は日向の手を握った。


「じゃあ行こうか」


日向は黙って、俺の手に指を絡ませてくる。


二人で歩いていると、別のサークルの連中が駅に集まっていた。


その中に見覚えのある奴がいる。


「詩織!」


詩織はこちらを向くとぱあっと顔が明るくなった。


「日向先輩とゆうちゃん!」


駆け寄ってきて、野次馬のような顔になる。


「おやおや?デートですかな?」


「今からサークルの飲み会があるからね。デートじゃないよ」


日向が答える。詩織は移動を開始したサークルの人たちについていきながら振り返って叫んだ。


「そうなんですね。楽しんできてください!」


詩織とは一時期は気まずかったものの、夏休み帰省した時に両親たちと食事に行ったことで仲直りした。そして、日向との関係でたまに相談に乗ってもらえるほどになった。ここまで関係が回復したの

は正直嬉しかった。


居酒屋につくと、法律研究会の皆さんが早速冷やかしてくる。


「あらら、お二人さん相変わらずお熱いですね」


陽子が俺の腕に巻きついた。


京子と一緒に俺を座席に引っ張っていく。


「桜井先輩ちゃっと彼氏お借りしますね」


勝手に3人だけのテーブルに座らせ、乾杯と同時に酒を飲みまくった。


「さ~て、お二人はどこまで行ったのかな?」


急ピッチで場を温めたところで陽子が聞いてくる。


「ご想像にお任せします」


俺が素知らぬ顔で答えると、「二人はその返答はもう答えじゃん」というような顔をする。


「桜井先輩もすっかり女の顔になってましたなあ、京子くん」


「これはやっておりますな、陽子くん」


男子校歴6年の俺から言わせてもらうが、女子の下ネタというのは笑えない。


なんか生々しいのだ。


ユーモアのかけらもない下ネタばかり。


ひょっとしてスケベなのは女子の方ではないか。


心の中で毒付きながらも言えるわけなく、のらりくらりといつもの尋問を回避した。




「ねえ、さっきはあの二人とどんな話してたの?」


飲み会終わり、二人で帰っていると、日向が聞いてくる。


やはり毎回飲み会の度に3人で話しているから気になるらしい。


「うーん現状報告かな?あの二人見守るのが好きらしいから」


「ふーん」


日向が少し嫉妬を見せる瞬間がたまらなく好きだ。


すると詩織は声を一段階下げて聞いてくる。


「そうそう裕太。花からお持ち帰りされそうになったって聞いたんだけど」


「それは冤罪ですね」


俺は丁寧に即答した。


花さん…重すぎるからって彼氏に振られて、俺が居酒屋に呼び出されたのだ。


 案の定号泣していて、必死に慰めた。だが、「コーハイ!いつまで弟面してるの?早く私を攫いなさいよ!」などと言われ、俺は日向の笑顔を必死に思い出しながら断ったのだ。


それなのに、浮気を疑われるとは理不尽なことだ。


「二人で飲みに行ったのは連絡した通りだけど、そのあと家に帰しました」


「刑法169条に誓える?」


こら法学部。刑法を出して脅すんじゃない


「偽証罪って裁判の中でしか適用されないんじゃ?あ、俺いま裁判されてる?」


「半分冗談だよ」


半分本気なのかよ


「裕太は私を好きでいてくれるってわかっているから」


そんなこと言われると、男気スイッチが発動してしまう。


「そんなこと言われたら裏切れるわけないよ」


日向は嬉しそうに頭を俺の肩に載せた。


「今日家来る?」


行きたいけど、行きたいんだけど


「これからゼミの課題があるからいけない」


日向は目に見えてシュンとなった。


そんな日向にそっと口づけをする。


「また明日ね」


日向は幸せそうに頷いた。




高校の時、ラノベやアニメを見ては俺には青春なんてないと思っていた。


だが、俺の青春は大学にあったんだな。


俺は夜空を見上げてすっかり慣れた帰り道を鼻歌を歌いながら帰っていった。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

ラブコメということで複数ヒロインにする予定でしたが、各々の掘り下げのバランスが非常に難しかったです。結果として日向先輩の一強になってしまったことは反省しています。

最後に、今後の活動の参考のため、改善点等をいただけると非常に助かります。

よろしくお願いいたします。

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