21/33
第二十一話
それからしばらく経って、といっても1週間ほどの部活の日。
俺が部室に来ていると、先輩らと深屋は楽し気に話していた。
「こんにちは」
ドアを閉めつつ、先輩らにあいさつをする。
「おはよう」
まだ、及川先輩が来ていない。
あとはそろっているようだ。
「それって、この前買ったやつか」
深屋が食べているものを見つけて聞くと、一切れ食べつつうなづいた。
「ほら、あげる」
赤色リボンで口をくくった、小さな袋だ。
手作り感あふれるそのプレゼントは、きっとテディベアのお返しだろう。
そう思うことにして、クッキーを受け取った。