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9 紛れると分かりにくい

 ウルタの町に滞在して4日目。


 朝からコロナの訓練相手、お互いに木剣を持って構える。

 正眼で構えるコロナがじりじりと左右に動きながら、同じ正眼の構えで迎える俺の隙を窺っている。

 隙をわざと作りコロナが攻めやすいようにしてやると、そこを逃さず攻撃してきた。

 動きは悪くないが単純すぎる、コロナの剣の軌道に合わせて木剣で受け止める。

 

 ぺし。


 おかしい。

 木剣でこの音が出るのはおかしい。


「たりゃあああ!」


 木剣を引き、中段からの横切り、弾かれた勢いをうまく切り返し連撃に繋げる。

 コロナの2連撃を受け止める。


 ぺし――ぺし。


 やっぱおかしい。こっちの気が抜けそうだ。 

 なんだろう。構えも振り方も悪くないのに、当たる直前に剣がぶれてる。

 逆に器用だと思う。

 

 模擬戦で気付いたことだが、コロナの戦闘における勘は悪くない。

 俺がかなり手加減しているとはいえ、当てれると思った攻撃をちらほら躱している。

 ダージラビットを相手にしていた時も、途中でばてて転倒するまで完全に回避していた。

 コロナの動きをより細かく言うなら、まだまだ動きは粗いが見切りはできているようだ。

 回避に限定するならば、Dランク相当といえる動きだろう。

 レベル2でこれだけ動きができるのならば、成長にかなり期待ができるはずなんだが、攻撃力に期待できない。どうすりゃあ治るんだろ、これ。

 

 おっと、コロナよ大振りは厳禁だぞ。

 当たれば大きいかもしれないが、当たらなければ隙だらけになる。

 これは戒めだ。こつんとコロナの頭に木剣を軽く入れる。


「あいたっ。う~」


 また距離を取り、俺の隙を窺いながら、誘いの剣を振るう。

 どうやら駆け引きのつもりらしいが、この離れている距離では駆け引きにならない。


「そんなんじゃあ何も思わないぞ。駆け引きってのはこうやるんだ」

 

 一歩踏み込み、コロナにぎりぎり届く距離をつくり、身を引きながら剣を振るう。

 この攻撃は当てさせないためにギリギリの距離を見極めて振った剣だ。

 当たると勘違いしたコロナは剣で迎え撃とうとするが、刃は届かない。


 俺はさらに数ミリ踏み込み、手首を返しながら逆打ち。

 反応が遅れたコロナの胴に木剣を走らせ、直前でわざと緩める。

 がら空きのコロナの腹に木剣をちょんと触れさせる。


「ほらな、俺の剣に釣られて逆サイドが隙だらけなっただろ。これが駆け引きってやつだ」

「ん~難しいです~」

「練習あるのみだ。こういうのは体で覚えるしかないからな」

「頑張ります。そういえば、ウォルフさんはおじいちゃんと模擬戦とかしたことあるんですか?」

「おお、何度もあるぞ。俺の修行でやってた。今のコロナみたいなもんだ。アビエルにはよくボコボコにされたもんだよ。俺が剣の勝負で勝てないと思ったのが過去に二人いるんだが、そのうちの一人がアビエルだ。こう見えて実は俺も剣聖持ちなんだぞ?」

「け、剣聖ですか!? おじいちゃんと一緒じゃないですか!」

 

 おいおい、コロナよ。

 アビエルは剣聖じゃねえよ。あいつの本当の称号は剣神だぞ?

