告白4
少しカッコ悪くなってしまったが、思いはすべてぶつけた。
日向先輩は少し戸惑っている。
いきなり告白したらこうなるよな、と俺は冷静に考えていた。
「ありがとう。でも、ごめんなさい」
日向先輩の声が耳に響く。
ごめんなさい、ごめんなさいということはダメってことか。
そっか、俺はフラれたのか。
「……好きです」
茫然としたまま、俺は最後のあがきのように繰り返した。
「…うん」
日向先輩は俺をなだめるように答える。
「大好きです」
もうフラれたというのに言葉が止まらなかった。
「…うん」
日向先輩が困っているとはわかっているが、俺は続けた。
「日向先輩、俺じゃダメですか?」
日向先輩は慰めるように首を振る。
「そんなことない」
「でも、だめですか?」
少し、問い詰めるような口調になってしまった。
「詩織に悪いよ」
歯切れの悪い返事が返ってくる。
「俺は日向先輩に聞いているんです」
日向先輩が怯えないよう注意しながら一歩詰め寄った。
「でも、詩織が……」
日向先輩の言葉に割り込んで伝える。
「日向先輩が俺のこと眼中にないのはわかってます。でも、絶対振り向かせてみせるから、後悔なんてさせないから、だから俺の彼女になってください」
言ったーーー!振り向かせてみせるとか言ったーーー!
我ながらいいこと言ったんじゃない!?
もう一人の客観的な俺が感激している。
日向先輩も少し驚いた表情をして、少し笑顔になった。
「裕太くんはすごいな」
そして、続けて聞いた。
「裕太くんは私のどんなところが好きになったの?」
「最初は綺麗な人だなって思って近づきました」
「それは知ってる」
日向先輩は苦笑する。
好きなところなんて探せばたくさんあると思って頑張った。
でも、本当のことを言おう。どうせ、こんな緊張する場面で嘘なんかつけないんだから。
「でも、今はわからないです」
「わからない?」
「別に採点しながら好きになるわけじゃないし。日向先輩の好きなところはよくわからないです。でも間違いなく確かなことは、俺はあなたのことが好きだということだけです」
たくさん探した結果、自分には好きなところがわからない。
優しいところとか、気さくなところとか、真面目なところとか答えても、けっして間違いではない。でも、俺が好きになった理由として正解ではないような気がした。
ただ、どうしようもなく好きだった。
日向先輩が息をのむ。
「裕太くん」
「はい」
日向先輩が街灯の明かりでもわかるくらい頬を染めて、俺の目を見た。
「私もあなたのことが好き」
そして、初めて聞くような震える声で続けた。
「私を、彼女にしてください」




