空は暗いけれど
今日も曇天を歩く。
見上げる空はいつも暗く、時には泣いている。
煙草の煙が空に吸い込まれ消えていく。
私も同じように消えれればいいのに。
そんな事を夢想しても現実は変わらず、空も暗いまま。
私は一体何処に行きたいんだろう。何者になりたいんだろう。
分からない。分からない。分からない。
この苦悩の末に待つものが何であるか分からない。
だから人は進むのかもしれない。
自分が分からないから。世界が分からないから。
煙草を燻らせながら私は歩く。
灰が落ちる。地面には幾人もの人間の足跡。
私のような人間が他にもいるのだろうか?
何も分からない人間。
分からない事から抜け出す事の出来ない自分。
嫌になる。壊したくなる。自分も。世界も。
ふぅーと息を吐く。空に向かって、世界に向かって息を吐く。私はここにいると分からせるように。
それは押し付けかもしれないけれど、確かに私はここにいる。
煙草に再び火をつけた。紫煙が舞う。私を取り囲むように。甘い香りがする。この世界とは似つかわしくない優しい香り。ずっとこの香りに包まれていたい。
そんな気持ちにさせてくれる香り。
この香りを嗅いでいる時だけ、生きていてよかったなと思える。この香りは私の中の死神を追い払ってくれる。私をこの世界に留めてくれる優しい香り。
私も、そんな誰かの香りになりたい。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今回は、頭に浮かんできた言葉たちをただただ連ねてみました。