ゴールデンウイーク(3)
ゴールデンウイーク2日目はC学園東京組の焼肉会がある。
昨夜は日向先輩を送った後、家に帰ったらすでに日付を越えていた。
9時にダラダラと起きると、今日の予定を立てる。
19時に焼肉だからそれまでバッセンに行くか
午後になって、暇つぶしにこの前花さんと行ったバッセンに行くと、かっ飛ばしている女性がいる。
「花さん、何しているんですか?」
120キロコースで快音を響かせていた花さんが振り返る。
「おっ後輩じゃん!暇だったからバッセン来たんだよ」
カキ―ン
「一人でバッセン来るんですね」
カキ―ン
「まあ、なかなか誘える奴がいないからね」
カキ―ン
「そんなときは俺を誘ってください」
スカッ
「まったく、後輩は肉食だな」
なぜか最後のボールを空振りした花さんがゲージを出てくる
入れ違いで俺が打席に入る。
受験で半年やってなかったが、この前のバッセンの後からまあまあ勘を取り戻してきた。
なかなか、良い当たりを連発してどや顔で戻ると、
花さんが俺のジュースを買っててくれた
「後輩、今日はなんか予定あるの?」
ジュースを飲みながら、花さんが聞く
「今夜は高校の同級生たちと焼肉です」
花さんはペットボトルから口を離し、こっちを向く
「なにそれ羨ましい」
そして続けた。
「じゃあそれまでちょっと喋らないか」
バッセンの近くの喫茶店に入ってコーヒーを飲む
「花さん、暇そうですね」
俺を誘うなんてよほど暇なのだろう
「今日はバイトがないからね」
「あんなに幸せそうな花嫁ばかり見てると、逆に気分が沈んでくる」
少し花さんが落ち込んだ。
どんだけ彼氏欲しいのや
まあ、俺も人のこと言えないが。
「まだ、彼氏できないんですか?」
花さんは工学部だから、女子の割合は少ないのだが
「もうチェック柄の奴ばかり」
「友達としてはいいけど、彼氏にはならんな」
チェック柄の服と、理系男子がかわいそうだ。
「野球部の皆さんはどうなんですか?」
まだ全員と会ってはないが、男子部員も20人近くいるはずだ。
「あいつら私のこと女として見てないじゃん」
ズーンとした雰囲気で花さんが言う。
確かに俺がこんなにペラペラ話せるのも花さんが女子女子してないからだろうが
「女子部員の他の5人はみんなサークル内で付き合っているのに」
まじか、あの人たちサークル内恋愛しているのか。
別れた後ドロドロしそうだな。
「女子会でひたすら彼氏の惚気を聞かされる私の身にもなってほしいものだね」
確かに、それはあまりに花さんが不憫だ。
「先輩のタイプってどんな人なんですか?」
「ダンディな感じ」
「ぽいですね」
イメージしやすいな。
この人、胸筋がムッキムキの髭もじゃマッチョとか好きになりそう。
「そうだ、後輩。デートはいつにする?」
花さんが急にニヤニヤして聞く。
「ゴールデンウイークに私とデートしてくれるんだろ?」
確かに前回の焼鳥のあとそういう約束になっていた。
「そうですね4日目はどうですか?」
俺はメモ帳を開きながら聞く
「バイトが午前で終わるから、午後からならいいぞ」
「じゃあ4日目に」
あっさりと決まった
「おっけー、どこ行くの?」
「どこでもいいですよ」
「まあ当日決めるか」
こういうところだ
他の女子なら、提案して意見を聞いて決めるところが、
この人相手なら、まあいいかってなってしまう。
スポーツ女子であって、全然いいと思うんだが、男相手のような態度になってしまう。
男が気楽にしゃべれるのは、この人の長所であり、短所でもあった
時間になったので喫茶店を出た。
「じゃあな後輩。焼肉楽しんできな」
そういうと花さんは、雑踏の中に消えていった。




