6家族
甘い匂いが漂う中
ジョーカーは自分の右腕を眺める
また錬成を試す
頭で考え生み出す
ダンベルを想像して
50キロのダンベルを生み出した
名はダンベル
とりあえず錬成を試すのと
己を鍛える手段で生み出した
一度錬成したものはずっとあるようだな
左手に持つ刀を抜いた
閻魔十文字
刃こぼれもなく、見たこともない波紋
我ながら見事な刀だ
ダックス、ドラ、バローがドアをトントンと叩き
大広間に入って来た
刀を鞘に納めるジョーカー
「言われた物を持ってきましたわん」
ダックスは見取り図と
武器の在庫数の紙を持って渡してきた
まず見取り図からみるジョーカー
地下にキッチン、トイレ、風呂
一階は王の椅子がある大広間、
王の椅子の裏に10畳ほどの武器庫トイレのみ
二階は大浴場、広間
三階は王室
武器の在庫数は……無し
ジョーカーが立ち上がり
王椅子の後ろの部屋をあける
何も無い部屋だった
「お前ら!今日から俺は武器庫が俺の部屋だ」
「私の命令は絶対だ!」
「それから二階は今から来る民の部屋で三階は女性陣が使うこと」
驚きと不満そうな顔で返事をする3人
「かしこまりました」
バローが周辺の見取り図を持って来た
王の椅子に座り
正面がハート(不明)
後がダイヤ(砂漠)
右がクローバー(沼地)
左がスペード(森)
ジョーカーが現状を把握したところで
タイミングよくバローが話す
「今わかるのはこんな感じで
各国のキングの属性が反映して
森が変化しますモー」
「失礼します」
女性陣が広間に昼食を運び始めた
甘いシュークリームの香りが室内を漂う
香りに誘われるかのように
ショコラの民ウサギ属が40人ほど
目をキラキラさせ王室に流れ込む
40人のショコラウサギの群れはやはり可愛い
「私がジョーカー
今日からウサギ属は二階に住む事
三階は女性陣
我々は
今日から家族だ
初めて見る顔もいる、
嫌いな奴もいるかもしれない
ケンカもするだろう
だが嫌な事も愛せる
それが家族だ」
「互いに自分のできることを
必死にやれればそれでいい」
「さぁ目の前のシュークリームを手に取れ」
出来立てのシュークリームが皆の手に渡る
「このシュークリームは家族の誓いの
シュークリームだ」
とジョーカーが叫び
シュークリームにかじりつく
皆もつられてシュークリームをかじりつく
頬にクリームをつけながら
自己紹介し合うもの
安心できる場所に住めると喜ぶ家族
闇の国に可愛らしい民が家族になり加わる
常にジョーカーの隣にいるショコラ
腰にぶら下げた剣が少しサマになって来ていた
そんな
ショコラは瞳の大粒の涙をこらえていた
肩を叩くジョーカー
泣き出すショコラ
「他のものは
私のような思いをしなぐですんだピョン」
ジョーカーが頭を撫でる
「あぁ」
ジョーカーを見上げるショコラ
「だがショコラほど強くなれる男も居なくなったな」
「俺らが守る間は」
怒り、悲しみ、無力さ、を受け入れた
一人の男は強い返事をする
「ハイ‼︎‼︎‼︎‼︎」




