表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった   作者: ホーリョ
男子校出身の俺にとって、青春はやはり大学にあった
44/48

告白5

「好きです。俺の彼女になってください」


目の前の裕太が真剣な目をして私の目を見る。


まさか告白されるとは思っていなかった。


彼が私のことを好きでいることは気づいていたが、詩織や他の女の子とも仲が良く、こんなに早く私に好意を伝えてくるのは予想外すぎた。


私が裕太と付き合ったら詩織はどう思うだろう。あの子が一人ぼっちになってしまう恐れがあった。


「ありがとう。でも、ごめんなさい」


これまで、何度か言ってきた言葉を口にする。


だが、これまでとは違った苦しさがあった。


私は裕太に少しずつ惹かれている。決して飾らないところ、素直なところ、優しいところ。


でも、詩織には裕太が必要だ。

私にとって裕太以上に詩織が大切な後輩だった。


詩織の心が納得するまで、自分の気持ちは封印しようと思っていた。


もし、詩織が諦めるかして、裕太への想いを断ち切っていたら、私は頷いていただろう。


だが、今回はタイミングが悪かった。


「……好きです」


裕太は諦めずに言ってくる。


「…うん」


「大好きです」


「…うん」


真摯に告白する裕太に好感を持ちつつ、胸が張り裂けるような思いで返事をし続けた。


「日向先輩、俺じゃダメですか?」


「詩織に悪いよ」


ごめんなさい、あなたのことも好きだけど、今の私は詩織の方が大事なの。


「俺は日向先輩に聞いているんです」


わかってる。悪いのは私。あなたの一所懸命な告白を誤魔化そうとしている私。


「日向先輩が俺のこと眼中にないのはわかってます。でも、絶対振り向かせてみせるから、後悔なんてさせないから、だから俺の彼女になってください」


裕太の言葉に思わずドキッとする。


「裕太くんはすごいな」


そんな告白されたことがない。

本当に口がうまいんだから。


そんなに一生懸命に見つめてこられたら。

だめ、詩織が悲しむ。本気になったらダメ、本気になったらダメ。


「裕太くんは私のどんなところが好きになったの?」


「最初は綺麗な人だなって思って近づきました」


「それは知ってる」

私は苦笑した。


今まで告白してきた人はみんなそうだ。


付け足したかのように内面を触れる人もいたが、私の顔が醜かったらきっと告白してこなかっただろう。今までの経験から、男からの目線に対しては私は少し卑屈になってしまう。


「でも、今はわからないです」


「わからない?」


裕太の言葉に思わず聞き返す。


「別に採点しながら好きになるわけじゃないし。日向先輩の好きなところはよくわからないです。でも間違いなく確かなことは、俺はあなたのことが好きだということだけです」


私は息をのんだ。


優しいところが好き、顔がタイプ、そんな告白をされるたびに私は心で毒を吐いた。じゃあ性格が変わったら?事故で顔に傷が付いたら?あなたは私から去っていくんでしょ?


私の好きなところはよくわからない。裕太の言った言葉は、私がこの人生で求め続けていた言葉だった。ただ、この人は私を無条件で好きなんだな。


とくん


私は心から安心感を覚えた。いや、これは恋に落ちる音だったのかもしれない。


「裕太くん」

「はい」


裕太が綺麗な目で私を見る。


夢中になったのは私の方だったのね


「私もあなたのことが好き」


いつも聞く側だった言葉。


言ったことがないので少し緊張して震えた。


「私を、彼女にしてください」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