 俺より二つも上のクラスだ。


 俺がちょっと目を離した隙に脳筋修行馬鹿のアビエルが俺を上回りやがったから、悔しくて俺も頑張って迷宮巡りに明け暮れて剣聖になったんだよ。まあ、結局は離されたが。


 武器を持つ者の称号は士、王、聖、帝、神と5段階のランクがある。

 初期であるならば剣であれば剣士、槍であれば槍士、杖であれば杖士といった感じだ。

 中には剣豪と呼ばれる者もいるが、剣豪は剣士の中で剣王に近い技量を持つ者を指し、実際のランクでいうとただの剣士だ。


 称号のランクアップ条件は結構鬼畜だが、条件さえ満たせばランクアップできる。

 剣士から剣王に上がる方法は二つあり、そのどちらかをクリアすれば称号が得られる。


 まず第一が同格以上の相手に剣を使用して千勝することだが、カウントされるのは命を奪ったときだけなのでランクアップが非常に難しい。そもそも絶対数がいないし、仮にいたとしても相手を探し出し決闘まで持っていくのが難しい。模擬試合なら受けてくれるが命のやり取りとなると戦争くらいでしか上がらないんだよ。命のやり取りを平気でするのは戦闘狂の脳筋馬鹿くらいだし、そういえばアビエルなんかその口だったな。


 比較的簡単というか、分かりやすいのが第二の方法――魔物の討伐で、一定数の魔物を討伐するとランクアップできる。称号の更なるランクアップは桁が一桁ずつ増えていく。

 ざっくりとした魔物討伐数は、剣王で1万匹、剣聖で10万匹、剣帝で100万匹、剣神で1000万匹、最低でもこの数の魔物を討伐する必要がある。あまりに弱い魔物はカウントから外されるようで、この辺の線引きが曖昧なところだ。恐らくレベル差とスキルレベルの差が複合していると推測する。


 この条件では、人族はまず剣聖になるのが無理だ。剣聖を得るための同格以上の剣王がまず絶対数存在せず、大体ここで詰む。人族全体で剣王の称号保有者が数人しかいないのだから。


 では、魔物討伐では可能なのか。これも人族の寿命を考えるとかなり厳しい。

 この世界の一年は12か月、一か月は30日で大の月、小の月といったものはない。

 条件をクリアしようとするのなら、仮に100年生きたとして、一年間に1000匹の魔物を倒さなければならず、短期間で複数の迷宮を踏破できなければまずこなせない。

 恐らくナナはこれをクリアしたのだろう。ナナがいかに規格外の化け物か分かるというものだ。

 たった15年で10万匹以上の魔物を討伐しているという証なのだから。

 

 ナナの存在が非公式なため、現在の人族に剣聖は存在しない。

 この世界の公式な歴史上、人族で剣聖を得たのはただ一人。

 天剣とも呼ばれた英雄――解放王ガロア。

 既に故人だが、魔王討伐の偉業を果たした英雄として人間社会に伝説を遺す人物だ。

 かつての仲間であり、アビエルのライバルでもあり、俺が剣では勝てないと思ったもう一人の男だ。

 もし生きていたらアビエルと同様に剣神まで上り詰められただろう。

 

 人間だったから100年もしないうちに寿命で亡くなったが、いい奴だった。

 魔族に偏見を持ってなくて、誰にでも誠実で頼りになる男だった。


 ガロアは魔王討伐後とある国を建国したが、現在その国は名を残していない。

 ガロアが亡くなってから数世代は続いたが、あるとき大国同士の戦争に巻き込まれ敗退し滅亡した。その後、何度も新たな国が建国しては滅び、今はその地にミハエル王国が建国され栄華を誇っている。俺の偽カードに書いてある国名だ。今のミハエル国王は確か五代目。曲がり角の時期といえば時期か。


 おっと、思い出に浸ったり、考え事をしている場合じゃなかった。

 コロナの訓練の続きをしなくては。

 コロナを見やると、眼をキラキラさせながら俺を見ていた。


「おじいちゃんと一緒の剣聖……やっぱりおじいちゃんって呼んでいいですか?」


 それは断る。


 ☆


 コロナの訓練を終え、軽く休憩をしたあと、買い物に出かける。

 露店で食べ物をちょこちょこ買い食いしながら、足を進めていく。

 雑貨屋でコロナの物を中心に購入し、アイテム袋に仕舞っていく。


「うぅ、また借金が~」

「金のことは気にするなって言ってるだろ。俺、こう見えてそこらの王よりも金持ちなんだぞ」

「意味もなく施されるのは嫌なんです~。おじいちゃんに怒られる」


 まだ言ってる。

 アビエルの身内なんだから、俺も身内同然で、俺が面倒を見るのは当たり前なんだが。  

 

