ゴールデンウイーク(7)
5日目は詩織とスカイツリーに行く。
詩織のアパートは駅に行く途中にあるから迎えに行った。
「今準備しているから部屋に入って待ってて」
詩織は肌着のまま玄関を開けて言った。
こいつ意外と胸あるな
詩織は洗面台に入る前に振り替える。
「覗いたら許さないから」
それって覗けってことなのか?
まあ、わからないからおとなしく待って居よう
「どう?似合う?」
詩織が服を着て出てきた。
珍しくスカート姿だ
「うん、綺麗だよ」
適当に褒めると、詩織は上機嫌になる
「やった!じゃあ行こう」
「ゆうちゃんもいい服持っとるね」
日向先輩に選んでもらった服が褒められた。
シンプルだから俺も気に入っている。
「これまで、あまりに服がなかったから買いに行ったんよ」
「へぇセンスあるじゃん」
詩織も褒める。
さすがは日向先輩だ。
「日向先輩に選んでもらった」
「日向先輩に!?」
詩織は驚く
「い~な~うらやましい」
この人は本当に日向先輩が好きなんだな
「日向先輩って高校の時モテてたの?」
聞いてみると、詩織は頷く
「当たり前じゃん」
だよな。当たり前だよな。
「綺麗で、清楚で、頭が良くて、でもソフトの時はピッチャーでとってもかっこよかったし」
詩織はうっとりとした顔で続ける
「男子だけじゃなくて、女子にも告白されてた」
「すごいなそれ」
でも、高校の時彼氏はいなかったと言っていた
もったいないものだ
「でもなんでそんなこと聞くの?」
「この前一緒に出掛けたとき、男と二人で外出した経験がほとんどないって言ってた」
詩織は納得した顔をする。
「日向先輩、高校の時ほとんど遊んでるところ見たことないもん」
「告白もいつも断ってたし」
そしてハッとして俺を見る
「っていうか、、ゆうちゃん日向先輩と二人だったの?」
「まあ、服選んでくださいってお願いしたら来てくれた」
「ふーん」
詩織は何か引っかかる顔をしていた。
確かに、日向先輩と二人で出かけられる男なんて大学でもあまりいないかもしれない。
そう考えると幸運だな
しばらく電車に揺られているとスカイツリーが見えてきた。
ゴールデンウイークということもあって、行列ができている。
しばらく並んだあとようやく中に入ることができた。
「わあ高い」
展望台から関東平野を一望できる眺めに感動している。
「あれ、ゆうちゃん高いところ無理なの?」
人がぎゅうぎゅうでキツイ
人酔いしそうだ
「ちょっと休んでいるから見てきなよ」
詩織を見に行かせて、ベンチに座る。
眺めなんてどうせ数分で飽きるだろう。
人混みにも慣れ、落ち着いてきたところで詩織が帰ってきた。
スカイツリーを出た後、電車で浅草に向かう。
といっても雷門以外知らないのだが
「浅草も人が多いな」
また、息苦しくなる
「大丈夫?」
ふと見ると、裏道は人がまばらだった
「あそこの路地は人が少ないな」
詩織の手を握って移動する
「ゆうちゃん!?」
詩織には申し訳ないけど、こうでもしないと迷子になりそうなくらい人がいる
「ちょっと休憩」
ようやく人混みから抜け出して一息つく
「あ、うん」
ぎこちなく返事をする詩織の方を見るとなぜかもじもじしている。
ふと下を見ると、詩織の手を握ったままだった。
「ご、ごめん」
慌てて手を離す。
柔らけぇ
「大丈夫だよ」
詩織は少し赤くなって答えた。
少し休憩していると、詩織からリクエストが来た。
「ねね、人力車乗ってみたい」
せっかく浅草に来たから乗るのもアリだな。
再び人混みをかき分け中心に行き、人力車に乗る。
「お客さんカップルですか?」
お兄さんに詩織が答える。
「幼馴染です!」
「、、馴染んでないやろ」
言っても仕方がないので小さくつぶやく。
詩織にとって俺は幼馴染
では、俺にとって詩織はなんだろう
もし、詩織と付き合えたら?
うれしい?そうでもない?
よくわからない
俺と詩織の関係のゴールって何だろう
はしゃいで浅草の町を見ている詩織の横顔を見ていた。




