65話 チーム発表
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サバイバルの試験会場はラグゥサを出た草原の先、リップさん達と訓練した森のほど近くで行われる。すでに人が集まっていて黒い人だかりができていた。皆ソワソワとして、活気に満ちている気がする。集合時間になると昨日の試験官の魔女が壇上に立ち、杖を拡声器のように口に当てた。
「おはようございます受験生の皆さん、これより最終試験のルールを説明しますのでお黙りなさい」
無表情の魔女は淡々としていて、有無を言わさぬ威圧感がある。逆らったら一発で失格にされそうだ。
「ルールは簡単です。この森にいるモンスター、または植物鉱物の素材を採取し無事に明日の朝まで過ごすこと。素材の指定はありませんが価値あるものをチームで判断してください。欠損箇所もなく素材として活かせるもの、品質が損なわれたものに評価点は与えません。質、または量で合格点が左右されます。仲間と相談し、わけ前を話し合ってください」
そうか、これもきっと冒険者に必要なことなんだ。自分の仕事を仲間にアピールし、評価し話し合って獲物を分け合う。それを自分の点数として提出するんだ。仲間の組み合わせによっては悲惨なことになるかもしれない。
「緊急時は救難信号の花火をあげてください、試験官が森に配置していますのですぐに駆けつけます。無理はせず、無事に帰還することを第一に怪我のないよう臨んでください。それではチーム分けを発表します、昨日の試験会場ごとの指定された場所へ移動してください」
そわそわとした雰囲気が受験生の間に広がる。チーム分けは自分の命運を分けるはず。強気に出る人も、率先して指揮を取ろうとする人もいるだろう。私も食いっぱぐれにならないよう気をつけなければいけないし、仲間のためになるような自分の役割りを見つけなくては。仲良く協力し合えるメンバーだと嬉しいのだが。
そうこうしてるうちにアマミちゃんが先に呼ばれた。白魔法使い風エルフとハンマーを持ったドワーフの男女、ハーピーの亜人と戦士風のヒューマン。迎えられたアマミちゃんは戦士の男性と握手を交わしている。
「うん、ヒューマンもいるから特にバランスのいいチームだね」
「そのようだ、何だかんだヒューマンがいた方が生存率もグンと上がる。魔法を惜しみなく使える、魔力枯渇の心配もない」
二人の会話を遠くで聞いているようだった。私は違うことに気を取られていた。次に呼ばれた新しいチームに彼の姿がある。黒髪は少ないのでどうしても目立って嫌でも目に入る。
「やっぱりあのチームは仲間内で固まってるね。裏で手を回したんだろう、呼ばれる事はないから大丈夫だよ」
会話に参加しない私に、心配したオセロットくんが肩に手を置いた。その瞬間刺さるような殺気を感じ、その出どころをオセロットくんも睨みつけている。クロウくんが体格のいいエルフから肩に手を置かれてこちらを見ている。その横に剣士と武術姿のヒューマン、亜人のミヤコさんもいる。係の人が用紙を確認し、声を張り上げた。
「四二七番!」
何故か私の番号が呼ばれている。今はまだクロウくん達貴族のチームのはず。私は自分の受験プレートを手のひらで確認した。祈るような気持ちも虚しく、呼ばれた番号は間違いなくプレートに刻まれていた。