 雑貨屋を出て薬屋、衣服店といくつかの店を渡り歩き、露店エリアに戻ってきた。

 エリアの中ほどで、串焼きを売る露店から肉の焼ける香ばしい匂いが鼻をつく。

 

「美味そうだな。コロナあれも食べてみるか」

「いい匂いです。昼食前のおやつにいいですね」


 コロナよ。お前は普段から俺の倍食べてるからな。

 あと昼食前におやつは食べないと思うぞ?

 

 串焼きを売っている露店の親父に声を掛ける。

 

「親父、とりあえず2本くれ」

「あいよ、まいどあり。1本銅貨5枚だ」

「安い!」

「お嬢ちゃん露店なんざそんなもんだよ。ほらよ、火傷しないようにな」

「ありがとうございます」


 コロナが先に1本を受け取り、続いて俺も受け取る。

 串焼きを口にしてみると、肉汁がじわっと溢れ、見た目よりも柔らかな肉で旨味が深い。

 タレもほんのり甘辛く、これは大当たりだった。


「うまっ!」

「美味しい!」

「親父、おかわりくれ。コロナも食べるだろ?」

「いただきます!」

「おう、気にいってくれたか。じゃんじゃん金の続く限り食ってくれ! 飲み物は隣で売ってるからよ。売ってるのは、俺の嫁さんだけどな」

「親父、商売うまいな。飲み物も二つ頼む」

「毎度あり!」


 店の親父が俺とコロナが座れるように木箱を二つ用意してくれた。

 俺とコロナはそれぞれ木箱に座り、おかわりの串焼きを口にする。

 マジで美味いわ、この串焼き。

 

「……あの、ウォルフさん――あの子」


 コロナが指差す方向を見てみると、ボロボロの服をきた女の子が俺たちをじっと見ていた。

 随分とやせ細っていて小汚い格好していた。

 この町にスラムはなかったはずだが。


「ああ、あれは孤児院の子供だ。おこぼれを貰おうと思って待ってるんだろ」


 露店の親父が教えてくれた。

 

「ウォルフさん、あの子にこの串焼きをあげてもいいですか?」

「お嬢ちゃん、気持ちは分かるが止めときな。お嬢ちゃんたちは見るからに旅の人間だ。いつかは町を離れちまう。世の中お嬢ちゃんみたいな優しい奴ばかりじゃないんだ。中途半端な下手な同情はかえってあの子たちを傷つけちまうぞ」


 親父の言う通りだ。

 中途半端に助けをするほうが残酷なこともある。

 もしコロナが串焼きをあげたら、この子供は味をしめて物乞いをするかもしれない。

 物乞いを気嫌う奴や食べているところを見られるのを嫌う奴もいる。

 中には暴力で排除しようとする奴がいてもおかしくないだろう。 


「一応な、この辺りの食べ物を売ってる露店のやつらは、売れ残りや売り物にならねえのがあったらやるようにはしてんだよ。大した量じゃねえけどな。同じ町に住む人間だが、それぐらいしか手助けしてやれねえ」

    

 親父達も子供たちの姿が心苦しいのだろう。

 できる限りのことはしているようだ。

 

