イメチェン
テストが近いから結局、その後も陽子と勉強をすることとなった。
そのおかげで、法学のテストを乗り切った。
後はレポートだ。
法学のテストだけでなく基幹教育のレポートもあるから大変だ。
ちなみに、テスト期間は授業がなく月曜日も休日と同じである。
「ふぅレポート終わったぁ~」
陽子があくびしながら背伸びをする。
「おつかれ」
「全部終わった?」
「ううん、あと一個」
陽子はジュースをぐびぐび飲みながら言う。
「でも、〆切余裕があるからいいかな」
「もうそろそろ帰らない?」
レポート提出が一段落して暇そうな陽子が言う。
「ん、そうだね」
俺も特にすることがなくなったので同意する。
今回は、ご飯なしで帰る。
「明日」
別れる直前に陽子が言う。
「明日、山田くん空いてるかな?」
「暇だよ」
「じゃあ一日付き合って」
陽子が上目づかいで見てくる。
誘ってんのかな?この人俺を誘ってんのかな??
だが、陽子は今の誘惑は冗談ですよって言わんばかりに、
小悪魔のような笑顔を見せる。
「山田くんをイメチェンさせるから」
先日の約束を果たしてくれるらしい。
陽子は自信満々に言った。
「おはよー」
待ち合わせの10時ちょうどに陽子がやって来た。
「ぴったりやな」
皮肉を言う。まあ、俺も2分前だが。
「じゃあ行くよ」
陽子は張り切っていた。
「まずどこに行く?」
俺が聞くと、陽子は首を振る。
「もう決まっているから」
「昨日、美容院に予約いれたから」
「はい?」
はい?だよ陽子さん
っていうか、前日に予約が取れる美容院って大丈夫なの?
いや、あんまり知らないんだけどさ
「いまどこで髪切ってる?」
「千円カット」
「でしょうね」
陽子は呆れたように言う。
なんや。千円カットいいじゃないか
「そういうのわかるから、そういう所から変えていこう」
美容院に入るのは初めてだ。
「えっと、少し2段ブロック気味に短くお願いします」
陽子が美容師に伝える。
「おおっ、けっこういいじゃん!」
40分後、スッキリと切った俺の頭を見て陽子が言う。
もともと、髪短かったから劇的には変化してないのだが。
というより、千円カットと何が違うのか。
「やっぱりマッシュよりスポーツ刈りの方が似合うよ!」
陽子は上機嫌で店を出た。
「はい、次眉剃りね」
そのまま次の店へはいろうとする。
待て待て待て
眉毛整えるだけでこんなに値段がするだと!?
「眉毛整えたらもっとかっこよくなるよ」
眉毛?
確かに濃い方だとは思うが、こんな3000円も払ってまでしてもらうものなのか?
陽子さんひょっとして美人局的なことしてる?
俺をぼったくろうとしてる?
そもそも、今月はお金がピンチなんですけど
「ちょ、ちょっとお金卸してきていいですか?」
慌てて、ATMへ飛んでいった。




