翌週
京子は裕太と一緒に授業を受けていた。
毎週おなじみの月曜2限だ。
だが、今日は裕太の様子が少しおかしい。
「裕太くんなんかあった?」
「んー別に~」
裕太はめちゃくちゃ機嫌がいい。
「うそ、絶対いいことあったでしょ」
これは質問待ちだな
「わかる?」
裕太は笑顔が抑えきれない顔をしている。
「彼女ができました」
カノジョ?
彼女?
恋人!?
「えっ」
京子は予想外すぎて驚愕した。
「本当に!?」
「Yes」
確かに、モテるタイプとは思っていたけど、この男子校上がりは告白する勇気がなくてズルズルいくもんだと勝手に決めつけていた。
勝手に童貞チキン野郎と思ってすみませんでした。
「よかったね。相手は私の知っている人?」
「うん、そうだよ」
ああ、どうしようもなく分かってしまった。
「日向先輩か」
裕太の顔が溶けそうなくらいにやける。
「へへ、あたり」
そっか、日向先輩とやっぱり付き合ったのか。そっか。
「おめでとう」
「ありがとう」
数少ない男友達。
もう、一緒に二人で遊びに行ったりすることはできないんだな。
こんなに早く彼女作るなら、もっとたくさん遊んでおくべきだった。
「じゃあもう一緒にご飯とか行けないね」
だが、裕太はきょとんとする。
「何言ってるの?全然大丈夫だよ」
はい?裕太は経験なさすぎやろ。
彼女によっては浮気とか騒がれるぞ
でも、裕太がいいと言ってくれたことを良いことにその言葉に甘える。
「ホント?じゃあランチ一緒に食べよ」
「もちろん」
恒例の授業の後のランチが継続することにひとまず安心していた。
「でも裕太くんすごいよ。あの日向先輩と付き合うなんて」
「本気で好きになってしまったから、フラれてもいいと思って告白したんだ」
少し照れながら言う裕太がかっこよく見えた。
よく見れば裕太は告白を乗り越えた男の顔つきになっていた。たぶん
「結局、フラれても全然よくなくて、半ば無理やり頷かせてしまったけどね」
「それでもすごいよ」
京子は自身の中高時代の記憶が蘇る。
「私は中学高校と好きな人がいたけど結局告白できなかったからな~」
「好きな人に告白しなかったら後悔すると思った」
いやおっしゃる通りだけど。
さすが男子校。怖いもの知らず。
でも、裕太は男子校だからすごいと言い訳しているのは自分の方かもしれない。
これまで通りの関係を継続することが分かったことから、安心していいはずなのに
それなのに京子の胸は少し痛かった。