「じゃあ、中途半端じゃなくしてやろう」

「へ?」

「おい、そこの奴こっちこい」


 俺たちをじっと見ていた子供に手招きしながら呼びかける。

 子供は俺に警戒していて近づかない。当たり前の反応だろう。

 俺から近づき腰を落とし、子供と同じ高さに目線を合わせる。


「取って食いやしないから話を聞け。お前の名前は?」

「……ノーマ」

「ノーマか。ノーマは腹減ってるのか?」

「……うん」

「ノーマは孤児院で暮らしているのか?」

「……うん」

「そうか、よし。それじゃあ、ノーマが住む孤児院に連れて行ってくれないか? 俺がご馳走を作ってやろう」

「……駄目。そんなことしたら院長先生に怒られる」

「大丈夫だ。俺が院長先生にちゃんと話をしてやるから。嘘は言わない」

「………………本当に?」

「ああ、本当だ。約束する。約束の証として――そうだな。親父、串焼きを包めるだけ包んでくれ。何本でもいい。それをノーマに渡してやってくれ」


「おい兄ちゃん。売るのは構わねえが俺の話聞いてたか?」

「ああ、中途半端なことはしないよ。ちょいと考えがある」


 露店の親父は訝しげな顔をしていたが、注文通りに包めるだけの串焼きを用意してくれた。


「ほらよ、ちょうど銀貨1枚分だ」

「おう、ありがとよ」


 露店の親父に代金を渡し、受け取った串焼きの包みをノーマに持たせる。


「じゃあ、ノーマ。孤児院に連れて行ってくれ。コロナ行くぞ」

「はい!」


 

 孤児院に到着したが、あまりの荒み様にちょっとびっくりした。

 ボロボロの建物でいつ崩れてもおかしくないような状況だった。

 建物の入り口には扉すらなく、窓には何か所かボロボロの木の板がはめられている。

 建物脇には痩せ細った畑があるが、あれじゃあ満足に作物もできないだろう。

 

「これはひどいな」


 ノーマが孤児院の中へ入っていき、大きな声で院長を呼んだ。

 少しして、薄衣の中年女性が姿を見せる。

 院長もやせ細っていて、見るからに忍びない。

 優しそうな顔立ちをしているが、俺の姿を見た途端、警戒の色を示した。


「私はここの院長をしているナリザといいます。それで、ここに何用でしょうか?」

「急に訪ねて申し訳ない。俺はウォルフ、旅の商人をしているものだ。今日はここに用事があって訪問させてもらった。ぜひ話をさせてもらいたい」

「旅の商人……何を期待されているか知りませんが、ここに商売ができるようなものは何もありませんよ。この子がご迷惑をかけたのなら謝りますので、お引き取りください」

「この子……ノーマは迷惑をかけてないから安心してくれ。それとこの子たちのためになる話をしたい。話だけでも聞いてもらえないかな」

「……分かりました。お話だけ伺います。あと、この子が持っている包みはあなたが与えてくれたのですか?」

「ああ、ちょっとした手土産だ。気にしないで貰ってくれ。それとノーマを怒らないでやってほしい、その子と約束したんでな」


 院長はやれやれと言った顔でソーマの頭にそっと手を置き撫でる。

 

「善意には感謝を、ありがとうございます。心配はするけどこんなことで怒りません。良かったですねノーマ、今日はいつもより食べられますよ」

「おっと、その話を忘れてた。ここの庭を借りたいんだが構わないか。ノーマにご馳走するって約束したんだ。先にその約束をしたからそれも果たさせてくれ」


 庭へ移動中、窓からここに住む子供たちの様子を見えたが、ほとんどの子がじっと座ったり、横になったりして元気が全くない。多分、動いたら腹が空くからじっとしているんだろう。

 普通これだけ発展している町の孤児院なら、町からの補助金や貴族からの寄付金で経営は賄えるはず。ここの孤児院はどう見てもそういった施しを与えて貰えていないように見える。


 庭に行くと中学生くらいの女の子が畑の作物を採取していた。

 女の子の名前はジーマ、ノーマの姉だった。

 俺が料理を孤児院の子たちに振舞うと言うと、ほんの少し苦い顔をされたが礼は言われた。

 ジーマからここに住む子供たちの人数は12人で、子供の中でジーマが一番年長だと聞くことができた。


 アイテム袋からテーブルと椅子を取り出し庭に並べる。  

 子供たちを集めさせ、アイテム袋にストックしてある完成済み料理を大盤振る舞いに振るう。

 子供たちは目を丸くして出される料理を見つめている。

 テーブルの上にはハンバーグ、オムライス、ナポリタンスパゲッティ、サンドイッチとストックにあるものを並べれるだけ並べ。パンも大皿の上に積み上げておく。ついでに野菜と鶏肉のたっぷり入ったシチューも用意。これだけあればとりあえずは大丈夫だろう。


「おかわりが欲しかったら言えば出してやるから、好きなだけ食べていいぞ」


 不安そうな顔をしている子供たち。

 多分、今回限りだと思っているのだろう。

 

「早く食べないと、俺が連れてきたそこの大食らいな子に全部食べられちゃうぞ?」


 俺が指差す方向にコロナがいて、既にガツガツとオムライスを食べ始めている。

 これは俺がコロナに指示してやらせていることだ。

 それを見た子供たちは我先にと椅子につき料理に手を伸ばし始める。


「よく噛んで食えよ、足りなかったらいくらでも出してやる」


 子供たちは久しぶりのまともな食事に「美味しい」と泣きそうな声を上げながら手を進めていく。


「このような施しを受けても返せるものはありませんよ?」

「ああ、いやいやそんなことないぞ。十分おつりがくるくらいに返してもらえるさ。院長先生も食べてくれよ。まずはしっかり飯を食って、それから話をしよう」


 満腹になった子供たちにコロナと一号たちを紹介し遊ばせる。

 単なる追いかけっこだったが、コロナの指示のもと、子供たちは楽しそうに一号たちを追いかけていた。コロナたちには俺の作業の邪魔にならないように庭以外に行かないように指示してある。


「じゃあ、始めますか」

「何をなさるつもりですか?」

「生活の基本は衣食住だ。その部分を改善させる」


 先ずは衣服からだな。

 子供たちは走り回っているけれど問題はないだろう。

 

『空間把握、身測』

 孤児院の敷地内全ての空間にあるものを把握。

 孤児院の敷地内にいるすべての身体データが頭に流れ込んでくる。

 この基礎情報を基に次のステップへ。

 アイテム袋から、木綿糸、絹糸、麻糸を用意。50玉くらいあれば足りるだろう。


『装備創造』

 先ほど入手した基礎情報を基に衣服を作り上げていく。

 ふはははは、材料さえあれば何人分だろうがお手の物だ。

 俺が今までの人生でどれだけ部下の服とか装備を作ってきたことか。

 魔力もほとんど消費しないし、こんなの朝飯前どころか、片手間でもできるわ。

 院長先生と子供たちの服を少しずつデザインを変えた物で作成していく。

 

 衣服を作りながら、平行作業を開始。

 アイテム袋から拳大の魔石を3つ取り出す。

 

『物質創造、物質再生』

 ボロボロになっている建物で変えた方が早いものは作り替えたり、使えそうなところは修理していく。ついでに部屋の中の家具とかベッドも新しくしておく。古いものは思い出の品もあるかもしれないので一応アイテム袋に保管させてもらっておこう。新しい家具には出来上がった衣服もしまい込んでいく。使っていないエリアの建物を大幅改築。後で使う目的に合わせて形を変えておく。

 ここで魔石が力を失い、さらさらと粉になって崩れ去る。

 うーん、魔石3つで足りなかったか。追加しよう。

 魔石2つを追加して残った魔力で残りの作業を進める。


『土壌醸成』

 やせこけた畑の土を豊かな土に入れ替えて、施設と敷地は一旦終了だ。

 

「ひとまずこれでいいか」


 出来上がった物に満足して後ろを振り返ると、遊んでいた子供たちも、院長先生も固まって、大きく口を開けてポカーンとしていた。そこにはコロナもポカーンとした様子で混ざっていたが、チビッ子だけに子供たちに紛れると分かりにくい。一号たちのどれかを頭に乗せておいてもらえると判別しやすいんだが。


「どうだ、新しくなっただろう。これで百年は大丈夫だぞ」


 院長先生がそのまま倒れて気を失ってしまった。

 あれ、もしかしてやりすぎたか?


 言い訳じゃないけど、こういう時は徹底して中途半端なことしたら駄目だと思うんだよ。

お読みいただきましてありがとうございます。

身長順に並べてみると、ジーマ>ノーマ>コロナです。

ちなみにウォルフは180㎝、64㎏と痩せ型の長身です。



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